キャンプ、山登り、釣り、スノーボードと一年中アウトドアを楽しむご夫婦、SAKAEさんとMIKIさん。東京から山形へUターンしてきて5年目。MIKIさんはアウトドアショップ「ディセンバー」のスタッフだ。おふたりのDIY術を取材した。
※2022年に取材した記事です。
アウトドア好き夫婦のお家は(どこでも収納)スペース
「作業部屋」と名付けられた部屋は、SAKAEさんは毛鉤作り、MIKIさんはPC作業や趣味のレザー小物作りの場として使っている。テーブル、棚、壁面収納はすべてSAKAEさんが作ったものだ。
「作業テーブルを作ったときに余った端材で棚を作りました。よく見ると、ちょっと歪んだりしていますが、そういう誤差は“味”だと思っていて、DIYの楽しさのひとつですよね」
持ち家なので、初めから収納に便利な壁に設計したり棚を取り付けることもできたが、あえてDIYにしたのは、夫婦共に「飽き性だから」だそう。
「ふたりとも、後から『こうしよう』が増えてくるタイプ。だからそのときにしたいと思ったことを追加するほうがいいと思ったんです。作業部屋もテーブルが最初で、棚や壁面収納はあとから付け足しました。すぐ取りはずせるようにしているのも飽き性だからなんです(笑)」
そういうからには、DIYへの意欲がさぞ高いのかと思いきや、実は面倒くさがりだと話す。
「手を動かすのは好きなんですけど、腰を上げるまでには時間がかかります(笑)。また、何日もかけて作ると気持ちが続かないので、手間をかけずに1日で完成させるようにしています。作ると決めたら、まずサイズを測り、ビジュアル検索ツール「pinterest」に載っている画像でイメージを膨らませて、2週間ぐらいかけて準備をします。そうするとモチベーションが上がって、準備万端な状態で作れる。大変ではありますが、完成したらやっぱりうれしくなりますよね」
また、労をかけずに取りかかれるよう、資材もあえて近くのホームセンターで購入。とはいえ、材料はしっかりと吟味する。
「木のそのままの質感が好きなので材質や色は気にします。オイルや木目を活かすワックス塗りは私の担当。ふたりともレトロなものが好きなんですが、夫がカタチにしてくれたものはすぐになじんでくれる。手作りならではの魅力があって愛着が湧きます」(MIKIさん)
1 作業場で使うものは手が届く場所に
右がSAKAEさんで、左がMIKIさんのスペース。「毛鉤を作るのに必要な材料を棚に。座りながら手が届くようにしました」(SAKAEさん)。窓際と左のコーナーの棚も後付けで作製した。
2 ギアは天板にフックで見せる収納
有孔ボードではなく、コストを抑えるために天板に金具を取り付けた。
「天板は色味が良かったのであえて裏面を使っています」(MIKIさん)
3 ガレージでも見事にスペースを活用
玄関の隣のガレージにはテントや釣具などを収納。「見やすく整理することで、荷物の積み忘れもなくなりました。ここを通ると外に遊びに行きたくなります」(SAKAEさん)
4 家具やキャンプ道具もDIY
キッチン用のゴミ箱ケース。MIKIさんからの「パカッと開くもの」という要望を叶えた。
板を組み合わせてヘリンボーンの模様に。脚は、椅子の脚だったものを再利用している。
リビングで使っている丸テーブル。「形がデコボコですがそれも味かな」(SAKAEさん)
設計図は緻密!
天板を脚にのせるだけのキャンプテーブル。脚部分の切り込みはノコギリで切ってピッタリに。
DIY入門の心得
●構想はビジュアル検索ツールで
●資材は入手しやすいものを選ぶ
●木の質感にはこだわる
※構成/中山夏美 撮影/小倉雄一郎
(BE-PAL 2022年3月号より)