名古屋めしのひとつである「どて煮」をご存じでしょうか?どて煮とは、牛すじや大根、卵などの具材を八丁味噌(はっちょうみそ)で煮込んだ煮物のこと。甘い味付けと八丁味噌のコクが具材にしみ込むので、濃厚な味わいを楽しむことができます。味付けが濃いめなので、酒の肴にぴったり!名古屋では居酒屋の定番メニューです。
このどて煮ですが、基本的には具材と調味料を合わせて煮込むだけの簡単な料理です。名古屋に近い岐阜県が出身地である著者が、作り方をご紹介いたします。
八丁味噌とは?
八丁味噌とは、愛知県を中心とした東海地方で食べられている豆味噌の一種です。愛知県岡崎市にある八帖町(古くは八丁村)で作られており、その地名が名前の由来となりました。
八丁味噌は、うま味が強く、甘みが少ない味噌です。白みそや他の赤味噌と比べて、塩気も強いという特徴があります。色は黒に近い、茶褐色の独特な色をしています。どて煮だけではなく、名古屋めしの味噌かつや、味噌煮込みうどんにも使われている味噌ですね。
この八丁味噌を使ったどて煮の作り方をご紹介いたします。
名古屋風どて煮の材料と調味料
<材料>
- 卵 10個
- 大根 1本
- 牛ホルモン 200gほど
- 牛すじ 200gほど
- 厚揚げ 1丁
- こんにゃく お好みで
- ちくわ お好みで
今回ご紹介するどて煮の材料と調味料は、4~5人分です。
どて煮によく使われる具材は、牛すじや牛ホルモン、豚モツ、大根、卵ですが、とくに決まりはありません。ちくわやさつま揚げなどの練り物や、厚揚げ豆腐なども、どて煮にはよく合います。
<調味料>
- だし醤油 大さじ3杯
- みりん 大さじ3杯
- 顆粒だしの素 半袋
- 八丁味噌 200g
- 赤だし味噌 100g
- 砂糖 50g
八丁味噌にまろやかさを加えるために、赤だし味噌を使用します。八丁味噌:赤だし味噌=2:1の割合がおすすめです。
八丁味噌は東海地方を中心に流通しているので、その他の地方では手に入りにくいことがあります。八丁味噌が無い場合は、赤だし味噌や赤味噌で代用できます。
今回、砂糖は50gとしていますが、これは甘さ控えめの味付けです。甘党の方は、お好みで砂糖の量を増やしてくださいね。
どて煮の作りかた
1.ゆで卵を作る
鍋に卵が浸る程度の水を入れ、火にかけます。水が沸騰してから9分ほど茹でて、固ゆで卵を作りましょう。9分ほど茹でたら、卵を冷水で冷まし、殻をむきます。
2.具材をカットする
大根の皮をむき、1~1.5cmほどの輪切りにします。
厚揚げは一口大に、ちくわは半分にカットします。こんにゃくは、あらかじめカットされているものを使用しました。ブロック状のこんにゃくを使用する場合は、1口大から2口大の大きさにカットしましょう。
牛すじも一口大にカットしましょう。
3.合わせ調味料を作っておく
調味料をよく混ぜ合わせ、合わせ調味料を作ります。
4.具材を茹でる
具材が浸る程度の水を入れて、具材を煮込みます。今回は1.5リットルほどの水を使用しました。
5.調味料を入れてよく煮込む
具材を入れた水が沸騰したら、合わせ調味料を入れて、よく溶かします。
合わせ調味料を入れると、スープが八丁味噌の独特な色に変わりました。そのまま弱火で2時間以上煮込みましょう。
2時間以上煮込んだら、蓋をして一晩寝かせます。この状態でも食べることができますが、ここはグッと我慢。2日間かけて煮込むことで、味がしみ込んで更に美味しくなります!
6.2日目も煮込む
一晩寝かせたどて煮を、更に弱火で煮込みます。最低でも1時間以上は煮込みましょう。水分が減り、スープにとろみがでるまで煮込めば、できあがりです。
さいごに
時間をかけて煮込むことで、具材に味がよくしみ込んでいます。色味が少ないので、上の写真のようにねぎや七味唐辛子をトッピングするのもおすすめです。
どて煮は焚き火やストーブの上でじっくり煮込むだけで調理できます。キャンプでの酒の肴に最高の料理です。ぜひお試しくださいね!