【凄腕プロの愛用道具を拝見】研ぎ師を魅了する「天然砥石」
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    2016.12.12

    【凄腕プロの愛用道具を拝見】研ぎ師を魅了する「天然砥石」

    天然砥石の研ぎ味は最高だという。「でも、どんな 刃物とも合うというわけではない。近年の新しい鋼 材だと、うまく乗らないことも多いです。やはり、青 紙や白紙のようなシンプルな炭素鋼に向いています」。

    天然砥石の研ぎ味は最高だという。「でも、どんな刃物とも合うというわけではない。近年の新しい鋼材だと、うまく乗らないことも多いです。やはり、青紙や白紙のようなシンプルな炭素鋼に向いています」。

    世界で最も優れた仕上げ砥石を産出してきた地域は日本の京都周辺だ。京都の石と同じクオリティーで仕上げ研ぎができる石は、他地域からいまだ産出していないそうだ。
    「2億5千万年前の深海に沈澱した塵のような鉱物粒子と、放散虫の化石からなる頁岩(けつがん)で、地殻変動の圧力によって適度に粒子がはがれやすくなったものが、京都の仕上げ砥だそうです」

    マキリのような精神性の強い刃物は、なる べく伝統的な技法で鍛える。研磨作業では機 械動力を使わず、天然砥による手仕上げ。

    マキリのような精神性の強い刃物は、なるべく伝統的な技法で鍛える。研磨作業では機械動力を使わず、天然砥による手仕上げ。

    京都の仕上げ砥は合砥(あわせど)と呼ばれる。採掘地の違いで本山、中山、大平、愛宕、奥殿、大突などの呼び名がある。さらに、地層の位置や色模様によりサブネームもつく。
    「僕は分類的なことには興味がない。あくまで自分の打刃物との相性で見ます。廃業した床屋さんでもらった砥石が、鳥肌が立つ研ぎ味だったときなどはガッツポーズです」

    鈴木さんの収集スタンス は、掘り出し物を探すこと。下は福島県某所で見つけた新品の合 砥。地域の祭礼の日、廃業した金物店が在庫品 を処分しているところに遭遇し、買い占めた。上 は廃業した鍛冶屋の庭先に放置されていた砥石。 (上から、風間砥、大村砥、笹口砥)。状態はよ くないが、面を平らに削り直せばまだ使える。

    鈴木さんの収集スタンスは、掘り出し物を探すこと。これは廃業した鍛冶屋の庭先に放置されていた砥石(上から、風間砥、大村砥、笹口砥)。状態はよくないが、面を平らに削り直せばまだ使えるという。

    天然砥石の収集は、刃物一本で飯を食っていた昔の職人を鎮魂する、巡礼旅でもある。

    ◎構成/鹿熊 勤 撮影/大槗 弘

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