車中泊こそ「テーマのある旅」に最適!日本100名城や街並み探索はいかが?
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    2022.04.08

    車中泊こそ「テーマのある旅」に最適!日本100名城や街並み探索はいかが?

    キャンピングカーイメージ

    周遊に向いている車中泊

    時間を有効に使えるために遠出がしやすく、かつ自由な行程が魅力の車中泊。なんといっても機動性は抜群ですから、周遊型の旅にぴったりといえます。

    「仕事をリタイアしたら日本一周」と想像したり、四国八十八カ所、道の駅めぐりなどテーマを決めて旅をする人も多いのではないでしょうか。

    私もコレクション要素があるものから、単に「好きだから」というものまで、いくつかのテーマを意識して旅をしています。今回は、私の車中泊旅のテーマをシェアします。

    「日本100名城」スタンプラリー

    日本100名城スタンプ帳

    コレクションが完成に近づく、少しずつリストが埋まっていくといった収集行為には、人を夢中にさせる何かがあるようです。

    古くは観光記念スタンプや絵ハガキやご当地ペナント、最近では位置情報ゲームの大ブームなど、旅の記念になるコレクターズアイテムも根強い人気。

    平成19年、日本城郭協会が全国100城にスタンプを設置し、「日本100名城」スタンプラリーを始めました。

    公式スタンプ帳を購入し、全100城でスタンプを集めると登城認定を受けられます。平成29年には「続日本100名城」も選定されました。

    サイズの揃ったスタンプが美しく、有効期限や締切もないので、私も数年がかりでコツコツと集めています。

    近い時代の城で、城下町が発展したところはアクセスも容易。けれど中には、山城や砦のような人里離れた難攻不落の城もラインナップ。そんなときこそ車旅の面目躍如です。

    ヲンネモトチャシ跡

    これまでの訪問でもっとも印象深かったのは「根室半島チャシ跡群」です。「チャシ」とはアイヌ語で「柵囲い」を意味し、濠で囲った台地のようなところ。砦や祭場や見張り台など、様々な目的で使われたといいます。

    とはいえ、建物が残っているわけではありません。少し先には北方領土が見えるという、北海道の東端。どことなく寂寥感(せきりょうかん)のある土地で、車でないと到達に苦労しそうです。

    駐車場からのびるのは、「本当に合ってる?」と思うような細い歩道。ちょうど着いたのが夕暮れ時だったことや、海からの強風が吹き荒れていたこともあり、ますます「最果て感」が募ります。

    ヲンネモトチャシ跡

    歩道を覆うほど生い茂る草をかきわけて進んだ末に「これがチャシに違いない」という地形を見つけたときの感動といったら、言葉では表せません。

    近くから見るとなんの変哲もない丘で、本当は海側から全景を見る方がいいらしいのですが、それでも荒涼とした風景とともに深く印象に残っています。

    ちなみにスタンプラリーのスタンプは「観光インフォメーションセンター」などの建物内にあるため、実は現地に行く必要はありません。

    けれど、行ったからには現物を見たい!見てよかった!そんな場所です。

    重要伝統的建造物群保存地区めぐり

    埼玉県川越市

    文化遺産が好き、歴史や暮らしに興味がある、雰囲気のいい街並みが見たい、という方にお勧めなのが「重伝建」こと重要伝統的建造物群保存地区

    歴史を伝える建造物をひとつのエリアとして保存している地区で、全国に126カ所(記事執筆時点)あります。石川県金沢市の茶屋町のような誰もが知る「有名どころ」から、ほとんど観光地化されていない小さな集落まで多種多様。

    街の成り立ちも、宿場町、門前町、農村集落、城下町、鉱山町などなど、種類を聞くだけで「どんな人が暮らしていたんだろう」と想像がかき立てられます。

    観光地ではたいがい有料駐車場がありますし、小さな自治体でもちょっとした「町並み案内所」があったり、市営や町営の駐車場があることも。

    有名観光地では味わえない、静かで趣(おもむき)ある散策を楽しめることが多いです。

    青森県黒石市

    たとえば青森県黒石市の「こみせ」通り。木造の商家が並ぶ古いアーケードで、雪深い冬でも快適に過ごせるよう工夫されています。

    大規模な観光施設があるわけではなく、3ヘクタールほどの小さなエリアですが、名物の「黒石つゆやきそば」を食べ、津軽三味線の演奏を聴き、濃密な時間を過ごせました。

    中には埼玉県川越市などの国際的な観光地も選定されていますが、初めて聞くような素朴なエリアを訪ねるのがとくにお勧めです。

    御朱印集め

    御朱印帳

    一過性のブームを超え、旅の一部として定着した感のある御朱印集め。寺社側でも旅行者を意識して、季節限定やイラスト入りなど、趣向を凝らした御朱印を授与するところも増えました。

    宗教的な意味があるものなので、スタンプラリーのようにレジャー化することには異論もあります。ましてや参拝せず御朱印だけいただいたり、フリマサイトで売買するなんてことは御法度。

    けれど個人的には、御朱印をきっかけに寺社仏閣に関心を向け、参拝する人が増えることはいいことだと思っています。私も本当はまったく信心深い方ではないのですが、御朱印帳を持ち歩いています。

    手書きの筆文字は美しく、和紙に残る墨の香りも清々しい。書き手によって巧拙はありますが、ひとつとして同じものがないところにも出会いの妙を感じます。

    ただし、全国には15万以上もの寺社があるといわれますから、旅の目的地としては膨大すぎる面があります。

    そんなときにはテーマを決めて訪ねるのもお勧め。「○○霊場めぐり」「全国一の宮めぐり」など、専用の御朱印帳が用意されている場合もあります。

    御朱印帳

    たとえば「全国東照宮めぐり」は徳川家康公を祀る東照宮の御朱印用。北は北海道から南は長崎まで全国に散らばっていますから、数年がかりで参拝していきます。

    その他「七福神」や「宇迦之御魂神(お稲荷さん)」など祭神ごとにめぐるのもいいですね。有名観光地だから、と漠然と訪ねるよりも目的意識が芽生え、理解が深まるような気がします。

    また、御朱印のお城バージョンともいえる「御城印」も人気です。車旅だとあまり縁がないのですが、第三セクター鉄道会社の「鉄印帳」や船会社の「御船印」、本が好きなら全国の書店のスタンプを集める「御書印」なんてものもありますよ。

    旅のスタンプといえば「道の駅スタンプラリー」も有名ですが、「有効期限あり」というパターンが多いのが、ちょっぴり残念なところ。

    私も毎年のようにスタンプ帳を買ってはみるのですが、ほとんど押せずにシーズンが終わってしまうことが多いです。

    いつかは日本一周

    納沙布岬

    旅の究極形として「いつかは……」と憧れるのは、やはり日本一周ではないでしょうか。私もまだ実現していませんが、日本に生まれたからにはいずれ達成したいです。

    ところで、日本一周といっても決まった定義はなく、いろいろなやり方があるのはご存じでしょうか。

    もっとも単純なのは「47都道府県すべて訪問する」ことを日本一周とみなすやり方です。沖縄など目的をもたないと難しい土地もありますが、通過するだけでもよければ達成は比較的簡単です。

    もう少し明確にするならば、47都道府県庁の所在地をすべて訪れるというのもありますね。より「踏破した!」という感覚が強くなるでしょう。

    一筆書きのように海岸線沿いをグルリとめぐる人もいます。「海なし県」には行けないことになるのですが、入り組んだ海岸沿いでは走行距離も長くなり、挑戦しがいがあると思います。江戸時代に海岸線の測量を行なった伊能忠敬を彷彿させますね。

    四端(最東端・最西端・最南端・最北端)など、地理上の重要地点を訪ねる人もいます。

    日本一周ともなると長い休暇がないと不可能と思われがちですが、短期間の旅を積み重ねて数年がかりで達成するなど、やり方は自由です。自分が「達成した」と思えば達成ですから、柔軟に取り組むのが一番と思っています。

    ほかにもいろいろ

    省庁や業界団体が選定する日本100選も、実は「さくらの名所」「渚」「棚田」「道」「白砂青松」「名水」「名山」「灯台(50選)」など、たくさんあります。

    ほかにも「秘湯をめぐる旅」や「ダムカードを集める旅」といった公共交通機関では行きにくい場所も、車なら自由自在。とりわけキャンピングカーは車内で天候回復を待つことや着替えも簡単ですし、交通不便な地方にも行きやすいです。

    平凡ですが、世界遺産めぐりも侮れません。認定されているのは日本国内に25か所(記事執筆時点)ですから、すぐに達成してしまいそうに思います。しかし、文化遺産はひとつの遺跡ではなく「群」として登録されているケースがほとんど。

    たとえば2021年登録の北海道・北東北の縄文遺跡群」は、北海道・青森県・岩手県・秋田県に点在する、実に17もの遺跡で構成されているのです。

    ひとつひとつを丁寧に訪ねたら……壮大な旅の始まりです。

    感染対策にはまだまだ気を抜けないものの、気候もよくなり旅行シーズンの幕開けです。テーマのある車旅、いかがですか?

    私が書きました!
    フリーライター
    SAYA
    グルメ、トラベル、車中泊、クルーズなどの記事を執筆しているフリーライターです。バンコンタイプのキャンピングカーで全国を巡っています。太陽も昆虫も苦手なインドア派ですが、車中泊×観光の組み合わせに無限の可能性を体感中。車を拠点にした遊びの話題をお届けします。

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