キャンプは楽しいだけとは限らない
キャンプシーズン真っ盛り。
楽しむための準備は万全な方も多いと思いますが、キャンプで起こるケガや病気などの「もしも」に対しての準備も万全でしょうか?
今回は、もしもの際に慌てないように、キャンプ場で起こりやすいケガや病気の対処法についてご紹介します。
なお、ご紹介するのはあくまでも応急処置です。症状が思い場合は、必ずすぐに医療機関へ受診するようにしましょう。
事前の心構え
はじめに、落ち着いて対処するための心構えを解説します。
「もしも」は起こるものと想定しておく
キャンプに行く際は救急セットを携帯しておき、ケガや病気になってしまった時のことををあらかじめ想定しておくのが大切です。
また、キャンプ場からすぐに行けそうな医療機関の連絡先を把握しておきましょう。受付時にキャンプ場の方に聞いておくのも、一つの手です。
服装はなるべく肌の露出を抑え、帽子を着用。作業時にはグローブを使用するなどの基本対策を行なっておくことで、あらかじめ危険を避ける事もできます。
道具の使い方は把握しておく
キャンプで使用する道具は、使用方法をあらかじめ把握しておきましょう。
キャンプでいざ使おうと思った際に、誤った使い方でケガをしてしまうこともあります。
また、子どもにとってキャンプ道具は全てが興味の対象です。
大人は危険と分かることも、子どもには、何がどのような理由で危険なのかは分かりません。しっかりと大人が管理を行ないましょう。
それでは、キャンプ場で起こりやすいケガや病気について詳しく解説していきます。
擦り傷、切り傷への対処法
調理ナイフやアウトドアナイフの使用時、移動や遊びの最中の転倒などに擦り傷、切り傷というケガは起こりやすいです。
対処法
- 感染症を起こさないよう、まずは傷口をきれいにするため清潔な水で洗い流してください。
- 患部にガーゼなどを当て、しっかりと止血しましょう。
- 創傷被覆材や絆創膏、ガーゼなどで清潔な状態にした傷口をカバーします。こうすることで、傷口の保護ができます。
対策アイテム
さまざまな大きさの絆創膏やガーゼ、包帯、固定テープなどを用意しておきましょう。
虫刺され
虫はキャンプにつきものですが、特に春から秋にかけてのキャンプシーズンは蚊、アブ、ブヨ、ハチ、ムカデ、マダニなどの活動が活発なため、注意が必要です。肌の露出を減らし、虫よけスプレーなどを使って虫との遭遇を減らすことを心掛けましょう。
対処法
- 刺された場所を把握します。針などが残っている場合はそっと抜いてください。
- ポイズンリムーバーを使って毒素を出します。
- 刺された場所を洗い流します。
- 塗り薬を使用し、炎症を抑えるために冷やします。搔きむしると炎症が広がり、細菌が入ることで化膿する恐れもあります。絆創膏などでカバーするのもよいでしょう。
ポインズンリムーバーは民間療法で、あくまで応急処置です。また、刺されたらすぐに使用するのが個人的にはおすすめです。
対策アイテム
虫よけスプレーやキャンドル、蚊取り線香、ポイズンリムーバー、ステロイドや抗ヒスタミン成分が入った塗り薬などを用意しておきましょう。
打撲
足元が悪い時や夜の移動中、遊んでいる時の転倒、ハンマー使用時、物との衝突時などに起こりやすいです。
軽度だと思っていても、あとから重症化する可能性があります。特に頭や、胸、お腹のあたりは、医療機関に診てもらうことも念頭に置いたうえで慎重に経過をみましょう。
対処法
- 患部を冷やし、痛みや発熱を抑えます。
- ケガをしている部分は、なるべく動かさないようにします。
- 痛みが激しい場合や皮膚が変色している場合は、からだ内部の組織が損傷している可能性があります。特に、頭や胸、お腹を強く打ち、吐き気などの体調変化が起こった場合はすぐに医療機関にかかりましょう。
対策アイテム
アイスパック、氷、湿布、捻挫打撲用冷却スプレー、氷嚢(ひょうのう)などを用意しておきましょう。
捻挫
足元が悪い中での移動や、遊びの最中の転倒時に、関節へ無理な力が加わってしまうことにより起こます。
こちらも打撲同様、あとから重症化する恐れがあるので慎重に経過をみましょう。
対処法
- 患部を冷やし、痛みや発熱を抑えます。
- 患部を動かさないよう、テーピングや添え木で固定します。
- 痛みが激しく皮膚が変色している場合は、からだ内部の組織が損傷している可能性があります。できるだけ早く医療機関にかかりましょう。
対策アイテム
アイスパック、氷、湿布、捻挫打撲用冷却スプレー、氷嚢、テーピングなどを用意しておきましょう。
熱中症
気温や湿度が高い日中に起こりやすいです。
まずは、未然に防ぐことを心がけましょう。帽子着用を忘れず、水分と休憩はこまめに取ります。
対処法
- 涼しい場所に移動します。
- 衣類をゆるめ、横になります。うちわで風を送ったり、濡れタオルなどを使ったりして体を冷やします。特に、太い血管が通っている首回りや脇の下などを冷やしますと良いでしょう。
- 飲める場合は、水分(経口補水液)を補給をします。
対策アイテム
経口補水液やスポーツ飲料、冷却スプレー、氷嚢、氷、うちわ、濡れタオルなどを用意しておきましょう。
やけど
クッカーや、バーナーなどの燃焼器具使用時に起こりやすいです。また、焚き火や花火をする際の火の粉で起こることもあります。
損傷がひどく、広範囲な場合はすぐに医療機関を受診するようにしましょう。
対処法
- 一刻も早く患部を冷水で冷やすようにしましょう。痛みがやわらぐ5分~30分を目安に冷やします。流水による冷却が望ましいですが、クーラーボックスに入った保冷剤などを使う場合は、患部に雑菌が入らないよう清潔な状態で使用してください。
- 患部を清潔な状態にできたら、ガーゼなどで患部を覆います。
- テープまたはやけど専用の保護フィルムなどでしっかりととめ、患部を保護します。
水ぶくれができた場合は、できる限り潰さないようにしましょう。
対策アイテム
アイスパック、包帯やガーゼ、軟膏、ラップ、ウォータージェルパックなどを用意しておきましょう。
低体温症
夏場の川や海での長時間の水遊びの際や、冬キャンプ時に起こることがあります。
青白い顔色になったり、自分で止められない震えが続いたりすると低体温症のサインです。
対処法
- まずは暖かい場所に移動します。濡れている場合は、乾いた衣類に着替えましょう。
- 暖かい衣類やブランケットなどを使用し、体を温めます。温かい飲料を飲むのも効果的です。
対策アイテム
厚手の洋服、ブランケット、温かい飲み物などを用意しておきましょう。
ギックリ腰
キャンプ道具など、重い荷物を持ったときに起こることがあります。
対処法
- とにかく落ち着き、楽な姿勢をとりましょう。
- 患部を冷やして鎮痛剤を飲み、痛みがおさまるまで休みます。
対策アイテム
アイスパック、鎮痛剤、湿布など用意しておきましょう。
医療機関の受診を念頭に入れておく
今回ご紹介した全ての方法は、あくまでキャンプ場で行なう応急処置です。
軽度ではない、と思われるものは必ず医師の診断を受けるようにしましょう。
まとめ
キャンプ場で起こりうる、「もしも」の対処法をご紹介しました。
筆者は今回ご紹介しているもしもを全て経験していますが、対処法を把握していたので落ち着いて行動することができました。
ケガや病気は起こらないことに越したことはないですが、知っておくだけで心に余裕が持てます。
皆さんも事前準備に加え、もしもの対策も万全にして、楽しいキャンプ時間をお過ごしください。
監修協力/長谷部雅一