平成最後の年末に「星のや竹富島」を訪れた。写真は、施設から徒歩数分でアプローチできるアイヤル浜である。遠方に小さく見えるのは、石垣島の街並みだ。日帰り観光客が多い竹富島は、最終便のフェリーが出港した後に静寂が訪れる。宿泊した者だけが味わえる真の竹富島の姿がそこにあった。「キャンプに行こう!自然と遊ぼう!」を謳う「BE-PAL」が「星のや竹富島」を選んだ理由が、滞在して分かったような気がした。
シエラカップにちょこんととまっているのは、旅のお供をした1月号付録「[CHUMS]×BE-PAL LEDクリップライト」である。
さて、受賞記念に砂浜での焚き火キャンプに役立つノウハウを紹介する。
私のキャンプには焚き火がつきものである。というより焚火にキャンプがつきものであるといった方が正確だ。式で表すと「焚き火>キャンプ」となる。今回は残念ながら焚き火ができなかった。
焚き火キャンプでは暖をとるにも焚き火、調理も、お湯を沸かすにも焚き火である。シエラカップにすすがつく。使い込んだダッチオーブンを「ブラックポット」というが、私のシエラカップは焚き火遍歴のすすが塗り重ねられ、いわば「ブラックカップ」の風格を帯びている。
いつもは、思い出として焚き火のすすを塗り重ねて育てているのだが、今回は、アイヤル浜の砂で一部磨くことで記念に残すことにした。
【ノウハウ】
1「サンドペーパー」は、文字通り訳すと「砂紙」である。「サンドペーパー」で金属がきれいになるように、「砂」があれば磨くことができる。そもそも、クレンザーはザックリ言えば石を粉状にしたものである。
2シエラカップを砂浜にこすりつけて磨く。
3内側にこびりついた汚れも砂を入れて指でこすると綺麗に落ちる。
写真1がbefore、写真2がafterである。この状態になるまでものの数分である。さらに続ければ、完全にすすを取り除くことができるが、「ブラックカップ」を目指しているのでここまでにした。
追補
ウィキペディアで「クレンザー」を調べてみた。すると、「クレンザーの現れる前まで、金属器を磨くために磨き砂と呼ばれる炭酸カルシウムを主とした磨き粉が用いられていた。」という文を見つけた。「炭酸カルシウム」は、サンゴの成分である。沖縄の砂浜は、サンゴでできているわけで、オリジナルだと思っていたノウハウは、すでに先人が行なっていたことであった。先人に学ぶことは大切であることを改めて学んだ。この点で言えば後進のためにノウハウを蓄積するBE-PAL.NETは貴重である。「004 オリジナルだと思っていたカイロは江戸時代にすでにあった」に通じる話である。
※こちらの記事は過去の読者投稿によるものです。
一弛庵さん