秋に植え付け、春先に葉が伸び、5月下旬から6月頃に収穫する越冬栽培のニンニクは、手間を掛けなくても育ち、病害虫の心配も少ないよく出来た奴です。まして、大量に栽培しても長期保存できる優秀さ。あまりの優等生さに目をかけなさすぎたのか、最近の長雨で土の湿度が高くなりすぎたためか、危うく腐らせるところでした。
2020年3月から始まった100%オーガニックの鎌倉野菜を育てる『雨のちハレ、ときどき農業生活』も3度目の梅雨と夏を迎えようとしています。昨年の夏は雨が多くて、日照も少なく、野菜の育ちが悪かったのは全国的なことでした。なのに、喉元過ぎれば….。
地上の葉が枯れてきたら収穫GO!
思っていたイメージと違うことって、THEリアル社会な農業では良くあることです。まるでスーパーで売っている長ネギのように、地上部の茎や葉がビンビンに育った時に収穫するものだと思っていました。ところがニンニクは、5月下旬から6月頃、地上部の葉が全体の2/3ほど枯れたら収穫のタイミングになります。
だから、どこか頼りないんですよね。その頼りない株元の茎を手で握り、真上に引き抜いたら土が一緒にもこっと盛り上がり、さらにぐっと引くと晴れて地上に顔見せとなります。
ということで、収穫時のショート動画をどうぞ。
https://youtube.com/shorts/Wc5624ERlJA
ニンニクは3度休眠する!?
ニンニクは植え付け後30日ほどで、発芽して、草丈が10cm〜15cmくらいに育ったら間引きをします。ですが、その前に、スーパーとかでよく見る球の表皮を剥がして、種球を1片ずつに分け、その分球を包んでいる薄皮をむかずにそのまま土に植えるのですが(薄皮をむいて植える方法もある)、この時、ニンニクは眠っているそうです。土に植えて30日後の発芽は休眠から覚めたときだとか。
冬が本格化する前に1度目の追肥をして、冬を迎えた頃、ニンニクは2度目の休眠をします。そして春の訪れがささやかに聞こえ始め、2度目の追肥をする頃、休眠から覚めて活動再開です。ここからぐんぐんと成長を加速させ、長ネギのようなシャキっとした状態に。
ところが、ここからニンニクの球は熟成すると3度目の休眠に入って生育を止めてしまいます。下葉が黄色く変色し始めたら(つまり枯れてきたら)休眠に入ったサインになります。そして、収穫です。収穫直後のニンニクには水分がたくさん含まれているので、乾燥させる段階に移ります。
でも、この状態で素焼きにしたり、ホイル焼きにしたりして食べることもできますよ。
ニンニクは三つ編みがお似合い!
収穫直後は、2〜3日ほど畑や軒下に並べて乾かしておきます。イメージは葉の部分を乾燥させる感じです。その後に土をしっかり落として、葉と根を切り落とします。3~4個ずつ茎のつけ根をヒモで縛って束ねるわけですが、ずっとやってみたかったのがリーフです。
女性なら三つ編みと同じ要領で慣れた手つきで編んでしまうと思うんですよ。でも、ググってしまった僕は世界各地でニンニクの編み方があるのを知ってしまい、どれにしょうかなぁとスキルもないのにのんきに選んでいると、どれにしていいのか分からなくなってしまいました。で、結局、三つ編み式になりました。
調べてみると、日本のニンニク生産量は約20,000トン。世界で生産されるニンニクの0.0074%になります(少なっ!)。そんなニンニクの乾燥ですが、皮がパリパリになってきたところが目安。それ以上干しっぱなしにしていると、休眠から覚めて小さな芽を出してくるそうです。すごい生命力だなニンニク!