実家に行くと杉材の数十個分のキャンバス枠が壁に立てかけてあった。(これが終活か)と思いながら車に積んだ。
別荘でキャンバス枠を火にくべながら、色々なことを考えた。確かに母の絵は上手いとは言えなかった。でも何十年も続けたのだから余程好きだったのだろう。
途中でキャンバス枠を火にくべるのをやめた。気が変わった。
小屋の隅に眠っていたワンバイの端材とあわせて小さな鉢置きを作ってやろうと思った。母が愛した絵画の足跡を残してあげたくなった。
実は自分も半年前に食道癌の手術をしたばかりだ。どちらの形見になるか分からないが、落書きのような図面を引いて、現調で寸法を測りながら作ってみた。
ネットで作った焼印を押して、蜜蝋を全体に塗り込んで仕上げた。
材料費無料。作業時間2時間。
母の日の翌日、実家に届けに行った。
※こちらの記事は過去の読者投稿によるものです。
Alexさん