雨の日が多くなり、紫陽花も咲き始め、例年より1か月遅れの梅雨時期がやってきました。
今回は鹿児島県南さつま市の海を舞台に“イサキ”という魚の話をお送りします。
雨の日が多い梅雨時期、雨が降ると山や森から泥水が川へ流れ込み海へ運ばれます。
流れ込む泥水は海にとって栄養になります。
皆さん、“イサキ”という魚をご存知でしょうか?
5月頃からスーパーや鮮魚店でよく並ぶ魚で、見た事がある方も多いと思います。
釣人にも初心者から狙える人気のある魚で脂も乗り、白身魚で美味しい魚です。
海の食物連鎖
イサキは潮通りが良い岩礁域に生息し、初夏の産卵時期に沿岸や根の浅場に群れで回遊します。
雨上がりの海、海面には山水が流れ込んで白濁していますが、潜っていくと青い海が広がっていました。
海面のプランクトンを捕食しにキビナゴの群れがやってきました。
口をパクパクさせながら大群で回遊しています。
すると、キビナゴが物凄い勢いで去って行きました。
背後からイサキの群れがやってきました。
キビナゴを捕食しようとイサキも大群で回遊し始めました。
気付くとイサキの大群に囲まれていました。
何万匹という大群です。上や右の方からイサキが降ってくるように回遊しています。
イサキの群れが去ると、なんと奥には大きなサメの姿が見られます。
イサキの群れはサメに追われ、群れが散り散りにイサキたちは逃げます。
サメは群れで回遊しており、群れていたイサキやキビナゴの群れはパニック状態です。
まとまっていた群れはバラバラになり四方八方に逃げて行きます。
サメたちは捕食を終え、去って行きました。
青い海には捕食された魚の鱗がちらちら舞います。
イサキやキビナゴの群れは、残った群れでまとまり回遊し始めました。
自然界の多くの困難を乗り越え、今年も力強いイサキの群れ見ることが出来ました。
梅雨晴間の日、撮影の休憩中に釣りをさせて頂きました。
すると、引きの強い魚がかかり上げてみるとイサキでした。
捌いてみると白子が入っていました。
感謝してイサキを塩焼きにして美味しく頂きました。
産卵時期で大群のイサキが、いつまでも見れますように。
~陸編。今回の1枚~
イサキの群れが見始める5月頃、陸上ではゲンジボタルが飛び始めます。
暗闇で光る、幻想的なホタルの光を見ているだけで、うっとり癒される光景です。
撮影協力: ダイビングショップSB