福岡県で減農薬のみかんと米を作る川上直幸さんの生涯を通じた趣味は「機械いじり」。コンピューターを使わないクルマや農機具は、自分で修理するほどの腕前だ。
そんな川上さんの愛車は、ボルボ/XC70 AWD ’03年式。このクルマにたどり着くまでには、長い自動車遍歴があった。
父「思い返せば50年前。俺は15で初めてエンジンをばらし、エンジニアリングの熱い洗礼を受けた」
子「また大げさな!」
父「初めて買ったクルマは三菱のギャランFTO。ボディーが軽量で速かったが、速さがたたり2回横転の末、廃車」
子「……やんちゃ、すぎる」父「次はスバルのレオーネ。アメリカの西海岸に行ったときに、スマートな四駆として人気だったのに感化された」
子「またミーハーなんだから」
父「その次が、思い出のいすゞのビッグホーンたい」
子「……流星群を見に行ったとき、小学生だった俺がサービスエリアに忘れられてヒッチハイクで帰ってきたことがあったね」
父「娘たちが成人してからは、通勤用にとミニクーパーとフォレスターを援助したが、正直に言おう。アレ、本当は俺が乗ってみたかった」
子「やっぱり!」