「国立科学博物館」(東京・上野公園)では2022年7月16日から10月10日まで、「化石ハンター」と題した展覧会を開催している。今回は著名な化石ハンターであるロイ・チャップマン・アンドリュースの中央アジア探検から100周年を記念しての開催となるが、その100年の間に中央アジアで発見された最新の研究成果を、恐竜や史上最大の大型哺乳類などの標本を含めた貴重な資料を通して紹介。また氷河時代の大型哺乳類の放散・進化を示す「アウト・オブ・チベット」説に着目し、世界初公開となるチベットケサイの全身骨格復元標本と生体復元モデルの展示とともに解説する。
哺乳類の起源の謎に迫る!世界初公開の標本も要チェック
展示されるのはロイ・チャップマン・アンドリュースがゴビ砂漠で発見した恐竜の卵化石や、史上最大の陸生哺乳類「パラケラテリウム」。さらにこちらも史上最大の陸生肉食哺乳類となる「アンドリューサルクス」などの標本(複製)などだ。
また今回取り上げるアウト・オブ・チベット説とは、2011年に初めて中国の研究チームによって提唱された、氷河期時代の⼤型獣の起源に迫る新説。チベットケサイや、チベットユキヒョウ、プロトオービスなどの哺乳類が北極圏よりも先に寒冷環境となったチベット高原で寒冷な気候に適応できるよう進化した後、氷河時代にユーラシア大陸各地へ放散したとされる。
これは中国の研究チームがチベット高原で発見したケブカサイの一種の頭骨化石がきっかけとなっているが、後頭部の反りが弱いことなどの原始的な特徴がみられることから、原始的な新種として「チベットケサイ」と名付けられている。そのチベットサイは今回、世界初となる全身骨格復元標本と生体復元モデルが展示されることも話題だ。
さらに本展の監修者の日ごろの活動や「研究者になろうと思ったきっかけ」なども紹介している。次世代の化石ハンターを目指す子どもたちに向けたメッセージとなっているので、夏休みの自由研究などにもおすすめだ。
【開催概要】
ロイ・チャップマン・アンドリュースの中央アジア探検100周年記念
特別展「化石ハンター展 〜ゴビ砂漠の恐竜とヒマラヤの超大型獣〜」
会期:2022年7月16日(土)〜10月10日(月・祝)
※会期等は変更になる場合あり。
会場:国立科学博物館
住所:東京都台東区上野公園7-20
開館時間:9:00〜17:00 (8月5日(金)~14日(日)は9時~18時)
※入場は閉館時刻の30分前まで
休館日:9月5日(月)、12日(月)、20日(火)、26日(月)
入場料:一般・大学生 2,000円、小中高生 600円
※入場方法等の詳細は決定次第、公式サイト等にて告知。
※諸事情により、開館時間や休館日等は変更となる場合あり。最新情報は公式サイト等で確認。
TEL:050-5541-8600(ハローダイヤル)