ひょんなことから、家でメスティンごはんを炊くことに
家具家電のないマンションで、家族3人キャンプ道具で暮らす
娘の小学校入学前に引っ越しをすることになった。荷物を新居に出した日から、保育園の卒園式までの1週間、引越前のマンションでキャンプ道具で暮らすことにした。照明は、リビングのポップインアラジンのみ、冬キャンプ用のホットカーペットを敷いて過ごす。
いつも行くキャンプ場にテーブルを置いてきてしまい、段ボールとコープの箱がテーブル代わりとなった。いつもの設備がない不便な暮らしのはずだが、リアルなお家キャンプといった感覚で、ワクワクしながら最小限のもので生活することができた。
マンションでのキャンプ道具暮らしで、メスティンごはんの美味しさにハマる
冷蔵庫や炊飯器、電子レンジはないが、水道もガスコンロもあるので、キャンプと同じ要領でごはんが作れる。キャンプ道具で生活する技を身につけておくと、いざという時に役に立つと感じた。
初日、キャンプといえばカレーということで、メスティンごはんとボンカレーを食べたが、メスティンで炊いたお米があまりに美味しかった。
2日目からは、「お米そのものを、もっと味わいたい」との話になった。シンプルに”塩にぎり”に海苔を巻いたり、”ごま塩おにぎり”を作ったり。お米が主役となり、納豆や味噌汁、漬物など、シンプルな”相方”が定番となっていった。
キャンプ道具生活で、すっかりメスティンごはんにハマった我家では、新居に越してきた今もなお、”メスティンごはん”を炊き続けている。我家のメスティンは、昨年ホームセンター「コーナン」で2000円くらいで購入した3合炊きのものを使っている。
なぜこんなに美味しい?メスティンごはん
我家のメスティンごはんの作り方
いろんなメディアを見まくってベストを模索中だが、今の基本はこの手順。
- お米を2合メスティンに入れる。
- 水でお米を3回、手で軽くお米を回すように研ぐ。
- 2合の目盛りまで水を注ぐ。
- 時間がある時はメスティンのふたをして冷蔵庫で浸水。(急ぎで炊く時は省くが、味変わらない…)
- ガスコンロの「弱火の強火」で15分火にかける。
- 15分タイマーが鳴ったら、まだ火を止めずにメスティンの音を聞く。パチパチという音が聞こえたら、そこから30秒数えて火を止める。パチパチ音が聞こえなければ、少し火を強めてみる。パチパチ音が聞こえてきたら、30秒数えて火を止める。(15分たたずにパチパチ聞こえてきたら火力を最小にして15分で火を止める)
- 火を止めたら、そのまま15分蒸らす。
メスティンごはんの美味しさの理由
メスティンごはんの美味しさの理由を調べていたら、食の博識・樋口直哉さん(Travelingfoodlab.)の世界一おいしいご飯の炊き方の記事を見つけた。我家のメスティン炊飯と”おいしいご飯の炊き方のポイント”に共通点を見つけて、なるほど!と唸った。そこにはこう書かれていた。
《おいしいご飯にするためには98℃以上で20分程度加熱することで、デンプンをしっかりと糊化させる必要があります。実際には火にかけ続けていると底が焦げてしまうので、途中で火を止めて蒸らすわけですが、その時に予熱を維持できない薄い鍋だと温度が下がってしまいます。理想は銅かアルミ製の分厚い鍋。》
アルミ製のメスティンは熱伝導にも優れており、火にかけることで一気に加熱することができる。樋口さんの記事には「理想は銅かアルミの分厚い鍋」とあるが、メスティンにはさほど厚みはない。とはいえ、15分じっくりと時間をかけて蒸らし、予熱をしっかり伝えることで、かなりの美味しいごはんが炊けるのだ。
お家メスティンごはんの魅力
- 家族で炊き上がりを待つエンターテイメント性
- いつもごはんが炊き立て
- 米研ぎから炊き上がりまで30分と意外と早い
炊飯器のような保温機能がないため、夕飯時間から逆算して炊飯を始める。
メスティンを15分間火にかけている間に、おかずの下拵えをする。火を止めて、ごはんを蒸らしている15分の間に、おかずを仕上げ、食卓へ。最後に、炊き上がったメスティンをテーブルに並べて、食卓の完成だ。
家族が揃ったところでメスティンの蓋を開けると、美味しい匂いに包まれる。家族で迎えるこの瞬間は、最高の贅沢だ。
まとめ
便利な保温や予約機能がないからこそ、食事の時間に合わせて”お米を炊き上げること”が、私にとって日常の中での特別なイベントだ。メスティンごはんの炊き上がりを待つことが、家族にとっても楽しみになっている。
メスティンの中でゴウゴウとお湯が沸いくる音、パチパチ弾ける音に耳を澄し、蓋に箸を当てて、振動を感じる。お米が炊ける匂いに鼻が動く。メスティンの中が見えないからこそ五感が働く。
毎日のメスティン炊飯は難しくても、時間がある休日やシンプルなおかずの日など、メスティンでごはんを炊いてみるのはどうだろう。
なんでもない日常が、少しだけ特別になるかもしれない。