1~2名で軽くキャンプに行くような方にピッタリであろう、小さめのSUV3台をピックアップ。ビーパルスタッフ3人衆(山本・小森・沢木)が、3台でドライブに出かけて徹底調査してきました!
ホンダ/ヴェゼル
ハイブリッドX・Lパッケージ
サイズ 全長4,295×全幅1,770×全高1,605㎜
最低地上高 170㎜
最小回転半径 5.3m
車両重量 1,380㎏
乗車定員 5名
エンジン 直列4気筒DOHC+モーター(総排気量1,496cc)
最高出力 132ps/6,600rpm
燃料種類 レギュラーガソリン
燃費(JC08モード)21.6km/ℓ
価格 ¥2,542,593
マツダ/ CX-3
XD ツーリング
サイズ 全長4,275×全幅1,765×全高1,550㎜
最低地上高 160㎜
最小回転半径 5.3m
車両重量 1,260㎏
乗車定員 5名
エンジン 直列4気筒DOHC直噴ターボディーゼル(総排気量1,498cc)
最高出力 105ps/4,000rpm
燃料種類 軽油
燃費(JC08モード)23.0km/ℓ
価格 ¥2,400,000
MINI /ミニ クーパー
SD クロスオーバー
サイズ 全長4,120×全幅1,790×全高1,550㎜
最低地上高 未発表
最小回転半径 5.8m
車両重量 1,420㎏
乗車定員 5名
エンジン 直列4気筒DOHCターボディーゼル(総排気量1,995cc)
最高出力 143ps/4,000rpm
燃料種類 軽油
燃費(JC08モード)16.6km/ℓ
価格 ¥3,583,334
荷室にキャンプ道具を積めるか?
沢木 こうやって3台を並べて、荷室を比較すると一目瞭然だ〜!
小森 ボディーサイズはそんなに変わらないのに、使い勝手には大きな差がある。
山本 「CX-3」は、荷室床面が高くて全体に狭い感じ。荷室は実測値で、幅が3台中、いちばん狭い100㎝。奥行きは「ミニ」の次に短い69㎝。高さはリアシートを倒した状態で64~73㎝。荷室内の高さがないのが痛い。美しいカーブで構成されたデザインは魅力的だけど、自転車を積みたい僕にはしんどいかもね。それに三車三様に個性がある。実際に選ぶときには迷いそうですね。
CX-3/後部席をひとつ倒して積んでみた
ミニ クーパー/アームレストを倒して積んでみた
ヴェゼル/シートたたまず余裕で収納できました!
沢木 たしかに大きな遊び道具を積むのは厳しそうだけど、カップルキャンプとかトレッキングならこれでも十分!
小森 僕は「ミニ」の荷室が意外と広くて驚いた。トノカバーまでの高さが45㎝もあるのは、ナント3台中いちばん。荷室内の高さは70~80㎝もある。十分実用的かと。
山本 床下収納にツーバーナーストーブがきっちり入るし、3分割して倒せるリアシートは中央のアームレストだけを倒せるのも注目。4人乗車の状態で、アームレストだけ倒せば、釣竿みたいに長い物を積めるのは画期的。遊ぶことを考え抜いたクルマって感じがする。
沢木 でも、いちばんの驚きは「ヴェゼル」の荷室の広さと使い勝手。荷室床面は幅が101~129㎝で奥行きが79㎝。リアシートを倒すと奥行き165くらいを確保できる。しかもリアシートを倒すとき、シートクッションがスッと前方に下がって足元のスペースに格納される。リアシートが床下にすっきり格納されるから床面は完全なフラット。久しぶりに本格的な遊びグルマと出あった気がする。
小森 これなら車中泊も快適だ! 4WDを選べば、スノーボードに行くにもバッチリでしょ。
山本 2人分のキャンプ道具を積んだけど、リアシートを倒さないで積めたのは「ヴェゼル」だけ。道具を選べば、ファミリー・キャンプも行けるってスゴイ!
沢木 全体の雰囲気か、走りや経済性か、それとも荷室の使い勝手か。この3台から1台を選ぶには、必要な機能に優先順位をつける必要がある。
小森 クルマのキャラに合わせて遊び道具を揃えるというのも、今っぽくていいかも。
実際に自分が買うとすればどれか?
山本 SUVに限らず、最近のクルマは個性的でおもしろい。この3台のうち、実際に自分が買うとすればどれを選ぶ?
沢木 お金の問題はさておき……僕は「ミニ」かな。やんちゃな走りと楽しいデザイン、あと使いやすい荷室もいい。なによりうれしいのは、輸入車なのにハイオクじゃないこと。軽油とハイオクの差はデカイ。
小森 僕は3台とも個性があって楽しかった。う〜ん、でも買うなら「CX–3」かな。荷室は狭いけど、静かでクリーンで超低燃費。リッター20㎞はスゴイ! しかも運転して楽しいし、凝りに凝ったデザインはもはや欧州車レベル。このグレーも洒落てる。荷室に合わせた道具立てを考えれば、十分やってける。
山本 自転車もラクに積める荷室の広さと、上品な走りのヴェゼルは魅力的。スイッチ感覚で操作するシフトレバーや、高級感のあるインテリアも好みだな。完成度の高い遊びグルマだねコレは。
小森 「ヴェゼル」は、アイドリングのときだけモーター駆動で、走行中はほとんどハイブリッド感がなかったけど、結果、燃費はよかった。しっとりとした乗り心地は、ファミリーキャンプはもちろんデートにもいい。
沢木 「ヴェゼル」は間違いない。乗ったのは4WDだけど、2WDなら200万円くらいから買えるのも魅力。
小森 「ミニ」や「CX-3」のように、燃料代が安いディーゼルの選択肢が増えるのは、走行距離が長いアウトドア好きには大歓迎! 元々ディーゼル人気が高かったSUVは、これからディーゼルが復権して主役になるだろうね。
山本 昔のディーゼルと違って嫌な排気臭はしないし、「CX-3」は、静粛性もガソリン車並み。「ミニ」もトルクが分厚くて、操る楽しさはガソリン車以上。価格が高くても、遊ぶたびに燃料の安さを実感できるのはうれしい!
沢木 低燃費で走りがいいのは当たり前。個性の好みで選べるなんて、いい時代になったんだね!
小森 この3台は、各社が持つ美意識や遊び心をデザインという表現方法で個性豊かに作りこんでいる。選ぶクルマによって、その後のライフスタイルが大きく変わりそうですね。
【実走テスト結果発表】
「実燃費」「1㎞あたりの費用」はこうなりました!
3位:ホンダ/ヴェゼル
走行距離 294㎞
給油量 24.02ℓ
平均燃費 12.24㎞/ℓ
1㎞あたりのコスト 10.6円
SUVとして燃費は決して悪くない。しかし、ほかの2台と比較して唯一ガソリン車であるため燃料代が割高になり、結果、1㎞あたりのコストが3台中もっとも高価になった。
2位:MINI/ミニ クーパー
走行距離 356㎞
給油量 29.37ℓ
平均燃費 12.12㎞/ℓ
1㎞あたりのコスト 9.1円
荷物満載でかなり楽しく走ってこの数値はなかなか。燃料が軽油なので、同ブランドのハイオク仕様のガソリン車と比較して、十分なお得感がある。輸入車は、ディーゼルの恩恵が絶大。
1位:マツダ/CX-3
走行距離 332.1㎞
給油量 15.84ℓ
平均燃費 20.96㎞/ℓ
1㎞あたりのコスト 5.3円
実走値でこのスコアはお見事! 東京-名古屋間400㎞を燃料代2000円台でいける計算だ。高速代を入れても、新幹線より格段に安価。走りの質を合わせると、「驚異的な性能のSUV」といえるだろう。
※レギュラー1ℓ131.6円、軽油1ℓ110.7円で計算。
◎構成/櫻井 香 ◎小倉雄一郎