鉄道は走らないけど駅がある!?鉄子の妄想が止まらない、鹿児島県の島の名は…!?
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    2022.03.21

    鉄道は走らないけど駅がある!?鉄子の妄想が止まらない、鹿児島県の島の名は…!?

    みなさま、こんにちは。鉄道フォトライターの矢野直美です。

    鉄道に加え、離島も好きです。

    「鉄道のある離島」が撮影の理想なので、鉄道が走っている離島を探したり、行きたい離島があるとそこに鉄路があるかどうかを調べます。

    実際に鉄路があれば最高。今は走っていなくても、かつて鉄路が敷かれていた痕跡があれば魅力を感じますし、鉄道を感じられる空間やモニュメントなどにも心ひかれます。

    たとえば、鹿児島県与論島にある「ヨロン駅」もそうです。

    海沿いにつくられた、ヨロン駅。

    といっても、与論島に実際の鉄道はありません。そして国道もないのですが、鹿児島から沖縄までは国道58号線が海上を通っています。与論島では、この国道58号線を海上鉄道と考え、1979年にヨロン駅を建設。当時は記念きっぷも発売されていたそうですよ。

    使われているレールと車輪は、当時の鹿児島鉄道管理局から譲り受けたものとか。

    名前は「天の川銀河鉄道本線 ヨロン駅」。見事な星空も与論島の自慢のひとつ。

    ヨロン駅で潮風に包まれながら「もし鉄道が走るなら」と想像してみます。

    ここにはきっと「軽便鉄道」と呼ばれる、軌道の幅が通常の鉄路より狭くて小型の車両を用いるスタイルが似合う。走るのは、トロッコ車両のようなオープンエア、もしくは窓が大きな車両……。

    想像、というか妄想は果てしなく広がり、楽しくてたまらない気持ちになります。

    夕日の絶景スポット

     ヨロン駅の傍には、海沿いにつくられた「ビドウ遊歩道」が延びています。

    ここは夕陽の名所で、訪れた日は空にうっすらと雲がかかり、夕陽に不思議な縞模様が描き出されました。色は違いますが、まるで木星のような縞模様の太陽。

    もちろん晴天も良いですが、空に雲がかかっているときの夕日はさまざまな変化が見られる面白さがあります。

    ビドウ遊歩道から見た夕陽。

    与論島は、鹿児島県の最南端に位置する奄美群島のひとつ。サンゴ礁が隆起してできた島なので、真っ白な砂浜と透明度の高い海が素晴らしい景観を見せてくれます。

    なかでも代表的な景勝地といえば、「百合ヶ浜」。島の沖合1.5kmほどのところにぽっかりと浮かぶ、夢のように美しい白浜です。

    百合ヶ浜へはグラスボートなどで運んでもらえます。

     百合ヶ浜は潮や気象状況によって姿を現すため、条件がそろわないと上陸することが叶いません。旅の計画を練る際は、与論島の公式サイトなどでご確認を。

    与論島公式サイト http://www.yorontou.info/

    私が書きました!
    鉄道フォトグラファー
    矢野直美

    国内外を旅しながら写真を撮り、文章をつづる「フォトライター」。鉄道旅をこよなく愛することから「元祖・鉄子」の愛称でも呼ばれる。写真作品とエッセイを発表しながら、さまざまなメディアで活動。講演会やフォトコンテストの審査員も務める。著書多数。電子書籍に、BE-PALの連載をまとめた「おんなひとりの鉄道旅」、写真集「汽車通学」、「北海道 幸せ鉄道旅」、「鉄子の旅写真日記」、「日本の鉄道 車窓絶景100選」(共著)

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