ここ最近のハイキング関連のフットウエアは、ハイカット・ミドルカットよりローカットのモデルが増加している。理由は低山を登る初心者の増加で、足首を守るハイカットを利用するほどではないことに加え、街中でも気軽に履けることが挙げられるため。
そんなハイキングシューズ分野で、今年に入ってアメリカのフットウエアブランドの「ホカ」が新作のシューズを発表。早速手に入れることができたので試してみた。
アウトドアで使うのに備えたい機能がフルセット!
今回紹介するのは、ホカの「アナカパローGTX」。内側にゴアテックス素材を配し、防水透湿性に優れたアウトドア用シューズである。
ここから、シューズを細かく見ていこう。表面には、レザー関連の国際認証団体から認定を受けた軽量のヌバックレザーを採用。PFCフリーの撥水加工も施し、上品な佇まいだけでなく、雨が降ってもレザーに水が染みにくい。
ミッドソールには、大豆オイルを由来とする素材を50%使ったウレタンソックライナーを採用。クッション性に加え、環境にも配慮していることがうかがえる。
アウトソールを見ると、ビブラム社のメガグリップを装備(ブラック部分の素材)。深めの凹凸が付いており、たしかなグリップ力で地面をしっかりつかんで悪路を安定して歩ける。
このシューズの特徴は、履き口に付いているプルタブ。通常は外側にちょこっと添えるのが一般的だが、アナカパローGTXは薄めのクッション生地も一緒につけることで、アキレス腱を包み、足首のフィット感をプラスした。
オフセット(つま先と踵の高低差)は6mm。ホカの他のランニングシューズが平均5mmであるのと比べると、やや前傾になっている。ボリュームのあるソールもさることながら、スムーズな足運びができるようになっている。
また、かかとが少し後ろへ出っ張ったデザインになっており、かかとから着地する際にブレることなく安定して歩けるのも特徴だ。
アナカパローGTXを実際に試してみた
ディテールをチェックしたところで、実際にフィールドで履いてみた。今回は26.0cmをチョイス。普段の街履き用シューズは25.5cmを使っているが、幅がやや細めで、厚めのソックスを履くと窮屈になると感じ、少し大き目にした。
歩いてみると、石や小枝が落ちている土の上で安定して進むことがあり、オフセットがやや差があることもありグイグイ前へ進んだ。
後ろから歩く姿を見るとわかるが、かかとが二股になるデザインにより、歩行中に右に傾いても左に傾いても、しっかりと地面に着地できるようになっている。これが安定性を高めるポイントだ。
アスファルトの上だと、厚みのあるインソール・アウトソールのクッション性が特によくわかる。地面の硬さはほぼ感じず、蹴り出すとフワッとした感触が得られるほどやわらかい。
走ってみると、着地時の衝撃もしっかり吸収してくれて、足運びも楽チン。ただ、重量は片足397gで、一般的なハイキングシューズと比べると軽いほうではあるが、じゃっかん重みがあるかな、と感じざるを得なかった。走るより歩いて使うのがいいだろう。
太いパンツと合わせると野暮ったくなるかも
高いクッション性と足運びのしやすさは、実際に体験できた。次にパンツとの合わせ方についてチェック。アナカパローGTXは全体的にボリュームのあるシューズなので、太いパンツを合わせると下半身が太くなり、野暮ったくなるかもしれないと感じた。
もし合わせるなら、裾にかけて細くなるテーパードタイプのパンツや、全体的に細身のスリムパンツを合わせると、バランスがとれるだろう。街中で使いたい人は、パンツ合わせに注意しよう。
“ギア”のようにガシガシ使える万能シューズだった
ソールのボリュームが特徴的なホカのシューズ。今回購入したアナカパローGTXは、安定性を高めたアウトソール構造としっかりわかるミッドソールのクッション性、そしてオールマイティなデザインで、毎日履きたくなるほど機能が盛り込まれていた。
このシューズと別のシューズを毎日交互で履いてみて、アナカパローGTXはどこにでも、気兼ねなく履ける意味で“ギア”のような感覚で使えると感じた。キャンプや街中で、足に負担をかけそうな場面がありそうならこのシューズを使ってみてもらいたい。
ホカ「アナカパローGTX」
- 価格:¥27,500
- サイズ:25.0〜30.0cm
- 重量:397g
- カラー:アウタースペース/リアルティール、ブラック、タイガーズアイ