オーストラリア在住の筆者がお届けする、アウトドア英語クイズ。
最初にお断りしておきますが、あくまでも「オーストラリア」で使われている英語で、アメリカ英語とはかなり違う可能性もあります。これに関してはオーストラリア在住の私ではどうすることもできないので、いつか誰かが「アメリカ編」「イギリス編」を書いてくれることを期待しましょう。
では、いざ出発です!ただし正解が複数の問題もありますので、お気をつけください。
第1問:英語で「Picnic」(ピクニック)ってどういう意味?
a)「Hiking」(ハイキング)と同じ。自然の中につくられた道を歩くこと
b)「Hiking」(ハイキング)の途中で、敷物などを広げて座り軽めの食事を楽しむこと
c)家の庭などではないアウトドアで食事をすること
d)山菜やキノコ、野生の果実などを拾い集めに行くこと
【第1問の正解は……】
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「c)家の庭などではないアウトドアで食事をすること」です。
日本語で「ピクニック」というと「ハイキング」と同じか、「その途中で食事を楽しむこと」と感じる人が多いと思います。実際、小学館のデジタル大辞泉でも「野山に出かけて遊んだり食事をしたりすること。野遊び。遠足」と説明されています。
ただ英語の場合、遠足のような歩行による移動がほとんどなくても「ピクニック」になります。たとえば駐車場に車を停めて、すぐ脇にある公園でレジャーシート的なものを敷いたりピクニックテーブルについたりして食事をするだけでも「ピクニック」です。
第2問:「Bush walking」(ブッシュウォーキング)ってなんのこと?
a)開けた「草原」を歩くこと
b)トゲのついた小さな木などが生えた「いばら道」を歩くこと
c)生い茂ったススキやササをかき分けながら進むいわゆる「藪漕ぎ」のこと
d)ただの「山歩き」のこと
【第2問の正解は……】
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「d)ただの「山歩き」のこと」です!
「Bush」という英語が「低木(灌木)」「茂み」「やぶ」と知っている方は、「b)トゲのついた小さな木などが生えた「いばら道」を歩くこと」または「c)生い茂ったススキやササをかき分けながら進むいわゆる「藪漕ぎ」のこと」と思われたかもしれません。
一方、昔懐かしの映画『ブッシュマン』(のちの『コイサンマン』)を思い浮かべた方は、「a)ひらけた「草原」を歩くこと」と推測したかもしれませんね。
でも、オーストラリアで「ブッシュウォーキング」というと「山歩き」一般のことを指します。「低木」や「やぶ」や「草原」ではなく、たとえばスギなどの高い木々が生えた山道でも「ブッシュウォーキング」です。
「じゃあ、なんでマウンテンクライミングって言わないの?」と思われる方もいるかもしれませんが、理由はよくわかりません。ただ、私が住むブリスベン/ゴールドコースト近郊は最も高い山でもせいぜい標高1500メートル程度です。で、南緯27度なので、日本でいうと沖縄くらい。冬でも温暖……というと聞こえはいいですが、こと登山に関して言うと炎天下では暑くてたまらない時期がほとんど。
というわけで山頂を目指す「ピークハント」のコースもありますが、森の中を歩く「森林浴」的なコースのほうが多いので、「マウンテンクライミング」という言い方がそれほど一般的ではないのかもしれません。
ちなみに「車中泊」の英語は?
さて、担当編集者から以前「車中泊って英語でなんて言うんですかね?」と訊かれたことがあったのですが……これがなかなか思い浮かびません。ネイティブに訊いても「う~ん。スリーピング・イン・ア・カーかな?」といった返事で、「そのものズバリの単語」は特にないようです。
というのはオーストラリアで、キャンプと言えば「キャンピングカーとかキャンピングトレーラーに泊まる」か「テントに泊まる」の二者択一。普通の乗用車で一夜を明かすことを前提にしてキャンプする人はほとんどいないからです。
日本で車中泊が人気になった理由の一つが「設営と撤収に時間が取られない」こと。ただオーストラリアの場合土日の1泊2日でのキャンプよりも、もう少し長めのキャンプする人が多いから車中泊はあまり流行っていないのかもしれません。
以上、アウトドアで使う英語オーストラリア編でした。コロナ禍がおさまったら、いつの日かオーストラリアの広大な自然を楽しみに、ぜひぜひ遊びに来てくださいね。
オーストラリア在住ライター(海外書き人クラブ)
柳沢有紀夫