燻製のハードルは意外と低い
「キャンプで燻製がしたい。でもなんだか面倒くさそう……」
そんな風に思っているキャンプ初心者の方は多いのではないでしょうか。わかります。なぜなら、過去の私もそうでした。
ですが、そんな面倒くさがりの皆さんに良い知らせがあります。
それは「燻製って、実は意外と簡単」ということ。しかもいまや燻製器は100円ショップで110円で手に入ります。
「110円の燻製器でちゃんと燻製できるの?」
そんな風に心配した読者の方もいるのではないでしょうか。わかります。なぜなら、3日前の私もそうでした。
ですが、そんな疑心暗鬼になっている皆さんにとても良い知らせがあります。
それは「実際に100円ショップの燻製器を使ってみたところ、ちゃんと燻製できました!」ということ。しかもそれは感動するほどの出来栄えでした。
この記事では、そんな面倒くさがりで心配性の初心者キャンパーの皆さんのために、110円燻製器の実力を徹底レポートしていこうと思います。
準備するもの
今回使うのは、100円ショップキャンドゥで売られているダンボール燻製器(110円)です。
この燻製器の他に、別途以下の道具が必要になります。
- 焼き網:27 × 27cm以下
- 割り箸等の支え棒:4本
- スモークウッド
- 着火器具
- アルミ皿
- 耐熱性の板や焚き火シート
- 重石
ここに挙げた消耗品もふくめて費用を概算すると、焼き網とアルミ皿を100円ショップで買って220円、スモークウッドをホームセンターで買って220円、燻製器と合わせて合計すると550円程度といったところでしょうか。
今回は、焼き網はキャンプで繰り返し使っているものを使用、アルミ皿はメスティンのフタにアルミホイルを巻いたもので代用したので、かかった費用は燻製器も含めて330円でした。
注意点としては、今回紹介するダンボール燻製器はスモークウッド専用のため、燻煙材にはスモークチップではなくスモークウッドが必要だということ。
スモークチップは煙を出すのにバーナーで加熱し続けなければなりませんが、スモークウッドはいったん着火させれはその後は単体で煙を出し続けてくれます。
また、スモークウッドを着火させるにはある程度の火力が必要です。ライターでは火力不足で、ガスバーナーやガストーチを用意する必要がある、ということは基礎知識として頭に入れておきましょう。
いざ燻製
燻製には2〜3時間程度かかるので、開始時間は夕食の時間から逆算して計画的に決めましょう。
組み立て
まずは、折りたたまれているダンボールを説明書に従い組み立てます。このあと、燻製器の中心に着火したスモークウッドを置くことになるので、地面保護のために焚き火シートを敷いておきましょう。
次に燻製器の壁面にあたる場所にあらかじめ穴があいているので、そこに割り箸などの棒を差し込みます。
続いて、棒の上に焼き網をのせます。
地面に接している部分のダンボールに重石をのせて、燻製器を固定します。
食材の準備
続いて、焼き網に食材をのせていきます。
このとき、表面が濡れている食材は燻製前にしっかりと水気を拭ってやるのがポイント。水分が残ったまま燻製すると、出来上がったときかなり酸っぱい味がついてしまいます。燻煙中には酢酸をはじめとする有機酸が含まれており、これが表面の水分に溶け込んでしまうのが原因です。
チーズは熱で溶けてしまうので、アルミの包みにのせた状態で網にのせます。
食材のセット完了です。上から、ポテトチップス、6Pチーズ、家で作り置きしてあったローストポーク、味玉、市販ベーコン。
着火
スモークウッドをバーナーやトーチで炙って、火を着けます。ここでしっかりと火を着けないと燻製中に立ち消えしてしまうので注意。側面全体からしっかりと煙が出るまでよく炙ります。
スモークウッドが着火できたらアルミ皿などにのせて、側面の開閉口から燻製器の内部に静置します。アルミ皿にのせる際には、スモークウッドが皿の底面と密着しないよう、小さめの網などをのせて浮かせてやるようにしましょう。そうすると、立ち消えしにくくなります。
燻製
あとは開閉口と天井部をしっかりしめて、スモークウッドが燃え尽きるまで燻製します。
燻製器の上部からは意外と煙が漏れていたので、もっとしっかり煙を閉じ込めたい方はガムテープなどで密閉度を高めてもいいかもしれません(今回はそのような処置は行なっていません)。
余裕があれば、中のスモークウッドが立ち消えしてないか定期的に確認してみてください(意外と消えている事が多いです)。
スモークウッドが燃えるには酸素が必要です。何度も立ち消えてしまう場合は、開閉口を少し開けるなどして空気の流れを見直すことで解決するかもしれません。
完成
2時間半後、ようやくスモークウッドが燃え尽きました。
仕上がりが楽しみです。イイ焼き色がついて、美味しく出来ているといいのですが。
期待を胸に、燻製器を開けてみたところ……!
おお!暗くてよくわからない!
時刻は夕飯どき、燻製している間にあたりはすっかり暗くなってしまっていました。
鈴虫と腹の虫の鳴き声を聞きながら、燻製器の中をライトで照らします。
ローストポーク、チーズ、卵は燻製らしい色味がしっかり付いていました。おいしそう。
卵はひっくり返すとさらにいい色でした。すごくおいしそう。
ダンボールの燻製器でもしっかり燻製できましたね。味も最高に美味しかったです(チーズは熱で柔らかくなっているので、冷めてから食べるのがおすすめです)。
燻製器を活用して一味違ったキャンプ飯を味わおう
燻製はやはり特別感があって、出来上がったときも食べるときもかなり胸が高鳴りました。
110円の燻製器でこんなに感動できるのは、コストパフォーマンスとしては最高レベルです。
友人たちや家族とのキャンプで使えばきっと盛り上がりますので、ぜひ試してみてください。