ビールを調味料として使ってみよう!
キャンプに欠かせないのが、キンキンに冷えたビール。夏の設営終わりに飲むビールは格別ですよね。
そんなビールですが、優秀な調味料としても使えるのはご存じでしょうか?
今回は、料理歴20年になる調理師キャンパーの筆者が、ビールが料理の味をおいしくする理由と、2つのおすすめレシピをご紹介します。
ビールが好きな人ほど、知っておくと便利なレシピになります。ぜひ、参考にしてみてください。
ビールがなぜ料理をおいしくするのか?
ビールを料理に使うのは、実はヨーロッパではポピュラーです。
しかし、日本ではあまり馴染みがないため、少し抵抗があるかもしれません。ただ、料理酒やワインを使った料理があることを考えると、ビールを使った料理があっても不思議ではありません。
ビールは主に「肉の煮込み」「フリットなどの揚げ物」といった料理に使うのに適しています。まずは、それらの料理になぜビールが適しているのか、理由を解説していきます。
1.煮込み料理に向いている理由
ビールが煮込み料理に向いている理由は、ビールに含まれる「アミノ酸と炭酸」が関係しています。
実は、ビールには豊富なアミノ酸が含まれています。
アミノ酸は、人が旨味を感じる栄養成分です。このアミノ酸が入ったビールと肉を一緒に煮込むことで、肉に深いコクと旨味が出ます。
また、炭酸に含まれる炭酸水素ナトリウムは、肉のタンパク質を分解する効果があります。その結果、お肉が柔らかくなるのです。
味わいとしては、ビール特有のほろ苦さが追加されるため、大人が好きな味に仕上がります。
2.フリットなどの揚げ物に向いている理由
フリットなどの揚げ物料理に向いている理由には、前述の「炭酸」が関係しています。
揚げ物は、サクサク感が重要ですよね。そのサクッとした衣を作るために、炭酸が役立ってくれます。
なぜ、炭酸を加えると衣がサクッと仕上がるのか?
理由は、衣に炭酸を含ませておくと、揚げた時に炭酸ガスが余計な水分を伴って外に抜け出るからです。
水で衣を作った時よりも、余計な水分を抜いて仕上げることができるので、衣がサクサクに仕上がるというわけです。
ビールを使ったキャンプ飯2選
ビールが料理をおいしくする理由を説明したところで、続いておすすめレシピを2つご紹介します。
豚肩ロースのビール煮込み
<材料(2人分>
- 豚肩ロース 300g
- ビール 350ml(銘柄は自由)
- 玉ねぎ 1個
- ニンニク 1片(チューブでも可)
- 塩コショウ 適量
- コンソメ 小さじ1
- オリーブオイル 小さじ1
<作り方>
まずは玉ねぎを薄切りに。ニンニクをみじん切りにします。
次に豚肩ロースに塩コショウをします。フライパンあるいは鍋にオリーブオイルを引いて豚肩ロースを入れ、強火で焼き目をつけます。
お肉に焼き目がついたら、ビール・玉ねぎ・ニンニク・コンソメを入れます。ビールのアルコールを飛ばすために、沸騰するまでは強火で。沸騰したら、弱火で30〜60分煮込み、完成です。
ビールの銘柄は自由ですが、一般的なものを使うのがおすすめです。
筆者は黒ビールなどのコクが深いもので作るのも好きですが、最初は馴染みやすい味に仕上げるためにも、一般的な銘柄で試してみてください。
海老のビールフリット
<材料>
- 海老 6尾
- 小麦粉 大さじ3
- ビール 100ml
- 塩 ひとつまみ
- 揚げ油
<作り方>
まず、小麦粉・ビール・塩をよく混ぜ合わせて、衣を作りましょう。ここでのポイントは、冷たいビールを使うことです。
理由は、グルテンによる粘りを少しでも抑えるためです。
小麦粉に水分を入れて混ぜることで、グルテンが結合して粘りが出るのですが、この粘りが出た衣は、揚げ上がりの食感が悪くなってしまいます。冷たいビールを使うことで、この粘りをおさえることができるため、ぬるくなったビールを使わないことが大切です。
あとは、衣に海老をくぐらせ、油でサクッと揚げれば完成です。
水で作った衣で作るよりも、衣がサクサクとしておいしいですよ。海老に限らず、ナスやズッキーニなどの野菜で作ってもおいしいので、お好きな具材でぜひ試してみてください。
まとめ
今回は、ビールが料理をおいしくする理由と、2つのおすすめレシピについてご紹介しました。
煮込み料理は、豚肉に限らず、牛肉や鶏もも肉でもおいしく作ることができます。
フリットもお好きな具材で楽しめますし、小麦粉や油があれば作れるので、かなりお手軽かと思います。
お酒好きであれば、キャンプに必ずと言っていいほど持っていくビール。飲むだけではなく、料理にも使うことで、キャンプ飯の幅を広げてみるのはいかがでしょうか。