海外を約6年間放浪後、福岡県八女市の山奥でゲストハウスを営む坂本治郎さん。人とは違った経験を重ねてきた結果、見つけた「生きやすい場所」とは何か。
一度の人生、やりたいことをやらないで死ぬほうが怖い
坂本治郎さんは高校卒業後、陸上自衛隊に入隊。当時は厳しいルールが山ほどあり、インターネットを使うことすら申請が必要。坂本さんのように旅行に行く人は異質で、海外旅行なんて奇行ともいえる行為だった。
そんな閉鎖的な組織を抜け出して世界を一周したら、自分がちっぽけに見えるほど驚愕だった。
「僕はずっと生きづらさを感じていました。だからこそ、世界一周での衝撃は大きかったんです。僕が持つ価値観の真逆なことばかりを目の当たりにし、それがとても新鮮でした」
世界中の人との出会いで価値観をぶっ壊された
各国の安宿に滞在し、さまざまな人と話をした。ゲストハウスのオーナーになったのもその経験があったからこそだ。
「やたらとフレンドリーな人が集まっていて、みんな話がおもしろい。自分もそんな空間を作れたらと思ったんです。海外移住も考えましたが、旅の終盤、自由に生きるために必要なのは国や場所ではなく、誰とどう生きるかなんだと思えたんです」
2017年、ゲストハウス「天空の茶屋敷」開業
「ここに移住してからは、自分ができることで周りの人が喜んでもらえるなら、積極的にやりたいと思うようになりました。それが僕の豊かさにも繋がっています。後悔のある人生は送りたくないし、やりたいことをやらないで死ぬほうが怖いですしね」
ゲストハウス「天空の茶屋敷」
福岡県八女市黒木町笠原11260
☎︎090-7263-5544(坂本) (問合せ時間10:00〜22:00)
E-mail : skyteahouse@gmail.com
https://www.skyteahouse.com/
※構成/中山夏美
(BE-PAL 2022年5月号より)