1931年創業の「つるや釣具店」オーナーで、釣り歴55年の山城良介さんがフライフィッシングの深くて楽しい世界を案内します。今回は、フライフィッシングの初心者にお薦めの釣り場情報と道具のセッティングについてです。
渓流の管理釣り場か、流れのない池や沼で練習
フライフィッシングに必要な道具を手に入れたら、さあ!大自然の美しい渓流で釣りをしよう!
と、思うところだが、初心者は練習したり、覚えたりすることが多々あるので、まずは管理釣り場(フライまたはフライ&ルアー専用釣り場)から始めることをお薦めしたい。
管理釣り場とは、透明度の高い自然渓流を利用して、区間を区切ってマス類を放流して管理している場所のこと。魚はたくさん見えるが、すぐに魚が釣れるなんてことはない。
川は当然流れがあるから、投げる、あるいは投げたフライラインの処理やフライの流し方の練習をする場所と思っておこう。
渓流に対して、池や沼などの止水で練習するのもお薦めだ。山や緑豊かな恵まれた環境の中で釣りを楽しめるうえに、渓流よりもバックスペースがあるのでフライを投げる練習に向いている。
ただし、何度もフライを投げて水面を叩くなど、周りの釣り人たちに迷惑な行為はしないこと。
自然渓流の場合、ウェーダーは必需品だが、管理釣り場なら雨具用の長靴やスニーカーで対応できるところもある。止水の場合は池や沼に入らない限りウェーダーは不要だ。
渓流が良いか、止水が良いかは各自の思いや好みの分かれるところである。
私がスクールや個人指導をするときによく行く管理釣り場は、相模原市の「うらたんざわ渓流釣り場」、家族連れで楽しめる「リヴァスポット早戸」、止水と渓流のある都留市の「フィッシュ オン 鹿留(ししどめ)」などは初心者に最適だろう。
なお、管理釣り場は各都道府県の管理釣り場(フライ&ルアー)情報を検索すると、いろいろと選ぶことができる。
到着したら道具のセッティングを始めよう
釣り場に到着したら、道具のセッティングを始めよう。その場で熟練者に習うのもいいが、一度では覚えきれない。事前にわかりやすい動画を探して練習するといいだろう。しっかり練習しておけば、現地でスムーズにできること間違いなし。
ロッドを継ぐ
最近は素材の軽量化で利便性の良いマルチピースのロッドが増えている。継ぐ時はバットから繋ぐこと。リールシートとガイドの位置が一直線になるように確認してセットする。しまう時はリールを外して、ティップ側から抜く。ロッドは捻ると割れる恐れがあるため、捻らずに抜くのがポイント。
リールをセットする
スライドタイプとスクリューロックタイプがあり、共に上からと下から固定するものがある。スライドタイプはズレないようにしっかりと固定すること。
フライラインをガイドに通す
ティペットの先端は細く柔らかいため、通しにくい。フライラインとリーダーの繋ぎ目から通し、リーダーを最後に抜くと通しやすい。
ノット(結び)
ノットは釣り場ではうまくいかないことが多いので、本を読み、いろいろな動画を見て、納得ゆくまで練習しておこう。うまくいかない場合はフライフッシングの専門店で教えてもらったり、店主催のスクールに参加して実地で覚えるのがおすすめだ。次の4つをマスターしておきたい。
- クリンチノット(またはハングマンズノット):ティペットとフライを結ぶ
- ダブルサージャントノット(またはトリプルエイトノット):リーダーとティペットを結ぶ
- ネイルノット:フライラインとリーダーを結ぶ
- パーフェクションループ:フライラインとリーダーを繋ぐ
【結び方の参考動画の一例】
キースト社の補助器具を使った結び方(ハングマンズノットとトリプルエイトノット)
https://www.youtube.com/watch?v=zWwtMQdM1-4&t=64s
さあ~、準備ができたら、キャスティング(投げる)の練習を始めよう。フライフィッシングはキャスティングをマスターすることが最も重要で、うまくできようになると嬉しいし楽しい。次回はその解説をしよう。
初心者から上級者まで、それぞれの技術に応じたアイテムから季節に応じた釣り場情報まで丁寧に伝授。