青森県の十和田湖より約14km続き、苔や清流、森が織りなす自然美を楽しめる「奥入瀬渓流」。その魅力を多種多様なアクティビティを通して体験できるのが、奥入瀬渓流沿いに佇む「星野リゾート 奥入瀬渓流ホテル」です。渓流に癒されながらサイクリングをしたり、ネイチャーガイドから苔むす森について深く学んだり。冬は雪深くなる奥入瀬渓流のグリーンシーズンならではの遊び方をご紹介します。
ネイチャーガイドが常駐。「星野リゾート 奥入瀬渓流ホテル」
星野リゾート 奥入瀬渓流ホテルは「渓流スローライフ」をコンセプトに、一年を通して十和田八幡平国立公園を流れる奥入瀬渓流周辺の自然を満喫できるリゾートホテル。奥入瀬の自然を知り尽くした「ネイチャーガイド」が常駐していることが特徴で、奥入瀬の成り立ち、生息している草木、散策方法などを教えてくれます。
ホテルは大暖炉「森の神話」や「河神」など、芸術家・岡本太郎さんの作品が見られることでも有名。渋沢栄一の書生でもあった前オーナーの杉本行雄さんと岡本太郎さんの親交が深かったという縁で、ホテルのために制作された作品です。大きな窓から見える自然との一体感も素晴らしく、特に「ロビー 森の神話」はホテルの象徴的な存在です。
渓流に沿って疾走!電動アシスト自転車でサイクリング
奥入瀬渓流はホテルが位置する場所から十和田湖までを示し、楽しみ方の選択肢が豊富です。アクティブ派に一押しが、電動アシスト自転車「E-BIKE」のレンタルサービス!渓流沿いに道路が並行して走っていて、森や水辺を見ながらサイクリングできます。
ホテルを出発して上流の十和田湖へと向かうと上り坂になりますが、高低差は約200mしかないためとてもなだらか。さらに電動アシストで、楽々走行できます。おすすめの時間帯は、車通りの少ない早朝(早朝のレンタルは要事前相談)。2022年11月14日(月)までの期間限定開催です。
道の途中では時折、自転車を降りて散策。ホテルで配布しているマップを参考に進んでいきます。「地図には載っていないんですが……」と、筆者が出発前にネイチャーガイドに勧めてもらったスポットが「下馬門沢」。石ヶ戸と馬門岩の間に位置し、どんなに雨が降っても美しい湧水が見られる絶好のスポットです。この日は残念ながら前日の雨の影響で本流が濁っていたのですが、下馬門沢では透き通った奥入瀬本来の水流を見ることができました。
ルーペを使って、ミクロの世界へ!ネイチャーガイドと散策
奥入瀬渓流は宿泊者向けの無料シャトルバスに乗ったり、整備された遊歩道を歩いたり、自由に散策が可能。その一方で、もし初めて奥入瀬渓流に訪れるなら、ネイチャーガイドに案内してもらうのが最善の方法です。例えば「苔さんぽ(税込4,400円)」は奥入瀬渓流の300種類を超える「苔」に焦点を当てた、2022年11月6日(日)まで開催しているツアー。ネイチャーガイドと一緒に苔むす森を歩き、各苔の違いや見分け方を知ることで、自分の「推し苔」にも出会えます。
苔さんぽには、ホテルの全客室に備わっている「ルーペ」が必需品。ただ歩いているだけでは気づけない、ミクロ単位の苔の形状を観察できます。奥入瀬渓流でよく見られる苔が「クサゴケ」。花ではないものの、その見た目から「苔の花」と呼ばれる赤い胞子体も見え、その小さな世界を見ているだけであっという間に時間が過ぎてしまいます。
なぜ奥入瀬渓流で美しい苔が数多く生息しているのかというと、十和田湖から常に安定した一定量の水流が流れ、苔が洗い流されないことが理由の一つ。また、水を溜め込むウェットな土壌のため、苔が好む水が豊富なのです。
ただし、土がぬかるみやすいことも忘れてはいけないポイントなので、散策の時にはホテルで無料貸し出しを行なっている長靴を履いていくのがおすすめです。
より個人的な興味に基づいて奥入瀬渓流のディープな魅力を知るなら「国立公園プライベートツアー(1組4名、税込22,000円/5名以上の場合は1名につき+2,200円」にご参加を。奥入瀬渓流は苔以外にも原生林のような風景が見られるシダの群生地、キノコ、鳥など、見どころがたくさんあります。マニアックな生物、アメーバ動物「粘菌」を探すツアー、なんていうのも面白いでしょう。写真のツノホコリは倒木に良く見られる粘菌で、ルーペで見ると意外と美しい形状をしています。
高い目線から奥入瀬渓流を楽しむ!「渓流オープンバスツアー」
ホテル周辺から十和田湖まで、奥入瀬渓流の見どころを高い目線から見下ろせるのが「渓流オープンバスツアー」。屋根無しの開放的な2階建てバスに乗ると、奥入瀬渓流を代表するサワグルミ、トチノキ、カツラ、そしてブナなど背の高い木々も間近に見ることができます。
「玉簾の滝」「不老の滝」「銚子大滝」など、上流にある滝を短時間で一度に鑑賞できるのも渓流オープンバスツアーの魅力。通称「瀑布街道」とも呼ばれ、糸のように美しい滝からダイナミックな滝まで鑑賞できます。十和田湖の見学と休憩をはさみ、所要時間は約1時間30分。2022年11月6日(日)までの期間限定です。
明日の散策が楽しみになる!無料講座「森の学校」
西館「ラウンジ 河神」で、毎夜開催される無料の「森の学校」。各ネイチャーガイドが奥入瀬渓流の見どころを教えてくれます。この日はネイチャーガイド8年目の小林さんが奥入瀬渓流で出会える植物・花・苔・動物などを、小林さんが撮影した写真を使って紹介。明日の散策が楽しみになるようなtipsを教えてくれました。
渓流が見える露天風呂付きも。自然と調和するゲストルーム
全6タイプある客室の中で、人気は渓流が見える客室。客室の大きな窓から、心置きなく奥入瀬の自然を満喫できます。「渓流ごろんとチェア」は窓辺に設置された特別なしつらえ。ごろんと寝転び身体を委ねることで、自然とリフレッシュできます。
プライベートバスから渓流を臨む「渓流ツイン 半露天風呂付」は4室限定。南八甲田山の猿倉温泉から引かれた温泉を、客室でも楽しめます。
深緑と渓流を楽しむ、夏の「渓流露天風呂」
アクティビティを楽しんだ後は、宿泊者限定の温泉で疲れを癒せます。「内湯」と「渓流露天風呂」があり、渓流のせせらぎを聞きながら温泉の湯を堪能。泉質はpH6.2の単純温泉(低張性中性高温泉)。夏は深緑も美しく、つい長湯してしまう開放感あふれる露天風呂です。
5月〜10月限定。特別な渓流テラスでの朝食
都心よりも気温が低く、夏は避暑地としても楽しめる奥入瀬渓流。5月〜10月限定の「渓流テラス」で味わう朝食は、ここでしかできない特別な体験です。
りんごの木の取っ手を開けてみると、朝食ボックスの中には彩り豊かなサンドウィッチやサラダがずらり。温かいスープや青森らしいりんごジャムを添えたヨーグルトなど、ボリュームたっぷりのメニューです。コーヒーやりんごジュースのほか、ビール、シードルがフリードリンク。渓流を眺め、シードルを味わう贅沢を楽しめます。
夕食は青森県の豊かな海と山の恵みを味わえるフレンチレストラン「Sonore(ソノール)」へ。洗練されたフレンチのベースを守りながら、青森の郷土料理を掛け合わせた料理が楽しめます。季節ごとにコース内容が変わり、2022年7月19日(火)までは春限定メニュー。津軽地方で食べられているイカの揚げ物をフレンチにアレンジした小前菜「いがめんち」など、全11品が登場します。
さまざまな体験を通して、奥入瀬の大自然を享受できる「星野リゾート 奥入瀬渓流ホテル」。自然の音しか聞こえない早朝、電動アシスト自転車でサイクリングするアクティビティが特におすすめです。アクセスは「八戸駅」から無料送迎バスで約70分、「青森駅」から無料送迎バスで約90分。ミクロな世界が広がる苔むす森へ、探検しに行ってみて下さいね。
・星野リゾート 奥入瀬渓流ホテル
住所:青森県十和田市大字奥瀬字栃久保231
料金:1泊22,000円~(2名1室利用時1名あたり、税込、夕朝食付)
HP:https://hoshinoresorts.com/ja/hotels/oirasekeiryu/