アウトドア大国アメリカで今売れに売れているRV(キャンピングカー)。特にコロナ禍で、人々のアウトドアへの関心が広まり、RVの出荷台数は4割増し。RV所有者(いわゆるRVers)はパンデミック以前に比べて20%以上増加したと言われています。そんな今とても熱いRV市場の動きを調査すべく、今回はRVショー(キャンピングカーの見本市)を訪問。2022年2月18日~20日にノースカロライナ州で行なわれたNCRVDA SHOW(North Carolina RV Dealers Association SHOW)へ行き、総ディレクターであるJeff Haughton氏にRV市場の現状についてのお話を伺ってきました。
RV購入者層は20代~70代! 価格も数百万円台~予算に合わせて選べる
「10年くらい前からRV市場は右肩上がりで成長を続けてきましたが、今回のパンデミックでその勢いはさらに増し、いまRV業界はかなり盛り上がっています。かつてはリタイア後のシニア層が中心と言われていたRVersですが、最近は幅広い年代に売れるようになり、購入者の年齢層は25歳~75歳が中心。それぞれのライフスタイルに合わせて、様々なタイプのRVが売れるようになりました。価格帯も幅広く、中古車を含めると約100万円($8,000)から購入可能。大型のRVでは1200万円以上($1M+)のものもよく売れています。現在アメリカでは1120万世帯以上が何らかのRVを所有していて、さらに960万世帯が5年以内に購入を検討していると言われています。それだけ多くの人がRVに関心を持っていて、RVショーの参加者も増加。毎年かなり盛り上がっていますよ」(Jeff Haughton氏)
RVショー内では様々な種類のRVを見比べることができ、車内の設備やインテリアのデザイン違いも目で見て、触って確認することができます。ディーラーの方がカタログ等を使いながら、設備の説明やオプションで付けられるプラン等を話してくれるエリアがあったり、イベントブースもたくさん出ているので、実際に購入しようと思っている人はもちろん、RVのことをよく知らない人でも十分に楽しむことができるのです。
「RVショーでは、RVの選び方、購入の仕方、RVライフを楽しむコツなどの無料講座が1日中行なわれています。興味がある講座には自由に参加いただけますし、個別相談もできます。RVに興味がある人は、ぜひこのようなショーに出かけてみると、RVing(RVの生活)の魅力を知ることができると思います」(Jeff Haughton氏)
RV業界団体であるRVIA(Recreational Vehicle Industry Association)によると、2021年のRV総出荷台数は2020年に比べて39.5%増加して約60万台。また、RV Industry Associationによると、RV所有者の年間使用日数の中央値は20日ですが、キャンピングカーをメインで生活をしている「RV living」をしている人も多く、その数は100万人以上と言われているようです。
家族に人気は「クラスB+」「クラスC」、RV livingには「クラスA」が熱い!
「アメリカのRVには、いわゆるキャンピングカーであるモーターハウスタイプと、トラック等で牽引するキャンピングトレーラータイプの2種類があります。まずはモーターハウスタイプで言うと、手軽で人気な小型の『クラスB』、ファミリー層には中型の『クラスB+』と『クラスC』、そして長期間RVで生活をしながら旅をする人に人気の大型バスタイプ『クラスA』があります。アメリカではどんなに大きなバスタイプのRVでも普通免許で運転ができるので、どのサイズも気軽に購入ができます。一方、キャンピングトレーラータイプの方は、すでに自宅にピックアップトラックや大型自家用車を持っている人に注目されています。すごくコンパクトなタイプから大型バスタイプ、ポップアップで居住スペースが広がるタイプなど、バラエティに富んでいます。実際に見て、自分のライフスタイルに合ったタイプを選ぶ人が多いようです」(Jeff Haughton氏)
では実際に、どんなRVが売れているのでしょう。早速、ショー内で見つけた人気のRV(モーターハウスタイプ)を紹介いたします。
※以下で紹介するRV価格は参考価格。ショーの価格は一般市場価格より2割程度安いものが多数。日本円換算は$1=120円で計算しています。
これぞアメリカンサイズ!! 動くホテルのような豪華クラスAタイプ
日本で言う大型のバスコンタイプ(バスコンバージョン)のキャンピングカーは、アメリカではクラスAと呼ばれ、豪華なインテリアが特徴です。クラスAの多くは、サイドにスライドアウト部分があり、停車中は室内スペースを広げることができます。家電も充実しているため、長期間のロードトリップも全く苦労なく過ごせるでしょう。価格は新車の場合$100.000(約1200万円)以上。
クラスAの中には、後部が全面に開く「トイハウラー」タイプも。後部に大型のバイクやボートを乗り入れることができ、後部はベランダとしても利用可能。天井や壁に収納された座席を出せばリビングスペースにもなります。
手軽で便利!若者世代に人気のクラスB、クラスB+タイプ
手軽な大きさで小回りがきくキャンピングカーとして人気のクラスB。ワゴンタイプのキャンピングカーなので、自宅のガレージに置きやすいところもポイントです。キッチン、バストイレなどすべてがコンパクトでソファーがベッドになるタイプが多数。バスとトイレは一体化しているので、シャワーを使うとトイレも濡れてしまうため「ウェットバスタイプ」と言われています。
最近特に注目されているのがクラスB+。これは、クラスBのバンタイプよりも明らかに大きく、見た目はクラスCに近いトラックタイプです。クラスCの特徴である運転席上の空間が狭いため、クラスCよりはコンパクト。寝室部分はスライドアウトすることが多く、停車中はクイーンサイズのベッドルームになります。
キャンピングカーの定番! RVレンタルにも多いクラスC
アメリカのキャンピングカーの定番サイズと言えばクラスC。RVレンタルでも人気のタイプで、独立したベッドルーム、運転席の上の空間、ソファーベッドを利用すると6~8名利用できるとファミリー層に人気です。収納も多いため長期のロードトリップも快適に過ごせます。インテリアデザインや家電、設備等のオプションによって価格に差がでるようですが、中古タイプなら数百万円から購入可能です。
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今回は、売れ筋RV(キャンピングカー)の中でもモーターハウスを紹介しました。次の現地レポートでは、売上げ好調!自宅の車やトラックに設置できるキャンピングトレーラータイプを紹介します。