流星群をがっつり見るなら2時半起きだ
みずがめ座η(エータ)流星群、今年の極大は5月6日の17時ごろで、同日の未明が一番の見ごろです。今年は月がすでに沈んでいる点では好条件といえるでしょう。反面、流星群の放射点の高度は、午前3時では20度くらいとまだ低く、もともとそこまで多くの出現は見込めません。
放射点とは、流星が流れた方向を逆にたどっていくと1点に集中する、その1点のことです。みずがめ座η流星群は、みずがめ座のη星のあたりが放射点になるため、このように名づけられています。ちなみに、みずがめ座η流星群の母体となる彗星はハレー彗星です。地球軌道を横切った直近の接近は、1986年でした。
5月6日の日の出は、東京で4時44分。薄明が始まるのが3時過ぎなので、流星をたくさん見届けたいなら2時半ころから観察を始めるといいでしょう。町明かりの程度にもよりますが、運が良ければ1時間に10個くらい見られるのではないでしょうか。
今年のみずがめ座η流星群の楽しみは、数々の惑星を眺めながら楽しめることです。上の画像のように、3時の時点で、土星、火星が昇っています。
みずがめ座はあまり明るい星がなく、あらかじめ知らないと見つけにくい星座ですが、今年は火星が輝いているので、その上の方に放射点があるなと思ってください。
流星群を観察するときは、放射点に集中するのではなく空全体を広く眺めるのが、たくさん見つけるコツです。この時間帯は、みずがめ座の北から西方向にかけて、はくちょう座やわし座、こと座といった夏の星座が輝き、夏の大三角形が雄大に架かっています。
暗い場所なら天の川が見えます。今年のみずがめ座η流星群を観察するベストの位置取りは、南東の方角が開けた暗い場所です。
流星観察中に惑星が次々昇ってくる!
4時近くになると、かなり明るくなりますが、木星と金星が昇って来ます。今年のGWは、2022年の中でも屈指の惑星集合シーズン。流星群を見過ごしたとしても、明け方の惑星群がまた格別です。
4時ごろになると流星は見にくくなりますが、土星、火星、木星、金星という惑星たちの共演を楽しむなら、この時間帯がおすすめです。
5月1日に14度まで大接近した木星と金星は、まだとても近くに並んでいます。木星と金星は、明るさワンツートップの惑星です。それがこれほど近くに並び、しかも、うまくすれば流星が見られるなんてラッキーです!
早起きして出かける準備をする読者も多いと思います。東の方角の惑星たちの共演もお見逃しなく。接近中の木星と金星の豪華な夜明けをお楽しみください。
構成/佐藤恵菜