キャンピングカー旅にありがちな4つのハプニング。これまでにもっとも怖かった体験は…
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    2022.03.26

    キャンピングカー旅にありがちな4つのハプニング。これまでにもっとも怖かった体験は…

    運転席イメージ

    旅にはハプニングがつきもの

    旅とは慣れ親しんだ生活習慣や土地から離れて、非日常の世界に身を置くこと。予測不能な出来事はつきものです。誰かに迷惑をかけたり、自身の安全に関わるもの以外ならば、旅に色を添えるアクセントになるでしょう。

    人に語れるような冒険譚ではありませんが、私にも笑えるものから怖かったものまで小さなハプニングならたくさんあります。これまでのキャンピングカーや車中泊の旅から、いくつかご紹介します。

    寒い夜に暖房が使えない!

    FFヒーター

    キャンピングカーで人気、ベバスト社のFFヒーター。

    キャンピングカーのメリットは、なんといってもサブバッテリーからの給電で電化製品が使えること。とりわけベバスト社のFFヒーターは、車内暖房の決定版と呼ばれるほど完成度の高い製品です。

    まだキャンピングカーに乗りたてで、右も左もわからない頃。夜になって車を停め、「さあ寝よう」とFFヒーターをセット。

    ところが、ダイヤルをひねってもヒーターがウンともスンともいわないのです。どうやら電圧不足らしいとわかったのですが、夜なのでどうすることもできません。

    停車した直後はまだ運転中の暖気が残っています。寝袋にくるまって、なんとか眠ろうと試みますが、時間とともに車内の気温は下がる一方。夜中に何度も目が覚め、ガチガチに身体がこわばったまま翌朝を迎えたのでした。

    燃焼時はわずかな電力で動くFFヒーターですが、点火時には何倍ものパワーが必要だそう。

    自宅で充電して出かけたはずなのに、サブバッテリーそのものが弱っていたようです。知らず知らず過放電になっていたのかもしれません。

    今ではだいぶ電気の使い方も上手くなり……と言いたいところですが、最近でもやはり充電が間に合わず「ほかの電化製品は使えるのにFFヒーターだけ点火しない!」という出来事が。

    ただし代替手段をたくさん用意するようになったので、初回のような寒さは経験していません。

    電子レンジが落下した!

    キャンピングカー車内イメージ

    家電を搭載したキャンピングカーの一例。

    座席からカバンがすべり落ちたり、買い物袋が倒れたりといった小さな荷崩れは普通車でもよくあること。しかしキャンピングカーでは飲食物や家具家電など、通常は車に積まないものが満載ですから、荷崩れもスケールが違います。

    飾っていた小物が散乱した、しまい忘れに気づかずペットボトルが吹っ飛んだ、などは「キャンピングカーあるある」ではないでしょうか。

    私がもっとも大規模に荷崩れを起こしたのは、以前乗っていたキャンピングカーでのこと。

    日本の道路事情はかなり優秀だとは思いますが、それでも地方ではガタガタの未舗装路や凍結路を走ることがあります。あるとき走行中のキャンピングカーの居室から「ガッターン!」という轟音が響きました。

    キャンピングカーの電子レンジ

    キャンピングカーに設置された電子レンジ。

    慌てて停車すると、家具に固定してあったはずの電子レンジが落下。レンジはビルダーの標準装備品で、あらかじめジャストサイズの収納家具に収められていました。棚にはストッパーがついており、普通はレンジが飛び出てくることはありません。

    ところが、このときは棚ごと崩壊。電子レンジの重さや振動に棚板が耐えられなかったようなのです。

    ユーザーとしては不可抗力のアクシデントだったのですが、今でも走り出す前に居室のチェックは必須です。落ちたり倒れたりしては困るもの、床をすべって動きそうなものは徹底的に排除。

    ショーやイベントの展示車では、シャンパングラスや観葉植物などをオシャレに飾りつけた内装が素敵ですが、もちろんあのままでは走れませんよ。悲劇が起きます。

    駐車料金にびっくり

    車載クーラー

    製品開発が進んでいるとはいえ、車載用クーラーはまだまだ大きなスペースや電力を必要とするものが多く、真夏は車中泊のオフシーズンとも言われます。

    とくにコンクリートジャングルの都市部では、普通の住宅でも寝苦しい熱帯夜になるのですから「車になんてとても寝ていられない」というのが正直なところ。

    私も首都圏滞在の夜、あまりの暑さにスパ施設に避難したことがあります。

    深夜料金を除けば、ひとり3000円ほどで冷房完備の館内。テーマパークのようなレストランやアミューズメントも楽しく、「夜が更けて涼しくなったら出よう」と思っていたのに翌朝までゆっくりしてしまいました。

    東京イメージ

    しかし都市部の有料駐車場では、地方在住者にはお馴染みの「24時間○○円」「館内利用者無料」といったお得な料金設定がないこともしばしば。

    翌朝、人間の滞在費を遥かに超える駐車料金に目玉が飛び出ました。スパ施設の利用者割引をフル活用しても、1万円を超える出費。

    散々楽しんだので今となっては笑い話ですが、節約を考えるのなら「akippa」のような駐車場サービスを利用するのもいいですね。

    店舗や住宅の空きスペースを登録・貸し出すサービスで、一般的なコインパーキングよりも低価格で利用できることがあります(※キャンピングカーの駐車も可能ですが、車中泊をする場合には事前に確認・許可が必要です)。

    暗闇で光る目

    北海道イメージ

    キャンピングカーとは関係なく普通車でも起こる出来事なのですが、最後に恐怖のエピソードをひとつ。といっても怪談ではありません。

    北海道のドライブ旅といえば、キタキツネなど野生動物との出会いも楽しみのひとつです。初めて道東を旅したときのこと、道端でごく普通に草を食む(はむ)エゾシカを見たときは感激しました。

    思わず車を停めて写真を撮ることを繰り返していたのですが、徐々に気づきます。

    道東では、どうも「いたるところに」と言ってもいいほどにエゾシカがいるのです。それも車を怖がることもなく、道路からすぐ近くの場所で群れになっています。実際にエゾシカの飛び出しによる交通事故も急増しているのだそう。

    動物を傷つけるようなことは絶対にしたくありません。車も無事では済まないでしょうし、こちらがパニックになって大事故につながる恐れもあります。

    北海道イメージ

    さらに恐怖を増したのが夜でした。広大な北海道、人家のない暗闇に伸びる道も多いですが、道路脇にヘッドライトを反射してキラキラと光るものが……

    シカの目、それも複数です。

    身体が見えない分、「いつ飛び出してきてもおかしくない」という緊張感が高まります。ひとつの群れをやり過ごしても、またしばらく走るとピカリと照り返す丸い光。

    まさに手に汗握るドライブでした。これまでの運転歴で、もっとも怖かった経験かもしれません。できれば、もう二度と走りたくない道です。

    近年、野生動物のための横断路「アニマルパスウェイ」や「アニマルブリッジ」が注目されていますが、大いに賛成です。ぜひ予算をかけて普及させて欲しいと思っています。

    キャンピングカーシーズン到来

    不思議なことに、旅では楽しかったエピソードと同じくらい、予想外だったり失敗したりというエピソードが印象深く思い出されます。予定調和では旅はつまらないとも言えます。

    季節は春。昼はポカポカ陽気で散策にちょうどよく、夜には暑さを気にせず寝られるキャンピングカーシーズンがやってきました。今年はどんな驚きの体験ができるか、今から楽しみにしています。

    私が書きました!
    フリーライター
    SAYA
    グルメ、トラベル、車中泊、クルーズなどの記事を執筆しているフリーライターです。バンコンタイプのキャンピングカーで全国を巡っています。太陽も昆虫も苦手なインドア派ですが、車中泊×観光の組み合わせに無限の可能性を体感中。車を拠点にした遊びの話題をお届けします。

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