ブドウ栽培が盛んな山梨県甲府・笛吹エリア。生食用はもちろん、ワインなど加工品も多く作られている。なかでも異彩を放つのが、なでしこ農園の「バルサミコ酢」だ。
バルサミコ酢とは、ブドウ果汁から作る果実酢のこと。ワインヴィネガーもブドウ酢だが、その作り方、味わいなど、違いは大きいと農園を切り盛りする若月夫妻はいう。
「バルサミコ酢は、北イタリアのモデナ・レッジョ地区で作られたものだけをいうんです。使用する品種や作り方が法律で決められていて、最低でも12年以上樽の中で熟成させなければいけない。ワインヴィネガーはブドウ果汁に酵母、酢酸菌を添加して3か月ほど発酵させて作った酢。たいてい、工業的に作ることで熟成期間を短くしています」