車中泊時のインフレーターマットは何センチ厚が最適解?キャンピングカーでテスト!
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    マット

    2022.08.06

    車中泊時のインフレーターマットは何センチ厚が最適解?キャンピングカーでテスト!

    インフレーターマット

    キャンプの定番アイテム「インフレーターマット」

    コンパクトに持ち運びでき、使用時には空気が入って膨らむインフレーターマット(インフレータブルマット)。就寝時の地面の凹凸を吸収し、底冷えを防いでくれるテントキャンプ定番アイテムですが、私はキャンピングカーの車内で使っています。

    キャンピングカーで使うには、どんな製品が向いているでしょうか。

    スペースの限られた車内。高機能な製品や、大判の製品が適しているとは限りません。厚さはどれくらいがよいでしょうか。折りたたみ式マットなど、クローズドセルの製品と比較すると使い勝手はどうでしょうか。

    「キャンパーインフレーターマット/WセットⅡ」

    インフレーターマット収納時

    私が愛用しているのはコールマンの「キャンパーインフレーターマット/WセットⅡ」(通常価格:税込1万7800円)。広げたときのサイズは幅63cm×長さ195cm×厚さ5cm、2枚組の定番商品です。

    インフレーターマット収納時

    購入時は空気が完全に抜かれてロール状に収納されていますが、その状態でも直径20cm、長さ70cmと結構な大きさがあります。意外にかさばるので、もとからオートキャンプ前提と言えるでしょう。

    インフレーターマットのバルブ

    バルブを開けると自動で空気が入るセルフインフレーター式。

    インフレーターマット連結時

    初回はだいぶ時間がかかりましたが、一度満タンにすると以降はスムーズに空気が入るようになりました。膨らみが足りない場合は、収納バッグをポンプのように使うこともできるそう。

    空気を最大まで入れるとかなりの弾力が生まれ、フカフカの寝心地です。体重にもよるでしょうが、女性の私の場合は身体が床につく感覚はまったくありません。

    インフレーターマット外箱

    使用後には丸めながら押しつぶし、収納バックに収めます。キャンピングカーでは一度広げるとそのままのことが多いですが、展開・収納を繰り返すのが一般的な使い方と言えるでしょう。

    インフレーターマットのスナップ

    複数枚をスナップで連結可能。1枚ならソロ用として、2枚ならファミリー用としてアレンジできます。後述しますが、この柔軟な仕様がキャンピングカーには欠かせないのです。

    キャンピングカーでの活用例

    常設ベッドイメージ

    キャブコンの常設ベッドのイメージ。

    大型のキャブコン(トラックなどのキャブオーバー車に、シェルと呼ばれる居住空間を架装したキャンピングカー)に搭載されている常設ベッドは、スプリング内蔵のマットレスなど、家庭用製品と遜色ない仕様になっていることも多いでしょう。

    シートアレンジ・イメージ

    バンコンのシートのイメージ。

    けれどバンコン(バンの内部を改造したキャンピングカー)のフロアベッドの場合、走行時はシートとして使う部分を展開してベッドにします。

    運転席や助手席が顕著ですが、「座り心地」を追求したシートほど身体に合わせたカーブが多くなります。リクライニングしても完全には平坦にならず、ベッドとしては使いにくい。

    もとから就寝を前提に作られたキャンピングカーでも、シート同士の接合部や可動部など、多少の凹凸ができることが一般的です。

    ベンチシート・イメージ

    私のクルマで採用されている「横向きベンチシート」はかなりフラットですが、それでも家庭用ベッドの寝心地とはほど遠いです。多少のクッション性はあるものの、シートアレンジを前提としているので作り込みにも限界が。

    シート下の収納庫にアクセスしたり、ベッドを組み替えたりするためにはある程度の軽さや薄さを維持していなければなりません。触ってみると「一枚の板」という感触です。

    ウレタン入りマット

    少しでも寝やすくなるよう、過去にはホームセンターなどで売られているウレタン入りラグを敷きつめていたこともあります。モコモコの感触が心地よいですが、夏には暑い!

    そこでインフレーターマットの登場です。

    多くの場合、キャンピングカーのベッドは完全な長方形ではありません。枕元と足元で幅が違ったり、ホイールハウスが室内に干渉しているなどいろいろな形があるはずです。

    インフレーターマット

    そのため2枚のマットをずらして配置できることや、少し空気を抜いて変形部分にフィットさせられることがとても大事。

    インフレーターマット

    同製品は長さ195cmもあり、私のクルマのベッドより大きいのですが、空気量を調整することで多少の凹凸は吸収してくれます。(メーカー推奨の使い方ではありません。折り曲げた部分の耐久性などに十分ご注意ください)

    インフレーターマット

    素材はツルツルのポリエステル。そのままでは滑りやすく危険なので、滑り止めを挟むか、寝具で包み込んで固定してしまうのがおすすめです。

    ところで、インフレーターマットにはいろいろな厚さがあります。同じコールマンのラインナップにも10cm厚の製品があるほか、エアーベッドまで選択肢に入れると20cm厚のものまであります。

    厚みのある大型製品ほど快適性が増すのは明らか。クルマで使う前提なら収納時のサイズや携帯性もさほど気にしなくてよいでしょう。

    ところが、バンコンの場合は事情が少々異なります。

    キャンピングカー車内イメージ

    もとから座高ギリギリに作られたシート。私のクルマも、座った状態でちょっと背伸びをすれば頭が天井につくほど。

    設計時には数センチ単位で室内高の確保に苦心するくらいなので、マットの厚みで天井が近くなっては本末転倒です。とくに「室内で座って過ごす」ことの多いキャンピングカーでは、厚みは5cmが限界だろうと判断しています。

    いわゆる「車中泊仕様車」のように、横になったらその体勢から動かないクルマの場合は、もう少し厚いものでもいいかもしれません。

    インフレーターマット

    インフレーターマットは芯材のぶん収納時も一定のかさがあり、また展開・収納の手間もありますが、快適性は抜群。おかげで自宅のベッドに近い使用感になりました。1か月ほどの長期旅でもホテルなどでリフレッシュする必要はなく、身体が痛くなることもありませんでした。

    短所といえば、空気が徐々に抜けていくので定期的に補充が必要なこと。素材由来の「ガサガサ音」があること。後述する「膨らませたときの取り扱い」が少し大変なことくらいでしょうか。

    以上のことから、私の考えるキャンピングカーでの就寝マット選びのポイントは次のとおりです。

    • 大前提として、設置予定の場所に収まる全長・全幅であること
    • クルマの複雑な形状に対応できる応用性や柔軟性があること
    • 天井高に影響しない範囲内でもっとも厚い製品であること

    普通車で使うなら?

    運転席

    ベッドではない場所での使い勝手はどうでしょうか。普通車での車中泊は、いかにシートの凹凸を埋めるかが安眠のポイントだと言われます。

    インフレーターマット

    空気をいっぱいに入れると立てかけられるほど張りがある。

    丈夫でしっかりした作りのこの製品。空気をパンパンに入れた状態だと、かなりの「張り」があります。ちょうどサーフボードを抱えて歩く様子を想像していただけるといいでしょう。風にもあおられやすく、持ち運びがしやすい形状とは言えません。

    インフレーターマット使用イメージ

    その状態で、狭い車内にフィットさせるのはなかなか大変。全員が一度車外に出るなどして上手く設置できれば、かなりのクッション性を発揮して快適ですが、膨らむまで待つ時間もあります。上に乗った人が滑りやすいという特徴もあります。

    インフレーターマットは、ある程度広いところで展開したり、空気を抜いて収納したり、ということができる場合におすすめです。私は臨時の寝場所を作りたいときなど、自宅で使ったりもしています。

    駐車場などでシートにさっと広げて使うなら、折りたためるクローズドセルのマットのほうが取り回しがいいでしょう。

    インフレーターマット使用イメージ

    その他、普通車での車中泊に特化した「すきまクッション」「段差解消クッション」などの商品も市販されています。ぜひ用途に合ったものを探してみてください。

    コールマン
    コールマン(Coleman) キャンパーインフレーターマット ダブルセットII

    サイズ 約63×195×5(h)cm/1枚
    材質 ポリエステル^ポリウレタンフォーム
    ブランド コールマン(Coleman)
    商品の寸法 195L x 63W x 5T cm
    商品の重量 3.5 キログラム


    私が書きました!
    フリーライター
    SAYA
    グルメ、トラベル、車中泊、クルーズなどの記事を執筆しているフリーライターです。バンコンタイプのキャンピングカーで全国を巡っています。太陽も昆虫も苦手なインドア派ですが、車中泊×観光の組み合わせに無限の可能性を体感中。車を拠点にした遊びの話題をお届けします。

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