梅雨明けの7月は希少な夏キノコシーズン!ヤマドリタケ、ハナビラタケほかおすすめキノコ6選
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    2024.07.14

    梅雨明けの7月は希少な夏キノコシーズン!ヤマドリタケ、ハナビラタケほかおすすめキノコ6選

    梅雨明けの7月は希少な夏キノコシーズン!ヤマドリタケ、ハナビラタケほかおすすめキノコ6選
    秋が旬のイメージがあるキノコですが、じつは梅雨明け直後の夏もたくさんキノコが採れるんです。キノコ狩り名人の写真家・柳澤牧嘉さんに、おすすめの夏キノコを教えてもらいました。間違いやすい毒キノコの見分け方も指南します!

    じつは梅雨の終わりから顔を出す夏キノコも

    「キノコっていうと秋のイメージだと思いますが、じつは梅雨の終わりから顔を出す夏キノコもある。種類によっては秋のキノコを先取りすることもできるから、競争相手の少ない夏のキノコ狩りもいいものですよ」
     
    と話すのは、写真家でありキノコ名人採りの柳澤牧嘉さん。

    柳澤まきよし

    写真家 柳澤牧嘉さん。趣味のキノコ狩りが高じて2005年から撮影を続ける。著書に『新訂 日本のキノコ275』(文一総合出版)。ウラベニホテイシメジ好き。

    とはいえ、日本で現在認識されているものだけでも約6千種類以上にもなるといわれるキノコを全部覚えるのは不可能。どんなキノコを探すか、アタリをつけておくといい。

    「やっぱり、日本のポルチーニ、ヤマドリタケを狙いたいよね。あとはハナビラタケに、高原ならハナイグチにも出合えるかも」

    夏キノコの見つけ方 

    夏キノコを探すには、発生場所を知っておくことが先決だ。

    「マツタケがマツの根元に生えるように、林とキノコの関係を覚える。ヤマドリタケはウラジロモミと共生しているので、まずはウラジロモミ林を探そう」
     
    夏に採れるといっても、カラカラな晴天が続いた日はNG。2、3日シトシト雨が降ったあとが狙い目だとも。樹木はその木の高さと同等の根が伸びていると思っていいので、必ずしも根元を探す必要はない。

    「4〜5m先の地面を見ながら歩く。草のなかに隠れていることもあるから、時々しゃがんで見てみる。斜面なら登りながら探したほうが見つけやす……あ、いやや、あれ? あれか!? ??」
     
    柳澤さんの眼光が鋭くなる。キノコ好きにとって、獲物を前にしたらクールに解説などしている場合ではないのだ。

    「いや〜どうやって食べよう」
     
    憧れのヤマドリタケを前に、撮影もそっちのけ。

    「夏キノコはね、傷みやすいから採ったらすぐ食べたい。持ち帰るのに神経も使うしね。だからこそ、その日食べる分だけを採る。夏の高原キャンプでだけ味わえる贅沢だよ」
     
    8月はじめ〜8月半ばは、キノコも秋に向けてひと休み。梅雨明けの7月は希少な夏キノコシーズンなのだ。

    「キノコ狩りはね、毎年同じことを楽しめるのも魅力のひとつ。ヤマドリタケなんかは特定の木と共生関係を持つから、環境が変わらない限り、毎年同じ木の下に出続けますよ」
     
    実際に採食するときには、必ず専門家の指導の元で、やってみましょう~!

    キノコ狩りの必須道具

    撮影機材

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    カメラはバリアングルモニターがついた一眼レフやミラーレスカメラがおすすめ。撮影用にキノコを掃除するカッターやピンセット、下草を切るハサミも必須。

    ナイフ

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    キノコ採取は刃が柔らかいカッターがいい。木に生えているキノコも採りやすい。小型のビクトリナイフと自作のミニハケは掃除用。

    キノコ掃除用の刷毛

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    土や虫を落とすキノコ掃除には、塗装用のハケが最適。柄を短く切って活用。

    防虫ネット付きの帽子

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    夏の雑木林はとにかく蚊などの虫が多いので、ネットつきの帽子(ホームセンターで購入可)が必須。

    ウラジロモミ林で探す憧れのヤマドリタケ

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    ヤマドリタケは、1500m以上の亜高山帯針葉樹林のウラジロモミやトウヒの周りを探す。モミは深い森が多く、キノコの発生量も多い。

    ヤマドリタケ

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    香り★★★
    食感★★★
    採取難易度★★★

    ポルチーニとして名高い夏キノコの至宝で、希少。カサは橙褐色で光沢があり、柄の表面に網目模様がある。香りが高くパスタやシチューに。

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    香りの高いヤマドリタケは、洋食との相性がいい。本日のメニューはニンニクたっぷりのアヒージョ。残ったオイルもパンにつけて完食!

    毒キノコに要注意! ドクヤマドリ

    同じ環境に発生する猛毒菌。大きな違いは柄に網目模様がなく平滑で、カサに粘性がないこと。カサの裏の管孔が傷つくと青く変色する。

    カラマツ林で見つかるキノコ

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    北海道や長野県に多く見られるほか、各地にも植林として点在する。針葉樹でありながら、冬になるとすっかり葉を落とすのが特徴。

    ハナビラタケ

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    香り★★
    食感★★★
    採取難易度★★

    カラマツの根腐れした部分を分解するキノコ。白色〜淡黄色でバレーボール大になり、見つけやすい。クセがなく、煮物や煮浸しなどに向く。

    ハナビラタケ/健康成分で一躍注目。炒め物にたぶん最強菌。

    ハナイグチ

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    香り★★
    食感★★★
    採取難易度★★

    秋に多く発生する、カラマツ林の代表種だが、高地では夏にも少量発生。赤茶色で強いヌメリがある。汁ものやうどん、佃煮にしても美味しい。

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    毒キノコに要注意! ヌメリイグチ

    カサの下のツバが不明確で、柄が(とくに上部)黒褐色の粒点で覆われることで区別できる。体質によって、消化器系の中毒をおこす。

    シラカンバ林で見つかるキノコ

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    北海道及び、中部以北の本州に分布し、高原樹林といえば思い浮かぶ。発生するキノコの種類も多い。ヤマドリタケが見つかることも。

    ヤマイグチ

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    香り★★
    食感★
    採取難易度★★

    カサは黄褐色、柄は太く白色の地に黒褐色の細かい鱗片を多数つける。シラカンバに点々と見られる。無味無臭で、天ぷらや汁物と相性が◎。

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    アカマツ・コナラの混成林で見つかるキノコ

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    コナラなど雑木林のなかにアカマツが交じっていることも多く、マツ林のキノコも見られる、キノコ狩りのもっともポピュラーな場所。

    ヤマドリタケモドキ

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    香り★★
    食感★★★
    採取難易度★★

    ヤマドリタケと似ているが広葉樹林に普通に発生し、それほど香りはない。傘の表面はビロード状で柄全体に網目模様があるのが特徴。

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    アミタケ

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    香り★★
    食感★★★
    採取難易度★★

    松林に群生するキノコ。秋のキノコだが初夏にも少量発生し、黄土色で平滑。加熱すると赤紫色に変色。舌触りがよく煮物や佃煮に。

    毒キノコに要注意! チチアワタケ

    アミタケより管孔が細かく、若いときは白い乳液を分泌する。柄の表面が粒点で覆われている。加熱しても変色しないことでも区別できる。

    キノコ×キャンプを楽しむ3か条

    • キノコを知るには木を知ること
    • 少量採取でその日のうちに食す
    • 知らないキノコは採らない

    柳澤牧嘉(やなぎさわ・まきよし)さん

    写真家・キノコ名人

    趣味のキノコ狩りが高じて2005年から撮影を続ける。著書に『新訂 日本のキノコ275』(文一総合出版)。ウラベニホテイシメジ好き。長野県在住。

    ※構成/大石裕美 撮影/柳澤牧嘉 協力/荒船パノラマキャンプフィールド https://arafune-camp.net/

    (BE-PAL 2022年8月号より)

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