アウトドア派の間で、“軽トラ”需要が増え始めている。今回は、山岳写真家にして猟師の荒井裕介さん愛用の軽トラを紹介します。
三菱/ミニキャブトラック
荒井さんの愛車は三菱が自社生産していた先代モデルで、2003年式の低走行車を3年前に中古で購入。その間に走った距離は約2万㎞。燃費は13㎞/ℓと良好で、大きな故障もなし。
ココが良い! 耐久性に優れ、メンテナンスが容易なこと。維持費の安さも魅力。
ココが残念! 高速走行性能の悪さ。それに大型車両が近寄ってくると怖い。
必要最小限の装備で自然を楽しむ“ブッシュクラフト”の達人、荒井裕介さんが有害駆除と自分で食すために猟を始めたのは、6年前。
「父が趣味でやっていたこともあり、子供のころから猟は身近な存在でした。獲物は鳥や鹿、猪、熊など。行動を観察したり、糞の状態で移動時間を推測することができるので、山で熊と遭遇したときの対処もしやすくなりました」
猟を始めるにあたって、クルマもスズキの軽SUV、ジムニーから三菱のミニキャブトラックに乗り換えた。
「ジムニーをはるかに凌ぐ積載スペースを備え、日本の細い林道にも入っていける軽トラは猟に最適。中古車の数が多いので、故障したりぶつけたときにパーツが入手しやすいのも魅力ですね」
獲物をしとめたら極地探検用のそりに載せて、人力で軽トラを停めてある場所まで運び、荷台に積む。ときにはロープで荷台と結んだ獲物を木に吊るして、血抜きをするといった使い方も。
「いずれバッテリーを強化しようと思っています。そうすればサーチライトやウィンチなどを付けられ、最強の“狩猟軽トラ”になりますよ」
荒井裕介さん
山岳写真家にして狩猟免許を所持するハンター。自然のなかで生きる術"ブッシュクラフト"の知識を駆使し、猟犬の銀ちゃん(3歳)とともに軽トラで野山を駆け巡る。
◎構成/櫻井 香 撮影/見城 了、小倉雄一郎