ほどなく沼野さんが合流する。「結構、怖いんですけど、こんなんで沖に出ても大丈夫なんですか?」と聞く私に「大丈夫っすよ」と笑顔で答える沼野さん。学生時代からヨット部で鍛えてきた「海の男」に言わせると、これくらいなら大丈夫らしい。安定性のある足こぎカヤックだからこそだが、それでも沖でも波が割れていたら絶対に海に出てはいけないとのこと。
サーフィンをする人はわかると思うが、割れないだけで「頭」より高い波が次々にやってくる。その度に私は「やばい! 波に船首を向けないと!」と焦りまくる(波に頭から突っ込むかたちが一番安全だから)。ちょっと視線をそらして、魚探を見る余裕すらほとんどない。