三菱×トヨタ×日産 SUVの王者はどれか?
ここのところ世界的に人気のSUVだが、街乗りはもちろん、アウトドアフィールドでも頼りになる一台はどれなのか?
ビーパルスタッフ3人衆(山本・小森・沢木)が、「三菱/アウトランダー」「トヨタ/ランドクルーザープラド」「日産/エクストレイル」でテストドライブしてきました!
【PHEV搭載SUV代表】
●三菱/アウトランダーPHEV Gプレミアム パッケージ
サイズ 全長4,695×全幅1,800×全高1,710㎜
最低地上高 190㎜
最小回転半径 5.3m
車両重量 1,880㎏
乗車定員 5名
エンジン 直列4気筒DOHC+モーター(総排気量1,998cc)
最高出力 118ps/4,500rpm
燃料種類 レギュラーガソリン
燃費(JC08モード)20.0㎞/ℓ※ハイブリッド燃料消費率
価格 ¥4,250,000
大容量の蓄電池を搭載し、家庭の電源(200Vで満充電まで約4時間)や公共の急速充電システム(30分で80%充電)から充電ができる。充電電力を使いモーターだけで60.2㎞の走行が可能だ。
【クリーンディーゼル搭載SUV代表】
トヨタ/ランドクルーザープラドTZ-G
サイズ 全長4,760×全幅1,885×全高1,835㎜
最低地上高 220㎜
最小回転半径 5.8m
車両重量 2,300㎏
乗車定員 7名
エンジン 直列4気筒DOHC直噴ターボ(総排気量2,754cc)
最高出力 177ps/3,400rpm
燃料種類 軽油
燃費(JC08モード)11.2㎞/ℓ
価格 ¥4,753,636
コモンレール式燃料噴射システムやインタークーラーターボを搭載し、分厚いトルクと同クラスのガソリン車並みの最高出力を実現。尿素を使った排気ガス浄化システムを採用し、厳しい排ガス規制をクリアした。
【ハイブリッド搭載SUV代表】
●日産/エクストレイル 20Xハイブリッド
サイズ 全長4,640×全幅1,820×全高1,715㎜
最低地上高 195㎜
最小回転半径 5.6m
車両重量 1,630㎏
乗車定員 5名
エンジン 直列4気筒DOHC+モーター(総排気量1,997cc)
最高出力 147ps/6,000rpm
燃料種類 レギュラーガソリン
燃費(JC08モード)20.0㎞/ℓ
価格 ¥2,788,000
パワフルな直噴エンジンにモーターを搭載することで、システム総合最高出力は188psに及ぶ。2WD、オート、4WDの切り替え操作ができるオールモード4×4や、エマージェンシーブレーキを搭載。
「走りの高級感」では、PHEVが一歩リード! 運転が楽しいのは……?
アウトランダーは、電気自動車とハイブリッド(ガソリン+モーター)の両方の性能を併せ持ち、短距離なら電気自動車のように、モーターだけで走れるプラグインハイブリッド(PHEV)。ランドクルーザープラドは、日本でも人気急上昇中のクリーンディーゼル。そして、エクストレイルは、前モデルのクリーンディーゼルから方向転換し、ハイブリッドエンジンを新たに搭載。もはやハイエンドクラスのSUVといえども、低燃費や環境性能の向上は必須。最新技術を投入した3台で、東京⇔富士山麓の朝霧高原間で実走した!
沢木 これだけ違うエンジンを積んだSUVがあると、どれを買うか考えただけでワクワクしますよ。
小森 外見がいかにもエコカー風じゃなく、堂々としたSUVで環境性能が高いところに好感が持てる!
山本 この3台は、甲乙付けがたいくらいよく走り、高級感もありますね。
沢木 走りの高級感っていう意味では、アウトランダーとプラドが一歩リード。PHEVは、短距離ならモーターだけで走行できるから静かなのは当然ですね。でも、エンジンとモーターを併用した通常走行でも静か。快適な乗り心地でパワフルな走り、安定したサスペンションフィーリングとバランスはピカイチ。
小森 プラドは、価格相応にシート調整や4WDの切り替えなど、電気で操作するギミックを満載して超豪華。走りは重厚でパワフルだけど、ガソリン車と比較すると静粛性は少しだけ劣りますね。
山本 たしかにその2台はゴージャス。でも道具として使うには、エクストレイルが魅力的だなぁ。シフト操作も昔ながらで、Dレンジからスイッチを押すだけでシンプルに1速落とせる。アウトランダーの家電品のスイッチ的なシフトレバーより、こういった機械式のもののほうが僕は安心できるんだよね。
沢木 僕は未来的で楽しめました。時代の先端を行ってる気分になれる!
小森 ハンドリングを楽しむならアウトランダー。休日にスノボのようなスポーツをガンガン楽しむなら気軽なエクストレイル、いつか成功したらプラドですね。
荷物がいちばん積めるSUVはどれだ!?
沢木 さすがに、このクラスになると、全車、用意した2人分のキャンプ道具一式が余裕で入りますね。
山本 アウトランダーは、荷室左隅にスピーカーがあるから床面の幅が少しだけ狭いけれど、ほかは130㎝以上あるので効率よく積める。
小森 プラドは3列シートだけど、サードシートが床面にきっちり格納できるから問題なし。電動操作の必要はない気もするけど……。
沢木 セカンドシートはアウトランダーだけ、シートクッションを持ち上げてから背もたれを倒すタイプ。ほかは、背もたれを倒すだけでOK。
山本 奥行きはアウトランダーが173㎝、プラドが168㎝(床面)、エクストレイルが149㎝(床面)。エクトレイルとプラドは、1列目のシート背面までの空間があるから、実際にはさらに25㎝以上奥行きを稼げる!
沢木 どれもよく積めるし、車中泊もラクにできちゃう。このクラスは、なんでも来いと余裕の持てる遊びグルマですね。遊びの幅自体が広がりそうです!
●アウトランダー
●ランドクルーザー プラド
●エクストレイル
実燃費がいい車はどれだ?
東京⇔富士山麓の朝霧高原間で実走し、実燃費を調査! 往復走行距離300㎞以上、標高差約1000mの実走をへて、実燃費グランプリに輝いたのは……?
沢木 一番安いエクストレイルが約300万円。アウトランダーが+約160万円で、プラドがさらに+約50万円。価格差は大きいけど、サイズ的には似たクラスになります。
山本 価格差は、エンジンというよりも快適装備や走破性に対する考え方の違い。とくにプラドは、世界の過酷な土地で長年使われる特別な車種。4WDのシステムから、全体の耐久性まで別次元の設計が施されてる。プラドがないと生活できない地域も世界にはたくさんあるからね。
小森 待ち望まれたディーゼルは、ガソリン仕様より高いけどメチャ売れてるとか。やっぱり、憧れの一台だなぁ。
沢木 PHEVは、一戸建てに暮らして専用電源を確保できて、往復60㎞の近距離を通勤するような人には目からうろこだろうね。電気代は少々かかっても、ガソリンを使わず移動できるんだから!
小森 荷室は広いし、運転してもスポーティーで楽しい。そのうえ、電気だけでも走れちゃう未来感がたまらない。
沢木 給電できるから、キャンプの楽しみ方も広がる。こたつの導入とか。
山本 最近よく見かける公共の急速充電器を上手に利用して、ガソリンを節約する知的な楽しみ方もあるし。
沢木 エクストレイルは、ガソリン仕様との価格差が23 万円くらい。実走燃費では12・37㎞/ℓと振るわなかったけど、公表値では燃費の差が4・4㎞/ℓ。頻繁に遊びに行くなら、この価格差はすぐに埋められるだろうね。
山本 ハイブリッドは、とくに意識せず普通のガソリン車と同じ感覚で乗れる。特別感は少ないけど、買いやすい価格で低燃費が一番、という人には現実的な選択肢でしょ!
小森 ルーフレールが付いているから、スノーボードをルーフに積むにもいい。荷室も広いし、やはり本気で遊ぶ人には鉄板ですよ。
山本 旧モデルに設定されていたクリーンディーゼルもおもしろかったけど、ハイブリッドにすることで価格をグッと下げて、買いやすくしたところがニクイ。
沢木 今回比較した3台は、低燃費はもちろん、アウトドアの遊びだけでなく、ライフスタイルを豊かにしてくれる。そのポテンシャルとメーカーの志に感動しました!
300㎞以上走った結果発表、実燃費は?
●実燃費1位=アウトランダー
走行距離 390.0㎞
給油量 28.59ℓ
平均燃費 13.64㎞/ℓ
1kmあたりのコスト ¥9.65
●実燃費2位=エクストレイル
走行距離 405.6㎞
給油量 32.79ℓ
平均燃費 12.37㎞/ℓ
1kmあたりのコスト ¥10.64
●実燃費3位=ランドクルーザー プラド
走行距離 336.4㎞
給油量 36.07ℓ
平均燃費 9.33㎞/ℓ
1kmあたりのコスト ¥11.87
※レギュラー1ℓ131.6円、軽油1ℓ110.7円で計算。
◎構成/櫻井 香 ◎撮影/小倉雄一郎