益虫、害虫、そっくりさん…多彩な顔を持つ身近なテントウムシを観察!
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    2022.04.29

    益虫、害虫、そっくりさん…多彩な顔を持つ身近なテントウムシを観察!

    横浜市泉区・戸塚区を拠点に生態調査や里山保全活動を行なっている“ご近所生きもの観察案内人”の相川健志さん。今回は、身近な公園や川原などで見かけることの多い「テントウムシ」について案内します。

    害虫を食べてくれる「ナナホシ」

    今回は、普段よく目にする「ナナホシテントウムシ」にスポットを当てて観察してみました。ナナホシテントウは、名前の通り、背中に7個の黒い点のあるテントウムシです。

    人間にとって有益な虫を益虫、害のある虫を害虫といいます。ナナホシテントウは益虫で、肉食性。幼虫も成虫も、害虫であるアブラムシを食べます。

    アブラムシはカメムシの仲間で、ストロー状の口で植物の樹液を吸います。そんなアブラムシの近くでは、ナナホシテントウの成虫や幼虫をよく見かけます。

    マメ科の植物にぎっしりくっついている害虫のアブラムシ。

    マメ科の植物にぎっしりくっついている害虫のアブラムシ。

     

    食欲旺盛なナホシテントウの幼虫

    ナナホシテントウが実際にどのくらいはたらいているのか、実験観察してみました。

    アブラムシのついてしまったイチゴ苗の近くで、捕まえたナナホシテントウの幼虫を5匹放しました。

    アブラムシのついてしまったイチゴ苗。

    アブラムシのついてしまったイチゴ苗。

     

    すると、幼虫たちは苗の上を歩き回り、すぐにアブラムシを捕食開始。

    幼虫を放して5日で、ほとんどのアブラムシを捕食してしまいました。

    イチゴのヘタの中までアブラムシを探す幼虫。

    イチゴのヘタの中までアブラムシを探す幼虫。

    アブラムシを捕食中のナナホシテントウの幼虫。

    アブラムシを捕食中のナナホシテントウの幼虫。

    そして、アブラムシを壊滅させると、幼虫たちはどこかへいなくなってしまいました。

    と思ったら、近くの木の葉の上でナナホシテントウの蛹を発見!ナナホシテントウの幼虫はアブラムシを捕食し、立派に成長していたのでした。

    木の葉の上のナナホシテントウの蛹。

    食害をもたらす「テントウムシダマシ」

    すべてのテントウムシが益虫ではありません。

    俗に「テントウムシダマシ」と呼ばれる、テントウムシの仲間の「ニジュウヤホシテントウ」がいます。彼らの特徴は、こちらも名前の通り、茶色い背中に28個の黒い斑点があります。

    ニジュウヤホシテントウは、ジャガイモなどの葉を食害します。我が家では、ホオズキの葉がスカスカに食害されてしまいました。

    害虫のニジュウヤホシテントウ。

    害虫のニジュウヤホシテントウ。

     

    「他虫のそら似」なテントウムシ

    最後にナナホシテントウのそっくりさんを紹介します!

    それは「ジュウサンホシテントウ」です。よ~く目を凝らしてください。ナナホシテントウに比べるとからだが細長いです。

    そして、背中の黒点の数を数えると、1、2、3……13個!(名前の時点でネタバレしていましたが)

    ナナホシテントウに似ているけど「他虫のそら似」。

    ナナホシテントウに似ているけど「他虫のそら似」。

    テントウムシといえば、その姿形をパッとイメージできる人も多いと思います。

    でも、背中の模様や点の数、大きさ、形、食の好みなどは「十虫十色」です。

    もし身近な場所でテントウムシをみつけたら、じっくり観察してみると、おもしろい発見があるかもしれません。

    私が書きました!
    ご近所自然観察案内人
    相川健志
    NPO法人Dream eggs ゆめたま代表。環境コンサルタント、ビオトープ管理士。横浜市泉区・戸塚区を拠点に生態調査や里山保全活動を行っている他、調査や駆除などで死んでしまった生きものの透明骨格標本づくりも行なっている(https://twitter.com/NatureCreators_)。

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