また、バルサミコ酢とうたっていても、着色料、香料、カラメルなどを混ぜた本来のバルサミコ酢とは違う安価なものもたくさんあるとか。
ワインのためのブドウ農家である若月夫妻の葛藤を解決したのがバルサミコ酢だった。「規定に合わず廃棄されるブドウはとても多いんです。農家としては手塩にかけて作ったブドウを最後まで食べきりたい。それで、ブドウのおいしさが生きる和製バルサミコ酢を作ろうと決意しました」
バルサミコ酢は樽の中で発酵しアルコールとなる過程があるため、醸造権を持たない若月夫妻には本来の作り方は許されない。本場である北イタリアの伝統製法を重んじ、オリジナル手法に取り組み、日本の法律には触れず味は本格的なバルサミコ酢を完成させた。
厳密にはバルサミコ酢とは定義できず、まだまだ道半ばだと若月夫婦は謙遜するが、そのクオリティの高さは取引があるフレンチシェフらのお墨付きだ。