木原さんと同じく、ワインに魅せられて生活ががらっと変わった人がいる。「RITA FARM&WINERY」の菅原誠人さん・由利子さん夫婦だ。
由利子さんが地元・余市町出身。夫で醸造機器メーカー勤務だった誠人さんの仕事で各地に住むうちに、地元の良さを再確認。ワインのインポーターを志してフランスに通い、栽培と醸造にも興味を持つようになったそう。
「元手となるお金がなかったので、ワイン醸造より先に加工品の製造販売から始めて、それから畑も醸造もふたりでやれる範囲で始めました」
土地を手に入れてから7年。醸造は今年で4年目ながらワイナリーも構え、野生酵母による自然発酵で醸したシャンパーニュ製法の泡モノを中心に、年間約1万本を出荷している。また、ワイナリーの隣にあった築70年の納屋をDIYで改装し、ブドウ畑を眺めながら飲めるワインバルもつくってしまった。