移住を成功させるには、下準備と計画が重要です。しかし、どのように準備をしたら良いのか、どのような移住先があるかがわからない人もいるでしょう。おすすめの移住先や選び方、移住を成功させるための準備を解説します。
移住の成功には下調べが大切!
移住を成功させるには、移住先の下調べが重要です。下調べのコツを2つ解説します。
事前に仕事を探しておく
リタイア後に移住をする場合を除けば、移住先で生活をするためには仕事に就かなければなりません。
フリーランスのように、働く場所に制限のない職種でない限り、移住前から仕事を見つける必要があるでしょう。移住先での働き方は、以下の4つがあります。
- 移住先での就職
- フリーランス
- 起業
- 地域おこし隊
地方でも働き口はたくさんありますが、中にはインターネットで情報を得られないケースもあるでしょう。その場合は休暇を利用して、現地で情報収集をする必要があります。
地方は都会よりも家賃が安い傾向にあることに加え、地方ならではのビジネスチャンスもあるため、起業の準備資金を抑えたい人にはおすすめです。
また、地域おこし隊とは、期間限定で町おこしに協力する仕事です。国から16〜20万円程度の手当が出るので、それで生活することも可能です。
地方の移住支援制度を活用しよう
少子高齢化や過疎化の問題が大きくなるに伴い、地方の行政が移住者に対して手厚い支援を行なっている場合があります。自治体ごとにユニークな支援を行っているので、ぜひHPをチェックしてみましょう。
例えば、起業や就職にあたり補助金を支給してくれるかどうかは要チェックです。移住の準備資金の足しにできるでしょう。
ほかにも、引っ越しや新築を建てる際の費用を支援してくれるところや、一定期間以上住み続けた人に住宅を譲渡したり補助金を支給したりするところもあります。
楽しく暮らせる移住先の選び方
楽しく暮らすためには、移住先選びも慎重に行なう必要があります。移住先の選び方を解説するので、ぜひ参考にしましょう。
移住者が多い地域がおすすめ
移住者が多い地域には、さまざまなメリットがあります。
まずは既に多くの移住者を迎え入れていることから、受け入れ態勢が整っていることが考えられます。例えば、交通の便が良い、物価や家賃が安い、行政の支援が手厚いといったことが挙げられるでしょう。
また、移住者の中には、現地の人間関係がうまくいかず結局都会に戻ってしまう人も少なくありません。しかし、先輩移住者が多い地域なら、同じ境遇を持つ人同士で助け合うことができます。
子育てやレジャー、買い物などその土地のお役立ち情報を共有してもらえれば、移住先での生活がより楽しくなるでしょう。
一度お試し移住をしてみる
どれだけ口コミを確認したり、現移住者の話を聞いたりしたところで、百聞は一見にしかずです。理想と現実のギャップをできる限り小さくするには、一度住んでみるのが一番でしょう。
実際に現地に滞在することで、口コミではわからない不便なポイントや許容できないことを把握できます。
一部の自治体では、お試し移住を開催しているところがあります。移住を検討している人に一定期間その地域に住んでもらうことで、住み心地を知ってもらおうという取り組みです。
いくつか移住先の候補があるなら、お試し移住で実際に体験してみるのもよいでしょう。
【日本の魅力】鮮やかな自然がある地域への移住
移住に力を入れている地域の中で、美しい自然を持つところを3つ紹介します。豊かな自然に触れられることは、都会ではなかなかできないでしょう。
北海道東川町
北海道第二の都市・旭川市に隣接しており、日本最大の国立公園『大雪山国立公園』の一部になっている町です。
旭川空港からクルマで10分とアクセスが良いことに加え、一面に広がる田園の風景が、一年を通して見る人を楽しませてくれるでしょう。
東川町の魅力は、水道料金が無料な点です。北海道最高峰の旭岳の雪解け水が豊富にあるため、ほぼ全ての町民が地下水で生活をしています。
また、農業に従事する人や起業する人への支援や住宅の支援を行なっており、移住者が続々と集まり、過去20年で人口が2割も増えています。先輩移住者が多く住んでいるので、溶け込みやすいでしょう。
ようこそ東川へ!ひがしかわ観光協会 | Visit Higashikawa !
島根県邑南町
『日本一の子育て村』を目指す、子育てに関する支援が充実している町です。
島根県中南部の盆地に位置していることから、夏と冬での寒暖差は大きくなっています。だからこそ四季を大きく感じられ、夏は川遊び、冬はスキーといったように季節ごとのレジャーも盛んです。
子育てに力を入れており、中学生までは医療費が無料、第2子以降は保育費が無料など多くの制度が用意されていることが魅力です。
そのほかには、役場にいる『定住促進支援員』が移住のアフターフォローまで行なってくれます。人情味があふれる町といえるでしょう。
大分県竹田市
市内が4つのエリアに分かれており、それぞれに魅力があります。
中心部にある城下町は、昔ながらの街並みを残しつつも、生活に必要な施設が集まっており、多くの移住者が住んでいる地域です。
直入町は日本随一の炭酸泉がある温泉街で、移住後に接客や調理の仕事に就きたいと思っている人にもおすすめです。
また、萩町は日本有数の高原野菜の産地であり、自然を感じたい人や農業を始めたい人にはもってこいの地域でしょう。
なお、久住町は国立公園がある地域で、季節ごとに草原や山が違った顔を見せてくれます。竹田市移住定住支援センターが、移住前から移住後までサポートしてくれる点も安心できます。
【田舎暮らしを堪能】山間への移住
田舎の自然に囲まれて暮らしたい人におすすめの移住先を3つ紹介します。田舎ならではの施設が充実しているところや、林業が盛んなところがあるのが特徴です。
宮城県丸森町
宮城県最南端に位置し、自然や伝統建築など観光資源に恵まれた町です。
中山間地には、樹齢450年の桜やホタルなど四季ごとに自然を感じられる筆甫地区があります。空き家活用相談や田舎暮らし体験ツアーなど、移住者を迎え入れるための施策が充実しており、お試し移住ができる地域でもあります。
住宅の取得やリフォームのための補助金や、家賃向けの補助金も用意されているため、移住までのハードルは比較的低いといえるでしょう。
お試し移住を上手に活用し、移住するかを判断してみてはいかがでしょうか。
まるもり移住・定住サポートセンター じゅーぴたっ | 丸森で暮らす。働く。遊ぶ。移住、定住、民泊サポート
群馬県上野村
群馬県の最西南端に位置し、90%以上を山野に囲まれたところで、日本の田舎を感じられる町です。
豊富な森林資源を生かして、バイオマス事業に取り組んでいます。林業を検討している人には特におすすめといえるでしょう。
人口は県内で最も少なく、およそ2割の住民が移住者なので、溶け込みやすいでしょう。
また、移住者支援が充実していることも特徴の一つです。
18歳まで医療費が無料で、子どもが小中学校に入学した際には入学金を支給してくれます。移住者が多く就職している働き先を紹介してくれたり、村営の住宅をあっせんしてくれたりといったサポートも受けられます。
岡山県西粟倉村
SDGsに注力しており『SDGs未来都市』にも認定された町です。
『百年の森構想』を発表しており、長きにわたって森林環境を整備する取り組みが進められています。豊かな自然を感じたい人や、それを一緒になって守りたいと考えている人におすすめです。
移住者政策の中でも、教育面に力を入れているところが特徴です。幼稚園・保育園の保育料が2人目は半額、3人目以降は無料。小学校や中学校では、豊富な資源を生かして体験学習を多く取り入れています。
座学にとどまらず、子どもが自ら体験していく学びの場を提供したいと考える人にもおすすめです。
【程よい田舎感がある】地方都市への移住
田舎暮らしに憧れている人は多いでしょう。しかし、田舎すぎる地域は慣れない人にとって生活の不便さを感じることが多いため、移住先は程よい田舎がおすすめといわれています。
そんな『程よい田舎感』がありつつも、都市機能も充実している地域を3つ紹介します。
青森県弘前市
自然と隣り合わせの暮らしと、都会での生活の両方を送れる町です。
城下町でありながら洋風の建物が多く残っており、見事な和洋折衷を体現しています。中心部には生活に必要な機能がそろっているので、田舎を感じながらも快適に暮らせるでしょう。
『移住お試しハウス』と呼ばれる、移住を検討している人に最長2週間、住居を提供するサービスも行なっています。滞在中は移住相談の時間が設けられ、疑問点の解消が可能です。
ほかにも空き家バンクや子育て支援住宅制度、就職等支援金など移住者を迎えるための制度が充実しています。
弘前ぐらし 青森県弘前市の移住・交流・UJIターン応援サイト
新潟県三条市
新潟県の中央に位置する、江戸時代から続くモノづくりの町です。その技術は世界からも注目されています。同じくモノづくりが盛んな燕市と合わせて『燕三条』という愛称を聞いたことがある人も多いでしょう。
中心地からクルマを30分走らせれば、海にも山にも行けるため、自然を感じながら生活できます。中心地には大型のデパートや娯楽施設もそろっているので、都会暮らしを諦めたくない人も心配はいりません。
移住コンシェルジュが移住をサポートしてくれることに加え、空き家バンクや移住支援金などの支援も充実しています。
石川県加賀市
豊かな自然と歴史を擁する石川県南部の町です。市内は7つのエリアに分かれており、それぞれの自然や歴史、文化を感じることができます。
重要伝統的建造物群保存地区を持つ伝統的なエリアもあれば、兼六園を模した大名庭園が残る市街地もあり、訪れる人を飽きさせません。
移住者支援も充実しており、1週間まで無料で滞在できる『暮らし体験の家』が用意されています。
妊娠から出産、小中学校までの子どもを持つ親を支援する手当などが用意されており、県内トップレベルの子育て支援体制が整っているといえるでしょう。ほかにも多くの助成金制度が用意されています。
【潮騒で目覚める】海が近い田舎への移住
海の見える町での暮らしも、多くの人が夢見る生活でしょう。そんな潮騒で目覚めるのも夢ではない、海が近いおすすめの移住先を3つ紹介します。
島根県海士町
島根県の離島に位置する、海を間近に感じられる町です。人口2000人強の小さな町ですが、移住者と地元住民が協力して地域を盛り上げています。いわがき春香や隠岐牛などの特産品があります。
移住者支援については、見学にかかった交通費の片道分を助成してくれたり、引っ越し費用の割引サービスが受けられたりなどうれしい支援が盛りだくさんです。
農業や漁業をはじめとする一次産業に携わりたいと考えている人向けに産業体験も実施しています。また、出産祝い金や保育料の軽減など、子育てに関する支援も充実しています。
山口県萩市
山と海に囲まれた、自然をぜいたくに感じられる町です。
江戸末期から明治初期にかけて多くの偉人を輩出した町でもあり、伝統的建造物群保存地区も擁する歴史の町でもあります。瀬戸内海と日本海に面しており、海の幸も豊富です。
積極的な移住政策により、年を追うごとに移住者が増えており、移住者が営むカフェや飲食店も増えつつあります。
地域ごとに専任の移住サポーターがおり、きめ細かいサポートを受けられる点も特徴です。
最大4週間にわたって『お試し暮らし住宅』を利用することもできるので、ぜひ活用しましょう。
沖縄県久米島町
沖縄本島から西に100kmに位置する離島の町です。那覇から飛行機で30分と決してアクセスが良いとはいえませんが、自然を十分に感じられる環境がそろっています。
島全体が自然公園に指定されており、歴史や文化的景観にも恵まれている点も魅力の一つです。
移住者支援については、渡航費の助成や空き家バンクの設置、子育て支援などが用意されています。7月中旬から8月末までは羽田空港から1日1便、直行便が運行されているため、夏に訪れてみてはいかがでしょうか。
まとめ
少子高齢化や過疎化は、地方では顕著に表れている社会問題です。それぞれの地域では、町おこしのために積極的に移住者を迎える施策を用意しています。昨今のリモートワークの推進もあいまって、現在は移住しやすい環境がそろっているといえるでしょう。
移住を成功させるには、下準備と情報収集が大切です。自治体によって移住者への支援内容が異なるので、支援制度の確認が必要です。
また、実際に住んでからギャップを感じないように、お試しで住んでみることも大切です。お試し移住制度をうまく活用して、移住を成功させましょう。