皆さんは、キャンプで天ぷらを作ったことはありますか?
ジューっと衣が揚がる音、サクッカリッとした揚げたての食感、ジュワッと口の中で広がるジューシーな具材のうまみ。
さらに、ゆったりとした大自然の中で食べる天ぷらは季節を問わず最高の時間を楽しめます。
今回は人気のメスティンを使ってアウトドアで天ぷらを作った際に、気がついた点やレシピをご紹介していきます。
メスティンが揚げ物に向いているワケ
メスティンで揚げ物をして感じたメリットは
- 底面積が小さいので少量の油ですむ
- アルミ製で軽い
- ハンドルが長く熱くならない
- 長方形なのでエビやナスなど長いものを揚げられる
- 少しずつ揚げるので熱々を食べられる
- 焼く、煮るなど他の調理にも使える
などがあります。
メスティンは一度に大量の揚げ物はできませんが、少しずつ揚げることで熱々を食べられます。
また、徒歩キャンプや登山は荷物を極力減らしたいので、軽量で多機能なメスティンは大活躍。
筆者は手が小さく、重いものを持つのが苦手なのでラクに取り扱えました。火事の危険を考えると取り回しの良さもメリットですね。
「アウトドア天ぷら」お手軽レシピ
では、さっそくメスティンで天ぷらを作りましょう。
既製品のミックス粉を使うので簡単です。
用意するもの
<1人前の目安>
- 天ぷら粉 50cc
- 水 80cc
- 好みの食材(野菜、エビ、ウインナーなど) 適量
- サラダ油 メスティンの底から2cm程度の高さまで入れる
- 天つゆ・塩など 適宜
*目盛りのついたシェラカップなどで粉や水の分量を計ると便利です。
手順
1 . 食材を食べやすい大きさに切る
2 . 天ぷら粉に水を入れ、かたまりができないよう、よくかき混ぜて衣を作る
目分量で作るなら、ホットケーキのたねより少々ゆるめのイメージ。様子をみながら少しずつ水を足すのがコツ
3. サラダ油をメスティンの底から2cmくらいの高さまで入れ中火で温める
4. 1~2分たったら衣を1滴油に落として温度を確認。途中まで沈んですぐに浮き上がってくる状態が目安(170~180度C)
5. 食材に衣をつけ、油がはねないように静かに入れる
6. 軽く色づいたら油から引き上げ、キッチンペーパーの上に置いて油を切る
7. 塩やお好みの天つゆ、麺つゆ、塩などをつけて食べる
こんな揚げ物もおすすめ
揚げたてをすぐに食べられるのが、アウトドア天ぷらのいいところです。天ぷらに限らず、いろいろな揚げ方でおいしく食べましょう。
フライ
天ぷら用の衣をくぐらせ、パン粉をまぶしてあげれば簡単です。パン粉の代わりに細かく砕いたクラッカーや無糖のコーンフレークも使えます。
自家製ポテトチップス
じゃがいもをスライサーで薄切りにして、キッチンペーパーで軽く水分を吸い取って素揚げにします。
レンコン、ニンジンでも作れます。
かき揚げ
野菜など好きな具を細切りにして、天ぷらの衣にあえて揚げます。
天ぷらの最後にあまった衣を使うと後片付けがラクになります。
番外編:2度揚げ
コンビニやスーパーで買った唐揚げを素揚げにします。温め直しができて衣もサクッと復活します。
ところで、どれくらいの油が必要?
揚げ物をするうえで一番気になるのは油の量。現地で足りなくなるのは避けたいところです。
一体どれだけ用意すればいいのでしょうか?
少なめの油の量で揚げる方法を調べたところ、油の量は鍋底から2cm程度のあればOKとのこと。
具体的にはどれくらいの分量になるのか、手持ちのメスティンでチェックしてみました。
市販のサラダ油などの表示はグラム(g)だったので重量を計りました。
メスティンの底部から2cmの高さまで油を入れた場合のグラム数(目安)
- ダイソー(3合)
サイズ:13cm × 19cm × 7cm
必要な油 約410g - トランギア(レギュラーサイズ)
サイズ9.5cm×17cm×6.2cm
必要な油 約240g - ダイソー(ハンドル付)
8cm×15cm×5cm
油 約180g
下の写真は100均ショップで見つけたキャノーラ油(265g)をトランギア(レギュラーサイズ)のメスティンに入れて揚げています。
使い終わった油の処理はどうするの?
揚げ物をおいしく食べた後はお片付け。キャンプ場によってゴミ処理の方法が違うので指示に従いましょう。
残った油が少量の場合
・キッチンペーパーに染み込ませる
・翌日の炒め物用にとっておく
油のついたメスティンはキッチンペーパーなどで油を拭き取り、アルコール系のウェットティッシュでさらに拭けば、ほぼ完全に落とせます。その後、水洗いすれば洗剤はほとんど必要ありません。
凝固剤、ボロ布、新聞紙などを使用する
油を固める凝固剤は100均ショップでも手に入ります。
熱いうちに凝固剤を入れて冷めたら鍋から取り出しポリ袋などに入れてゴミ処理しましょう。
その他、ボロ布や新聞紙などで油を吸いとる方法もあります。
また、牛乳パックやアルミカップ、ガラスビンなどの容器にキャンドル用の芯を立て、凝固剤を入れた油をそそいで固めるとキャンドルに。
食後のアクティビティにいかがでしょうか?
使い終わった油は絶対に流さないで!
洗い場などに油を流すと、排水口が詰まりやすくなるばかりか悪臭の原因にもなります。
また、下水処理のないキャンプ場では、排水が直接川に流れ込み周辺の環境に悪影響が。
環境を守るために、油の後処理は正しい方法で行ないましょう。
揚げ物は安全第一で
揚げ物は、火が入ると大きく炎が出ます。
あわててしまい、テントやタープなどに燃え移ると大きな事故につながりとても危険です。
自然の中でおいしい揚げ物料理を安全に楽しむため、以下のポイントに注意しましょう。
- 食材を乱暴に油の中に入れない
油がとびはねヤケドや火事の原因になります。 - 火元から目を離さない
油は加熱しすぎると発火することがあります。また、テーブルの周りは人が動き回ることも多いのでメスティンをひっくり返してしまうことも。 - 火のつきやすいものが近くにないか確認する
テントやタープの近くを避け、風の強い日は別の料理を考えましょう。 - 子どもを近づけない
揚がる様子は興味をそそります。ついのぞきこみたくなりますが、はねた油でヤケドする危険があります。 - 万が一油に火がついたらあわてずに
水をかけるのはかえって炎が大きくなり危険です。水でぬらしたタオルでメスティンを覆う、天ぷら火災専用の消火剤を入れるなど、冷静に対応を。
調理の前に消火用具はあらかじめ準備しておきましょう。
シンプルで多機能なメスティンが大活躍
メスティンはキャンプギアメーカーから100均ショップまでさまざまなサイズや価格で展開されているため、入手しやすいアイテムです。
ごはんを炊く以外にも、焼く、煮る、蒸す、燻製にするなど使い道はいろいろ。
これに「揚げる」バリエーションを加えれば、さらにキャンプ飯が楽しくなりますよ。
ぜひ、季節の味、地元ならではの味を存分に味わってくださいね。