選択肢が豊富なスポーツ自転車のなかから、お気に入りの一台を選ぶヒントは?
スポーツ自転車選びで大切なことは、「どんな用途で使いたいか?」を明確にすること。
例えばオフロードを走りたければ、マウンテンバイクや話題のグラベルバイクが有力候補となる。ひたすらスピードを求めるならロードバイクがぴったりだ。通勤やご近所散策を楽々こなしたいなら、Eバイクという選択肢もある。
スポーツ自転車のいいところは、自分が使いたい用途にあったモデルが、様々なメーカーから豊富にリリースされていること。ただし、今の時代、コロナ禍による世界的な生産体制の乱れの影響を自転車業界も受けていて、欲しい車種がすぐに買えるとは限らない。いくつかの選択肢を用意して、優先順位をつけ、在庫があるものを買うというのも今どきの消費スタイルかもしれない。
ミニベロとは?
今回は、数あるスポーツ自転車のなかでも、小気味よい走りが楽しめて、通勤、通学、ご近所散策やツーリング、さらには輪行などにも使えるミニベロを紹介する。
「ミニベロ」とは、ホイールが小さい「小径車」の総称。一般に、車輪の径が20インチ以下の自転車をミニベロと呼ぶ。メーカーによっては、24インチ以下と定義しているケースもある。
ミニベロの魅力は、ロードバイクなどの大径のスポーツ自転車よりも車輪が小さい分だけ、こぎ出しが軽く、小回りが利くこと。信号待ちからのスタートを繰り返す都市内の移動や、寄り道が楽しい城下町巡りなどで、小径車ゆえの威力を発揮する。
逆にタイヤが小さいと、たくさんこがないと進まないとか、遅そうなイメージがあるかもしれない。しかし、ホイールベースがある程度長く、タイヤが細いミニベロなら、ロードバイクに迫る高速走行が可能なものもある。
さらに、タイヤが小さいことで見た目がキュートになるのも、ミニベロならではの魅力かもしれない。
ミニベロをさらに分類してみた
ミニベロは、走行性能とは別の特徴でも大きく3種類に分類することができる。
- パーツを外すことなく簡単に折りたためるフォールディングバイク
- フォールディングバイクほど簡単にコンパクトにはならないけれど、ハンドルだけがたためる、一部のパーツが着脱できるなど輪行や車載がしやすい工夫がある
- 折りたたむことを考えていない普通のミニベロ
ミニベロを選ぶときには、「たためる性能」「走行性能」「価格」「スタイル」のどこを重視するかで最適なモデルが変わってくる。
ファーム・ミニベロ試乗会で気になったミニベロ7選
今回は、2022年4月に岡山県笠岡市で開催された「ファーム・ミニベロ試乗会」で気になった7モデルを紹介しよう。
1.パシフィックサイクルズ/バーディー・ツーリング
内装3段と外装8段の変速システムを組み合わせることで、ロングツーリングも快適にこなせる魅力的な1台。剛性感の高いアルミモノコックフレームの前後にサスペンションを搭載し、キレのいいスポーティーな走りと、適度な振動吸収性を両立する。
- 価格:341,000円
- タイヤサイズ:18×2インチ
- 折りたたみサイズ:34×60×72cm
- 重量:11.0kg
- 問い合わせ:ファビタ・パシフィックサイクルズジャパン事業部
2.ストライダ/マルチカム
イギリスのプロダクトデザイナー、マーク・サンダース氏が80年代にデザインしたフォールディングバイク。三角形のフレームと、ホイールを車軸の片側だけで支える「片持ち」の機構が特徴。フレームの底辺を切り離し、前後輪をピタッと組み合わせることで、きれいに折りたためる。
- 価格:169,400円
- タイヤサイズ:16×1.75インチ
- 折りたたみサイズ:約114×72×36cm
- 重量:10.8kg
- 問い合わせ:GSジャパン
3.タルタルーガ/タイプ・フォールディングver.1.7
プロダクトデザイナー、吉松尚孝氏が手がけるタルタルーガ。そのファーストモデルとして2001年にリリースされたのが、このタイプフォールディングというモデルだ。大きな背もたれが装備されたシートに座り、高い位置にセットされたハンドルを握り、大空を眺めながらサイクリングができるご機嫌な乗り物。リアサスペンションを搭載し、乗り心地もよし。折りたたみは、フレーム中央のレバー解除と、ハンドルの折りたたみ、そして、サドルを外すだけ。折りたたまれた状態から、組み立てる姿はまるでトランスフォーマーのよう。初期型から、細部のバージョンアップを繰り返し、走行性能を向上している。
- 価格:231,000円
- タイヤサイズ:18×1.5インチ
- 折りたたみサイズ:97×76×35cm
- 重量:13.3kg
- 問い合わせ:タルタルーガエンターテイメントワークス
4.ブロンプトン/Cライン・レギュラーカラー・アーバン
16インチの小径ホイールながら、ホイールベースを長く設計することで、ロングライドも快適にこなせるスポーティーな走りを実現。後輪をメインフレーム下に格納し、フレーム前部とハンドル下を折りたたむ独特の機構で、驚くほどコンパクトになる。スチール製のフレームが、どこかクラシックで落ち着きのある雰囲気を醸し出す。ブロンプトンは、ハンドル形状、変速機、フェンダーとラックの有無など、チョイスの幅が広く、自分の好みにあった仕様を選択できる。
- 価格:220,000円
- タイヤサイズ:16×1.35インチ
- 折りたたみサイズ:58.5×56.5×27cm
- 重量:11.15kg
- 問い合わせ:ブロンプトンジャパン
5.アラヤ/マディフォックス・コンパクト
こちらは、アルミフレーム&フォークの20インチ・ミニベロで、フォールディングができないタイプ。ギア比の幅が広く実用性が高い8段変速のほか、シンプルなフェンダーやダブルアームのセンタースタンドを搭載。サドルやペダルなどのパーツも実用性が高いものをセレクトし、長く快適に乗れるよう工夫されている。価格的にも魅力的な小径クロスバイクだ。
- 価格:86,900円
- タイヤサイズ:16×1-3/8インチ
- 重量:10.9kg
- 問い合わせ:新家工業
6.KHS/P-20RC
ペダルを踏んだ瞬間にサーッと気持ちよく進む加速感がたまらない、「ロングライド」をテーマにデザインされたクロモリフレームのミニベロ。フロント2×リア11の22段変速を搭載。20×1-1/8インチという細身のタイヤと組みあわせることで、スピーディーかつ、厳しい標高差にも対応した走りを楽しめる。フォールディングではないが、工具を使わずにハンドル、前輪、サドルを取り外せるので、かなりコンパクトに収納できる。
- 価格:264,000円
- タイヤサイズ:20×1-1/8インチ
- 折りたたみサイズ:121×61×24cm
- 重量:10.2kg
- 問い合わせ:ケイ・エイチ・エス・ジャパン
7.ダホン/K3
ミニベロとフォールディングバイクのスペシャリティブランド『ダホン』のなかでも、もっとも径の小さなホイールを搭載したコンパクトバイク。タイヤサイズは、14インチ。外装3段変速を搭載しながら、重量わずか7.8kgと軽量に仕上げている。フレーム、ハンドル、サドルの3か所のレバー操作とペダルをたたむことで、瞬時にコンパクトに折りたためる。場所を取らないので、クルマのラゲッジルームに入れて、旅先の城下町や港町を散策するような楽しみ方に向いている。
- 価格:99,880円
- タイヤサイズ:14×1.35インチ
- 折りたたみサイズ:65×59×28cm
- 重量:7.8kg
- 問い合わせ:アキボウ
価格やスタイリング、機能性も個性的なものばかり。日常的なアーバンライドから、旅先での移動まで、ミニベロがある素敵な生活を楽しもう。
※表示価格、仕様、問い合わせ先は、2022年7月末現在の情報です。予告なく変更になる場合もありますので、最新情報は各ブランドのWEBサイトでご確認ください。