パタゴニアから、サーモンやスープ、フルーツ+アーモンド・バーなどの食品が発売された。パタゴニアが、なぜ食に取り組み始めたのか? それは食品を取り巻く環境問題に対する危機意識から。
抗生物質漬けにされた家畜、化学薬品が多量に使用された農産物、濫獲される魚介類、遺伝子組み換え作物の未知なる影響…。
こうした問題に対応すべく、立ち上げられたプロジェクトが「パタゴニア・プロビジョン」だ。環境問題に対処する食品の数々を提供しながら、同時に地元生産者の支援を続けていくという。
●スープ (各)¥734
●ワイルド・ソッカイ・サーモン ¥1,382
さらに、パタゴニア・プロピジョンから、「LONG ROOT ALE(ロングルート・エール)」なるオーガニック・ビールも発売された。このビール、飲めば飲むほど大気中のCO2を地中に定着させ、土壌を再生する手伝いになるという。
最大の特徴は、原料にある。使われているのは、パタゴニアとランド・インスティテュートという研究所が、1年生から多年生に品種改良した“根っこの長い小麦”。日本パタゴニア・プロビジョン担当の近藤勝弘氏によると、「1年サイクルで穀類を収穫すると、年間2.5センチの表土が失われるといいますが、その点、多年生小麦はリンゴやナッツのように毎年同じ個体から収穫できて土を耕す必要もなく、土壌へのダメージも軽減されます。さらにランド・インスティテュートが開発した“カーンザ”と呼ばれる多年生小麦は、地中深くまで根を張って、大気から取り入れた二酸化炭素を土壌内に還元し、大地を再生化することができるんです」という。
ミネラル分が多くて、深みのある味わいの「ロングルート・エール」は、東京・原宿キャットストリート近くにあるビアバー「PDX TAPROOM」で飲むことができる。また、湘南蔦屋書店でも缶ビールを購入可能。今後、購入できる店が拡大していく予定だ。
栽培することが環境の再生につながり、ビールを飲むことで生産者の支援になるという食による新しい環境保護ビジネス。パタゴニアの挑戦ははじまったばかりだ。
●パタゴニア・プロピジョン
http://www.patagonia.jp/provisions
●PDX TAPROOM
TEL03-6450-5455 東京都渋谷区神宮前5-30-2
http://www.pdxtap.com/
●湘南蔦屋書店
TEL0466-31-1510 神奈川県藤沢市辻堂元町6-20-1
http://real.tsite.jp/shonan/floor/shop/tsutaya-books/