流星群シーズンもクライマックス! ペルセウス座流星群のピーク
夏は流星群が数多く見られる季節。そのクライマックスともいえるペルセウス座流星群ですが、今年はほぼ満月の月が近くにあり、観測条件はかなり悪いです。町明かりから離れた場所で、1時間に10個、流れればよし。多くは期待できませんが、それでも夏の風物詩として、ペルセウス座流星群の夜を楽しんでいただきたいと思います。
8月13日にピークを迎えるので、12日の夜から13日未明にかけてが見頃になります。薄明が始まるのが3時24分なので、13日の3時頃がベストでしょう。放射点がかなり天高く昇りますので、月明かりがあるとはいえ、流星が見られる可能性は増します。月明かりに負けない流星が出現することを願いながら空を見上げたいと思います。
真夏の夜に見つけたい! へびつかい座の頭のラスアルハゲ
というわけで、今年のペルセウス座流星群はあまりいい条件ではありませんが、ピークの前後にも、ちらほら流星はあります。星の観察をしているだけで流れ星が見られるチャンスは、この時期高いと言えるでしょう。
今回は、そんな夏の夜に見つけてほしい、知名度は低いけれども味のある星座をご紹介します。
はじめに、へびつかい座。8月上旬、さそり座の上の、ぽっかり空いているところに、蛇をつかんでいるおじさんがへびつかい座です。
さそり座の1等星アンタレスを見つけ、そこから上のほうにずーっと線を延ばしていくと、へびつかい座の頭の星にぶつかります。2等星の「ラスアルハゲ」という名の星です。アラビア語でラスが「頭」、ハゲ(本来の形は「ハッワー」)はへびつかいという意味で、まさに「へびつかいの頭」。星図によると、へびつかいのおじさんの頭はフサフサなのに「ハゲ」ということで、ネタにされる星ナンバー1です。天文ファン全体での知名度がどうかはわかりませんが、中学高校の天文部では話題になりやすく、しっかり覚えてしまう人が多いのではないでしょうか。少なくとも私はそうでした。
へびつかい座の主な星は2等星と3等星だけなので、大きさのわりに地味な星座です。おもしろいのは、へびつかい座はいわゆる黄道十二星座ではないのですが、黄道上にかなり足を踏み入れています。その一方で、黄道十二星座であるさそり座は、ほんの一部だけ、1週間くらしか黄道上にいません。黄道を定めた時に、星座領域の境界は現在のように厳密でなかったこともあり、十二星座のステイタスはさそり座に。
そのさそりの頭を踏んづけているへびつかいのおじさんは、ギリシア神話では、名医として登場します。腕が立ちすぎて、死人を生き返らせてしまったことが神の怒りを買い、雷を落とされて殺される……そして天に上げられたのです。蛇をつかんでいるのは蛇が医術のシンボルだったからといわれています。
マニアックな人気もの「いるか座」
地味な星座なのに、天文ファンの間でマニアックな人気を誇るのが、いるか座です。
4つの4等星が、小さいながら均整の取れた菱形を象っています。小さくても4つ集まっていることで、案外見つけやすい星座です。なぜこの形がいるかなのかと不思議に思われるかもしれませんが、ギリシア神話に登場するイルカ由来の、古くからある星座です。キャンプなどで町明かりから離れた夜に、アルタイルの西側を探してみてください。町中では姿を見せないいるかの、愛らしい姿を発見できるでしょう。
構成/佐藤恵菜