キャンプ場で、ハイキングで!親子で遊ぼう
娘が年中のとき、月に一度開催の「森のようちえん」に参加しました。そこで教わった森の遊びは、ちょっとした工夫で取り組めるものばかり。ファミリーキャンプや親子登山でも活用できそうなアイデアにあふれていました。
自然体験プログラムに親子で参加してみると、幼少期には知識ではなく、自然とのふれあいから感性を豊かにする時間が大事だと気付かされます。大人にとっても、脳をリセットし、心身ともに息抜きする時間になりました。
この記事では、専門の指導員(インタープリター)と体験したプログラム例や、私が実際にアウトドアフィールドで取り入れた様子を紹介。記事の末尾では、森のようちえんなど、身近な自然体験プログラムの探し方もお伝えします!
1.落ち葉や石ころで、顔をつくろう
森のなかにある葉っぱや石ころ、枯れ木、砂、木の実などの形や色を組み合わせて、顔をつくる遊びです。
台紙と顔の輪郭に使うものは、ポケットやカバンに気楽に入れて持ち運べる布とロープが適しています。画像のように、白以外の濃い色の布を使うと、配置した植物や石ころが目立って写真映えします。大人は目隠しをして、「福笑い」のように遊んでも楽しいですね!
用意するもの
- 無地のハンカチなどの布
- 太さのあるロープなど、やわらかい紐
注意すること
- 貴重な自然は壊さないようにしよう。枯れ木であっても枝を折るなどはやめ、必要以上に自然の形を変えないように気をつけよう
2.森の色さがし
落ちている葉や木の実など、自然界のさまざまな物を集めて、色分けをして遊びましょう。遊びのポイントは、事前に「色見本シート」を準備しておくこと。
色見本シートは、森や浜辺など、行き先となるフィールドにありそうな色を想像して作っておきます。紹介する画像では、ラミネート加工した専用のシートを使っていますが、折り紙などの色紙でも代用できます。ここは親のアイデアが光るところ!
子どもは、色に限らず大きさや素材がさまざまなものを拾ってきて、シートに並べます。そこで、「どうしてそれを選んだのかな?」などと、選んだ理由をインタビューすれば、自然界の微妙な色のグラデーションや、これまで意識しなかった素材の色を発見できるかも!
用意するもの
- フィールドにありそうな色を集めた色見本シート(6~8色程度、色紙で代用可)
注意すること
- 1と同じ
3.万華鏡あそび
「万華鏡キット」(万華鏡を自作できるセット)を用意して遊びます。キットでは、万華鏡にビーズなどを入れて、くるくる回して楽しみますが、森のようちえんでは、紅葉した落ち葉の破片や、小さな木の実などを投入します。
果たして、どんな世界が見えたのか……。のぞきこんでみたら、アッと驚く世界が広がっていました。おすすめです!
用意するもの
- 万華鏡キット(ダイソーなどで取り扱いあり。ダイソーのものは3色展開している)
4.虫めがねで植物観察
虫めがね(ルーペ)で草木を観察する遊びです。虫めがねを用意するだけ、観察するだけのシンプルな遊びですが、やってみるとハマる子がいるかも!?私が参加した森のようちえんでは、くず(ツタ類)の葉痕が動物の顔に見えることを教わり、それを観察できそうな場所を探索しました。
生き物が好きな子なら、つかまえたダンゴムシ、飼育しているカブトムシなどの観察でも活用できそうです。
用意するもの
- 虫めがね(ルーペ)
注意すること
- 虫めがねで太陽を絶対に見ないこと。子どもに説明するだけでなく、様子を観察して、大人が注意しよう
5.森のビンゴカード
森で見つかるさまざまな自然の特徴をカードのマスに記入したビンゴカードを使って、自然観察をする遊びです。
カードには、「つるつるした葉」「いいにおいのする葉」「木の実」「花」「白っぽい幹」「大きな岩」など、フィールドで見つかりそうなものの特徴を記入しておき、発見したらチェックします。ゲーム性のある遊びですが、ビンゴカードのお題に対して、自分は何を発見できたか、どう感じたかを話し合うことが目的。早くたくさん見つけた人が勝ち、という遊びではありません。
カードの内容を、虫や花にしぼったり、「かわいい」「大発見」など感覚で選べるようにしたり、「○」「△」「□」などの形や絵で表現したりすることで、幼児から小中学生まで楽しめます。
用意するもの
- フィールド用のビンゴカード(カードをダウンロード配布しているホームページ多数あり。手作りもいい!)
アイデアを野山で活用してみた!
私は万華鏡のアイデアが心に残りました。
そこで、万華鏡キットに入っていた三角の窓ができる筒状のミラーシートを持ち出し、野花に当てて観察。花に近づけすぎると筒のなかが暗くなったり、風が強いと対象が大きく揺れて観察できなかったりと、いろいろありながらも、初めてトライすることは楽しいものでした。
めずらしくて美しい花でも、「花をただ見るだけ」では、子どもが飽きるのは時間の問題。
子ども専用アイテムがあることは、彼らが出かけたくなるモチベーションになり、現地では自然と触れ合うツールになりました。この機に虫めがねも買いましたが、同様のおもしろさがあります。
ネイチャープログラムを探そう!
私が体験したのは、木曽川祖父江緑地と木曽三川公園ワイルドネイチャープラザでおこなわれている森のようちえんでした(2~5歳対象、3月に年会員を募集、有料)。
「森のようちえん」とは、認可幼稚園・保育園に限らず、習い事のように通う会員制プログラムや、当日参加可のイベントまで、参加形態はさまざま。森に限らず、川や海、里山など、地域にある豊かな自然をフィールドとします。
このような自然体験イベントは、各都道府県にある「県民の森」や、観光地となるようなテーマのある公園でも開催されています。自然豊かな大型公園などに設置されるビジターセンター(展示施設・自然体験施設)も、多彩なプログラムを提供していますよ。
アイデアを教えてくれた人
村瀬典康さん
岐阜県岐阜市在住。ニックネームは「のんちゃん」。自然観察指導員(日本自然保護協会)、環境カウンセラー(環境省登録)、ネイチャーゲームリーダーなどとして活動。長年、木曽三川公園の「森のようちえん」で講師を担当している