家族で釣りたび「相島」(あいのしま)へ
世界有数の猫スポットとして、また、釣りスポットとしても有名な”相島”をご存じでしょうか?
福岡に20年暮らしてきた私も、家族で釣りにハマる最近まで”相島”について知りませんでした。福岡市内からこんなに近いところに、”ゆっくりとした”島じかん”を味わえるところ”があったとは……。もっと早く知りたかった、いま知ることができてよかった!
4月初旬、はじめて相島を訪れたわが家。釣りをするために島を訪れたのですが、釣りの名所としてだけではなく、ゆったりとした”島じかん”に惹かれてすっかり”相島ファン”になりました。4月の滞在中に翌月の宿を予約して、また5月に再訪してきました。
今回はそんな”相島”の魅力をお伝えできたらと思います!
CONTENTS
「相島」はこんなところ
福岡県の東に位置する新宮町(しんぐうまち)の島で、新宮漁港から北西約7.5キロメートル、町営渡船で約20分の玄界灘に浮かぶ島です。
- 周囲:5.4km
- 面積:1.22平方km
- 人口:約270人
新宮町の地域おこし協力隊として相島の活性化に携わったのち、相島に移住し民泊施設の運営や、地域の活性化に尽力されている糸永さんに、相島についてお話を伺いました。
「コロナ前は年間6〜7万人の観光客が島を訪れていました。連休には臨時便の船が出るほど賑わっていたんですよ。いま実際に島に暮らす人は200人ほど。猫が250匹ほどと言われていて、猫の方が人より多いんです。住民票上では人口はもっと多いのですが、高齢化が進むにつれて通院の都合などで町のほうに暮らす人も増えてきています。島にはコンビニもなく、17時にはほとんどのお店が閉まるので、静かな島じかんが流れています。」
なぜ「相島」に移住を決めたのか?
糸永さんは、世界を旅したり日本の島をあちこちまわった上で、3年前に相島への移住を決めたそうです。沖縄や五島列島など日本にもたくさんの島がある中で、なぜ相島だったのでしょうか?
決め手を尋ねてみたところ「手つかずの自然があり、まだまだ未開拓な部分がある島。自然体の島の人たちにも惹かれました」との答えが返ってきました。
よく来たねー!と観光地のように大きく歓迎されるわけでもなく、自然に声をかけてくれる。困っていたら手を差し伸べてくれる、そんな島の人たちの温かさを感じたそうです。
糸永さんが島に来て間もない頃、夜一人で歩いていると「食べるものがないならコレ持っていけ」と漁師さんがブリを1匹くれたそうです。そういえば私たちが島の宿にはじめて泊まった日にも、宿の隣のおじいちゃんが、しめたばかりの鯵を4匹持ってきてくれました。
糸永さんは、大好きなこの島がなくならないように、少子高齢化により人口が減ってきている”相島”を元気にしたい、と地域おこし協力隊に入られたそうです。任期が終わったいま、合同会社を立ち上げてひきつづき相島の活性化に取り組まれています。
CNNも認めた世界有数の猫スポット
コロナ禍となる前は、世界中から猫好きの人たちが訪れにぎわっていたそうです。いまも週末や連休になると沢山の観光客が船で訪れています。船を降りると、人なつっこくて個性ゆたかな猫たちが出迎えてくれます。アメリカのメディアCNNが選んだ「世界の猫スポット」として、日本の宮城県田代島と相島の2か所が選出されています。
レンタサイクルで島を一周してみた
4月初旬にはじめて訪れた相島、どんな島なのかを知りたくてレンタサイクルで島を一周しました。のぼり坂もあるとのことで、電動自転車をチョイス。
子供を乗せれる電動自転車もヘルメットもあるので、小さいお子さん連れの方も安心です。子どもが途中で眠くなり、ゆっくり寄り道はできなかったのですが、約1時間で島をぐるっとまわることができました。
島を一周まわったのですが信号が見当たりませんでした。
歴史ロマンから海の幸まで魅力がいっぱい!
正直、島に行くまでは”釣りと猫”で有名な島……くらいに思っていました。ところが、じっさいに相島を訪れ歩きまわっていると、一日の滞在では味わいつくせない魅力がたくさんあることを知ったのです。ここでいくつか紹介しますね!
- 「文化交流の舞台となった歴史ある島」(江戸時代、朝鮮通信使を相島で接待していた)
- 国定指定史跡「相島積石塚群」や「柱状節理の絶壁」など”大自然の造形美”が目の前にみることができる島
- 渡り鳥の中継地として「バードウォッチング」を楽しめる島
- 新鮮な海の幸を味わえる島
- 漁村留学ができる島(小学校新3年生〜中学校新3年生対象)
- 「奇跡の真珠」相島産真珠の養殖を行っている島
万葉から朝鮮通信使まで豊穣なる歴史を宿す島
”相島”は万葉集や続古今集にも歌われた歴史ある島です。歌について調べてみたところ、こちらのブログで歌について紹介されていました。
江戸時代、鎖国政策をとるなかで唯一国交を結んでいた朝鮮からの「朝鮮通信使」を相島で接待し、文化交流の舞台となった島でもあります(参考:新宮町おもてなし協会発行の資料「朝鮮通信使、「世界の記憶(世界記憶遺産)」に登録」)
目の前に広がる大自然の造形美
相島を味わう
丸山食堂
相島の魚や貝やカマボコ、ワカメなど相島ならではの新鮮な食材を使った料理を食べることができます。相島に行くたびに次は何を食べようかと立ち寄るのが楽しみな食堂です!
相島漁師の「いけま売り」
沖で獲れた魚を、帰港して水揚げするまでの間、生かしておくための漁船に設けられているスペースのことを「生け間」(いけま)といいます。
相島で獲れた天然の魚介類を、相島の漁師が漁船の「生け間(いけま)」から直接販売する「いけま売り」。毎月第3土曜日(8月と1月は除く)に開催されています。最新情報はいけま売りの情報をチェックしてくださいね!
※注意:いけま売りの会場は相島ではありません。対岸(福岡側)の新宮漁港です!
島の生活の要「相島購買店」
宿泊施設情報
相島お試し住居施設 「槝〜KASHI〜」
キッチンやお風呂も完備された一軒家です。最初に紹介した糸永さんがオーナーの宿です!
- 場所:町営渡船を降りて10歩、船を降りると目の前に「槝」の看板のついた家が見えます
- URL:予約はairbnbより(新宮naviにも施設紹介あり)
- 寝具:ベッド5台・布団2枚(7名まで宿泊可能です)
- 調理関連:冷蔵庫・電子レンジ・IHコンロ・調理道具・食器・調味料
- フライパン・鍋・ポット・電子レンジ・ボウル
- 箸・スプーン・フォーク・コップ・マグカップ・ワイングラス・ワインオープナー・栓抜き・湯呑・コーヒー道具・包丁・まな板
- アメニティ:バスタオル・タオル・シャンプー類・ドライヤー・歯ブラシ・洗体スポンジ(※歯磨き粉はありません)
※「槝」は現在(お風呂)工事中です。6月中ば以降で運営再開予定とのことなので、最新情報については予約サイトをチェックしてみてくださいね!
福岡市内から日帰りで離島の旅を体験できる”相島”。日帰りでももちろん楽しめるのですが、泊まりで滞在して「なんにもしない」ゆっくりとした”島じかん”を味わう休日もオススメです!
現在島には宿泊施設が2つしかないため、空き家などを利用した宿泊先を増やせるようにと町での取り組みも進められています。今後も注目していきたいですね!
相島情報はここをチェック!
次回もひきつづき相島についてご紹介します。