最北の宗谷岬からオホーツクラインへ…美しくも荒々しい海岸線をキャンピングカーで走る
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    2022.07.23

    最北の宗谷岬からオホーツクラインへ…美しくも荒々しい海岸線をキャンピングカーで走る

    キャンプ場イメージ

    キャンプ場での朝支度

    北海道キャンピングカーひとり旅。「北海道立宗谷ふれあい公園 オートキャンプ場」での朝です。昨日セイコーマートで買っておいたメロンパンで朝食とします。

    車中泊旅のとき「何を食べるか」は、かなり個性が出る部分です。自宅からなるべく食材や携帯食を持ってきて、簡単なものでも自炊すれば節約になりますね。

    私はというと、もともと料理が苦手なことと、面倒くさがりな性格からほぼ外食・中食です。それすらも面倒なときは過去記事のようにUber Eatsを頼むことも!

    その代わりミネラルウォーターと清涼飲料水は自宅から持参し、冷蔵庫に入れておきます。飲み物のためにコンビニへ立ち寄るとついつい浪費してしまうため、せめてもの抵抗です。

    キャンピングカー車内

    太陽が出ているうちにクルマの掃除も済ませます。狭い車内ですが、人が暮らすと驚くほどゴミやホコリがたまります。

    鳥の声だけが聞こえる清々しいフィールドで、あまりの居心地のよさに11時のチェックアウトまで滞在させていただきました。久しぶりに予定に追われないゆっくりした朝です。

    最北端、宗谷岬へ

    オホーツクライン

    いまにも雨が降り出しそうな空模様になってきましたが、宗谷岬に向けて出発します。オートキャンプ場からはクルマで30分ほど。天気はこれから下り坂です。

    宗谷岬

    道中にはいくつものビューポイントや記念碑などがあります。クルマだと一瞬で通過してしまうので、「何かある!」と気づいたときには手遅れなことが多いのが残念。ゆったり進む徒歩旅や自転車旅にかなわない部分です。

    宗谷岬

    ついにやってきました最果ての地、宗谷岬!

    クルマだったら札幌から一日ですから、大変な辛苦を味わって……ということではありませんが、それでも感動します。ずいぶん遠くまで来たなぁ……。

    宗谷岬

    一帯は海を望む公園になっていて、有名な「日本最北端の地の碑」や、探検家・間宮林蔵の立像があります。海から吹きつける風は冷たく、髪を逆立てるほどの勢いです。札幌の30度Cの暑さとはまったく違う世界。

    宗谷岬

    まだ観光シーズンには早いですが、それでも多くの人が入れかわり立ちかわり訪れます。観光タクシーや観光バスも何台か。

    安田石油店

    昭和レトロなお土産屋さんもいいですが、自動車ユーザーならぜひとも立ち寄りたい「安田石油店」!最北端のガソリンスタンドとして旅行ガイドブックにも登場する名所です。

    安田石油店の記念品

    給油すると素敵な記念品をいただけました。土産物として自分で購入したものよりも、何倍も何倍も嬉しいです。

    ※サービス内容は変更になる可能性があります。

    吹きつける寒風とオホーツクライン

    オホーツクライン

    ここからはオホーツク海側の「オホーツクライン」を南下していきます。北海道の左の海岸線を北上し、宗谷岬を頂点として、今度は右の海岸線を下りてくるイメージですね。

    北見神威岬公園

    走り出してほどなく、標識を見かけて「北見神威岬公園」というところに立ち寄りました。アイヌ語で「カムイ・エトゥ(神の岬)」と呼ばれる景勝地だそう。

    事前にルート上の見どころをチェックしておけばもっと効率がいいのですが、とても道中すべては調べきれません。スマートフォンで「何でも調べられる」時代ゆえ、逆に「調べても調べてもキリがない」という状態に陥りがちなように思います。

    「絶対に見たい」というスポットを除いては、予習せず偶然に任せるパターンも私は多いです。

    北見神威岬公園

    あ、チャシがありました!

    ただの丘にしか見えないですが、アイヌの人々が地形を利用して造った砦(祭祀場、見張り台)なんです。日本100名城めぐりをしているときに知ったのですが、同じ時代でも大和民族の城とはまったく異なる発想が興味深い。

    海の青さも素晴らしく、晴れていたらどれほど美しかったろうと思います。輝く海というと南国を想像しますが、寒冷地である北海道でも目の覚めるようなブルーによく出会います。

    自動販売機のドリンク

    気温13度Cで身震いするほど寒いのに、氷入りのアイスカフェラテを買ってしまうという痛恨のミスを犯しながらも(商品を選んでから温冷や味をタッチパネルで確定するハイテク自動販売機、難しいですよね?)どんどん先に進みます。

    オホーツク海

    車窓に広がるのはとにかく海。曇天のためか、あるいはオホーツクという名前がそう感じさせるのか、ねずみ色の空も海も寒々しい。

    カーナビゲーション画面

    分岐もほとんどなく、ナビに映るのが延々「みちなり」の表示だけという場面もたびたび。スケールが違う!

    「RVパーク えんがる町ホテルサンシャイン」

    RVパークえんがる町ホテルサンシャイン

    およそ4時間走って今日の終着点、紋別郡遠軽町に着きました。「RVパーク えんがる町ホテルサンシャイン」(1泊3300円)が目的地です。

    遠軽(えんがる)の地名もアイヌ語のインカルシ(近くの名所「瞰望岩」をさす言葉)にちなんでいるそう。北海道にいると、アイヌとの関わりを感じずに過ごすことはできません。

    RVパークえんがる町ホテルサンシャイン

    ホテル駐車場がRVパークで、ゴミ処理、電源使用料が込みになっています。

    地域の入浴施設はやや遠いので途中で入浴してくるか、1時間1000円(税込)でホテル客室のユニットバスの利用も可能。

    見たところ遠軽町は決して大きな町ではありませんが、ホテルのそばには複数のコンビニや「コープさっぽろプラザ店」があり便利な立地です。

    施設詳細

    • 名称:RVパーク えんがる町ホテルサンシャイン
    • 住所:北海道紋別郡遠軽町大通北1-1-1
    • 料金:1泊1台3300円(電源、ゴミ処理込み)
    • 台数:2台
    • 備考:1時間1000円(税込)でホテル客室のユニットバス利用可

    仕事はどうしている?

    パソコンイメージ

    ここ数日、頭を痛めていることがありました。私の職業であるライターは、ご想像のとおりパソコンがあれば世界中どこでも仕事ができます。ちょっとした文章ならスマートフォンで作成することさえ可能です。

    ところが、写真はそうはいきません。

    愛用するApple製品の最大の長所は、パソコン、スマートフォン、タブレットが自動的に同期して、シームレスに作業できるところ。

    たとえばiPhoneで撮影した写真を、iPadの写真修正アプリでレタッチし、MacBookでサーバーにアップロードするといったことが時間差なく可能。

    また、写真のクラウドバックアップも自動で行なわれるので、万が一スマートフォンを落とした、壊したという場合でも貴重なデータを失うことがありません。

    しかし、画像データのやりとりにはどうしても大容量対応の高速インターネット回線が必須。

    旅をしていると目に映るものすべてが珍しく、一日に数百枚の写真を撮影します。Wi-Fiが使えないと、あっというまに数千枚もの写真がアップロード待ちになってしまいます。

    旅も中盤にさしかかり、ここらで一度インターネットカフェに行かないとダメかなと思っていたのですが、大都市でないとなかなか店舗がありません。

    RVパークえんがる町ホテルサンシャイン

    困り果て、ふとRVパークの利用案内を見ると「ロビーではWi-Fi無料、ただし車中泊スペースまでは電波が届かないことをご容赦ください」の一文が!

    ロビーでパソコン作業をしてよいか尋ねると、ご快諾いただきました。まさに九死に一生を得た心境です。写真の整理整頓ができて心機一転。またたくさん撮影できます。

    本格イタリアンのディナー

    JR遠軽駅

    キャンプ場とは一転、せっかくの市街地なので少し通りを歩いてみます。JR遠軽駅周辺は実に素朴な雰囲気。朝夕に学生の送迎の車が駅に集まるのは、地方駅ならではの郷愁あふれる風景ですよね。

    早朝でも悪天候でも当然のように送り迎えをする親心、そしてそれを大きくなって地元を離れてから思い出す子ども心。夕暮れ時の空気も手伝って、しんみりと胸に沁みます。

    パスタ

    夕飯は駅前の「OSTERIA DELLA Miseria(オステリア デッラ ミゼリア)」でパスタを食べました。後で知りましたが、本格イタリアンレストランとして有名な人気店だそう。

    オーナーシェフがおひとりで調理しているそうで、提供に時間がかかることを丁寧に説明されました。店内は「それでもよい」というお客さんばかりで、ゆったりした時間が流れます。

    RVパークえんがる町ホテルサンシャイン

    再びぶらぶら歩いてホテルへ。駅近くのホテルとはいえ日が暮れると人通りはほとんどなく、駐車場に出入りするクルマもありません。静かに夜が更けていきます。

    私が書きました!
    フリーライター
    SAYA
    グルメ、トラベル、車中泊、クルーズなどの記事を執筆しているフリーライターです。バンコンタイプのキャンピングカーで全国を巡っています。太陽も昆虫も苦手なインドア派ですが、車中泊×観光の組み合わせに無限の可能性を体感中。車を拠点にした遊びの話題をお届けします。

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