世界屈指の猫の島「相島」を家族で散策。福岡から船で20分!
  • OUTDOOR
  • NEWS
  • SUSTAINABLE
  • CAR
  • CAMP
  • GEAR
  • COOKING
  • OUTDOOR
  • NEWS
  • SUSTAINABLE
  • CAR
  • CAMP
  • GEAR
  • COOKING
  • 日本の旅

    2022.06.01

    世界屈指の猫の島「相島」を家族で散策。福岡から船で20分!

    あらかぶ

    朝日が上る頃、アラカブが釣れました。

    家族で釣りたび「相島」(あいのしま)へ

    世界有数の猫スポットとして、また、釣りスポットとしても有名な”相島”をご存じでしょうか?

    福岡に20年暮らしてきた私も、家族で釣りにハマる最近まで”相島”について知りませんでした。福岡市内からこんなに近いところに、”ゆっくりとした”島じかん”を味わえるところ”があったとは……。もっと早く知りたかった、いま知ることができてよかった!

    4月初旬、はじめて相島を訪れたわが家。釣りをするために島を訪れたのですが、釣りの名所としてだけではなく、ゆったりとした”島じかん”に惹かれてすっかり”相島ファン”になりました。4月の滞在中に翌月の宿を予約して、また5月に再訪してきました。

    今回はそんな”相島”の魅力をお伝えできたらと思います!

    町営渡船

    新宮漁港ー相島を結ぶ町営渡船しんぐう(時刻表

    「相島」はこんなところ

    福岡県の東に位置する新宮町(しんぐうまち)の島で、新宮漁港から北西約7.5キロメートル、町営渡船で約20分の玄界灘に浮かぶ島です。

    • 周囲:5.4km
    • 面積:1.22平方km
    • 人口:約270人

    新宮町の地域おこし協力隊として相島の活性化に携わったのち、相島に移住し民泊施設の運営や、地域の活性化に尽力されている糸永さんに、相島についてお話を伺いました。

    ポスター

    「島の駅あいのしま」に貼られているポスターです。一番左が糸永さん!

    「コロナ前は年間6〜7万人の観光客が島を訪れていました。連休には臨時便の船が出るほど賑わっていたんですよ。いま実際に島に暮らす人は200人ほど。猫が250匹ほどと言われていて、猫の方が人より多いんです。住民票上では人口はもっと多いのですが、高齢化が進むにつれて通院の都合などで町のほうに暮らす人も増えてきています。島にはコンビニもなく、17時にはほとんどのお店が閉まるので、静かな島じかんが流れています。」

    なぜ「相島」に移住を決めたのか?

    糸永さんは、世界を旅したり日本の島をあちこちまわった上で、3年前に相島への移住を決めたそうです。沖縄や五島列島など日本にもたくさんの島がある中で、なぜ相島だったのでしょうか?

    決め手を尋ねてみたところ「手つかずの自然があり、まだまだ未開拓な部分がある島。自然体の島の人たちにも惹かれました」との答えが返ってきました。

    よく来たねー!と観光地のように大きく歓迎されるわけでもなく、自然に声をかけてくれる。困っていたら手を差し伸べてくれる、そんな島の人たちの温かさを感じたそうです。

    糸永さんが島に来て間もない頃、夜一人で歩いていると「食べるものがないならコレ持っていけ」と漁師さんがブリを1匹くれたそうです。そういえば私たちが島の宿にはじめて泊まった日にも、宿の隣のおじいちゃんが、しめたばかりの鯵を4匹持ってきてくれました。

    糸永さんは、大好きなこの島がなくならないように、少子高齢化により人口が減ってきている”相島”を元気にしたい、と地域おこし協力隊に入られたそうです。任期が終わったいま、合同会社を立ち上げてひきつづき相島の活性化に取り組まれています。

    糸永さんと私

    相島移住や地域おこしへの糸永さんの想いを聞いていたら、私たちにも何かできることはないか……と熱くなってきたところでパシャリ!糸永さんが語る”相島”の大ファンになりました。

    CNNも認めた世界有数の猫スポット

    コロナ禍となる前は、世界中から猫好きの人たちが訪れにぎわっていたそうです。いまも週末や連休になると沢山の観光客が船で訪れています。船を降りると、人なつっこくて個性ゆたかな猫たちが出迎えてくれます。アメリカのメディアCNNが選んだ「世界の猫スポット」として、日本の宮城県田代島と相島の2か所が選出されています。

    猫がバイクの椅子に乗っている

    船を降りると個性豊かな猫たちが出迎えてくれます。

    塀を歩く猫

    塀を歩く猫。

    海辺の猫

    海を見つめる猫。

    白黒の猫

    サイクリング途中で出会った猫。

    寝転ぶ猫

    ときどきお腹を見せてゴロニャンしてくれます。

    眠る猫

    ポカポカ陽気の中グッスリ寝ている猫。

    猫の家

    島の猫には家が準備されています。

    レンタサイクルで島を一周してみた

    4月初旬にはじめて訪れた相島、どんな島なのかを知りたくてレンタサイクルで島を一周しました。のぼり坂もあるとのことで、電動自転車をチョイス。

    子供を乗せれる電動自転車もヘルメットもあるので、小さいお子さん連れの方も安心です。子どもが途中で眠くなり、ゆっくり寄り道はできなかったのですが、約1時間で島をぐるっとまわることができました。

    島を一周まわったのですが信号が見当たりませんでした。

    レンタサイクルの料金表

    相島観光案内所は港から歩いて3分くらいの「島の駅あいのしま」の中にあります。

    レンタサイクルに乗っている

    ゆるやかな坂道を登っていく。

    島の道

    登ってきた坂道を振り返ると視界に海が広がる。

    桜並木の道

    4月初旬に島をまわっていると、いたるところに桜が咲いていました。あまりに美しい桜並木、自転車でゆっくりとこいでいると、ここ天国じゃないよね?と思えるほどの景色でした。

    坂道下り坂を自転車でくだる

    菜の花も満開。気持ち良すぎるサイクリング〜。

    木々の間を自転車で走る

    木々が生い茂っています。

    海に見える真珠養殖

    島の高いところまでのぼってくると、眼下の海にミキモト博多真珠養殖の養殖場が見えます。

    海

    港の近くまで戻ってきました。左奥の方に福岡市のベッドタウン地区のマンションが見えます。福岡市内に近い。

    歴史ロマンから海の幸まで魅力がいっぱい!

    正直、島に行くまでは”釣りと猫”で有名な島……くらいに思っていました。ところが、じっさいに相島を訪れ歩きまわっていると、一日の滞在では味わいつくせない魅力がたくさんあることを知ったのです。ここでいくつか紹介しますね!

    • 「文化交流の舞台となった歴史ある島」(江戸時代、朝鮮通信使を相島で接待していた)
    • 国定指定史跡「相島積石塚群」や「柱状節理の絶壁」など”大自然の造形美”が目の前にみることができる島
    • 渡り鳥の中継地として「バードウォッチング」を楽しめる島
    • 新鮮な海の幸を味わえる島
    • 漁村留学ができる島(小学校新3年生〜中学校新3年生対象)
    • 「奇跡の真珠」相島産真珠の養殖を行っている島

     

    万葉から朝鮮通信使まで豊穣なる歴史を宿す島

    ”相島”は万葉集や続古今集にも歌われた歴史ある島です。歌について調べてみたところ、こちらのブログで歌について紹介されていました。

    江戸時代、鎖国政策をとるなかで唯一国交を結んでいた朝鮮からの「朝鮮通信使」を相島で接待し、文化交流の舞台となった島でもあります(参考:新宮町おもてなし協会発行の資料「朝鮮通信使、「世界の記憶(世界記憶遺産)」に登録」)

    目の前に広がる大自然の造形美

    めがね岩

    レンタサイクルで島をまわっていくと、めがね岩や柱状節理の絶壁が見えてきます。

    相島積石塚群

    自転車をとめて「相島積石塚群」を見に行くことができます。

    「相島積石塚群」の説明

    大きな方墳、石ので作られた階段を使って上までのぼることができました。

    石塚

    柵などはなく、実際に歩いて「相島積石塚群」を見てまわることができます。

    相島を味わう

    丸山食堂

    相島の魚や貝やカマボコ、ワカメなど相島ならではの新鮮な食材を使った料理を食べることができます。相島に行くたびに次は何を食べようかと立ち寄るのが楽しみな食堂です!

    刺身定食

    1番人気のお刺身定食1370円。相島で水揚げされたお魚をいただくことができます。海鮮を使った日替わり炊き込みごはん、魚のすり身で作られた相島特産コロッケも美味しかったです!

    わかめうどん

    わかめうどん470円。いりこ、こんぶ、しいたけでとられた出汁に、相島産のわかめがコリッコリでまた食べたくなる味です!6歳娘がリピートしました。

    海鮮ちゃんぽん

    海鮮ちゃんぽん780円。とりがら、いりこ、こんぶで出汁をとっているそうです。糸永さんイチオシのちゃんぽん!数に限りがあるため、4月に来た時は売切れで食べれず。5月の再訪時にいただくことができました!ドーンと贅沢にのっかった魚介と濃厚だけどあっさりしているスープに麺が絡んで美味しかったです。

    相島漁師の「いけま売り」

    沖で獲れた魚を、帰港して水揚げするまでの間、生かしておくための漁船に設けられているスペースのことを「生け間」(いけま)といいます。

    相島で獲れた天然の魚介類を、相島の漁師が漁船の「生け間(いけま)」から直接販売する「いけま売り」。毎月第3土曜日(8月と1月は除く)に開催されています。最新情報はいけま売りの情報をチェックしてくださいね!

    ※注意:いけま売りの会場は相島ではありません。対岸(福岡側)の新宮漁港です!

    島の生活の要「相島購買店」

    購買店

    カップラーメンや野菜、地元産のひじきやわかめ、パン、アイス、珈琲のテイクアウトもありました。

    かまぼこ

    相島特産かまぼこ。購買店で200円で購入しました。写真を撮る間もなく、お腹を空かせた娘が封を開けていました(汗)。小腹が空いたら”かまぼこ”にキマリ!

    かまぼこをかじる子ども

    魚のすり身で作られたかまぼこ、プリプリっと歯ごたえもあって美味しかったです。夜はワサビ醤油でいただきました。

    宿泊施設情報

    相島お試し住居施設 「槝〜KASHI〜」

    キッチンやお風呂も完備された一軒家です。最初に紹介した糸永さんがオーナーの宿です!

    • 場所:町営渡船を降りて10歩、船を降りると目の前に「槝」の看板のついた家が見えます
    • URL:予約はairbnbより(新宮naviにも施設紹介あり)
    • 寝具:ベッド5台・布団2枚(7名まで宿泊可能です)
    • 調理関連:冷蔵庫・電子レンジ・IHコンロ・調理道具・食器・調味料
      • フライパン・鍋・ポット・電子レンジ・ボウル
      • 箸・スプーン・フォーク・コップ・マグカップ・ワイングラス・ワインオープナー・栓抜き・湯呑・コーヒー道具・包丁・まな板
    • アメニティ:バスタオル・タオル・シャンプー類・ドライヤー・歯ブラシ・洗体スポンジ(※歯磨き粉はありません)

      ※「槝」は現在(お風呂)工事中です。6月中ば以降で運営再開予定とのことなので、最新情報については予約サイトをチェックしてみてくださいね!

    石碑と宿

    船を降りて島に着いたら本当に目の前です。「」のマークが目印です。最初に島に訪れた日は、気付けずにGoogleマップで探したところ、目の前でした(汗)。

    相島の宿 樫(かし)

    外に釣具を洗える場所もあります。

    ハンモックに揺られる子供

    ハンモックが設置されていて、子供は大喜びです!海を見ながらゆらゆら過ごすのもいいですよ〜。※後ろの棚にアメニティが並んでいます。タオル類はフカフカのホテル仕様です!

    宿泊施設のベッドルーム

    ダブルのベッドが2つ。家族3人には十分すぎる広さ。5月に義父母も一緒に泊まった際には、隣の部屋に簡易ベッドを2つ出して押し入れの寝具をセットして寝ました。簡易ベッドも快適に寝れたそうです!

    福岡市内から日帰りで離島の旅を体験できる”相島”。日帰りでももちろん楽しめるのですが、泊まりで滞在して「なんにもしない」ゆっくりとした”島じかん”を味わう休日もオススメです!

    現在島には宿泊施設が2つしかないため、空き家などを利用した宿泊先を増やせるようにと町での取り組みも進められています。今後も注目していきたいですね!

    相島情報はここをチェック!

    相島パンフレット

    港について3分ほど歩いた「島の駅あいのしま」に設置されているパンフレットです。

    相島パンフレット

    自転車で約1時間ほどでまわれるコンパクトな島の周回道路沿いに絶景ポイントや見どころがあります。

    次回もひきつづき相島についてご紹介します。

     

    ふるやさおり
    私が書きました!
    寄り道ライター
    ふるや さおり
    福岡在住、1児の母。福岡をはじめ九州のローカル情報や自然、アウトドア、スローライフに関する情報をお届けし、皆さんの人生に「ワクワクの種」を撒くお手伝いができれば嬉しいです。18年半の会社員生活を経て、2021年10月からフリーランス。「正しい道より、楽しい道を。最短距離より、寄り道を楽しんで」がモットー。noteにて「寄り道な日々」を発信中! https://note.com/sao7878

     

    NEW ARTICLES

    『 日本の旅 』新着編集部記事

    旧街道歩き旅は手ぶらで始められるのが魅力!服装と靴には注意点も

    2024.11.21

    北海道犬連れキャンプ旅・後編〜目的地は白樺林のキャンプ場【災害救助 犬コアと家族の 日記 Vol.22】

    2024.11.21

    葉山のライダーズカフェ「Felicity」レビュー!こだわりのコーヒーがもたらす幸せ

    2024.11.12

    北海道犬連れキャンプ旅・前編〜美味しいもの盛りだくさんグルキャン編【災害救助 犬コアと家族の日記 Vol.21】

    2024.11.03

    中山道歩きは「火の見櫓」ウォッチングが楽しいぞ! 長野には多く、群馬にはない?

    2024.11.02

    なぜ定年を控えたおじさんは歩き出すのか?

    2024.10.30

    古き良き日本の港町、千葉・勝浦でのサーフスタイル

    2024.10.23

    世界に向けて日本の魅力を発信!アウトドアジャパン編集長に聞く「日本のアウトドアの魅力」

    2024.09.22