みんなで火を囲んでワイワイやるのが、たき火の醍醐味。でも、ときにはひとり、あるいはふたりでロマンティックに火を眺めていたい。そんな夜もある(よね?)。目立たないように小さ~くたき火をしながら、おつまみをつくる。お湯を沸かしてインスタントラーメンではなく、心豊かに「アヒージョ」なんかをぐつぐつ。ミニマムであることに小さな誇りを感じながら……。今回は、b*p編集部で「ミニマムたき火」のやり方と、たき火で「おいしいおつまみ」をつくる方法を研究してきました!
たき火で料理をつくるのは簡単ではない。火力を強く保つことが難しいし、はじめてだと、なかなか炎が安定しない。
しかし、ふたりくらいでのんびりとたき火を楽しむのであれば、そもそも料理をたくさんつくる必要がない。火力だってそれほど強くなくていいのだ。
そう考えると、ウルトラライト(UL)系のみなさんが持っているような軽量コンパクトなギアが役に立つ。ロングトレイルやハードな山で使うための超軽量なULギアを、軟 弱系のんびりたき火で使うだなんて、邪道ですかね? オーバースペックですかね? (お許しくだされ)
MINIMUM FIRE
ミニマムたき火の道具
というわけで、今回のギアは、「ヴァーゴ」(VARGO)の『ファイヤーボックスグリルチタン』だ。チタン製なので、ものすごく軽い。おまけにパタパタと折りたためて、ポケットにもすっと収まるコンパクトさ。
VARGO/ファイヤーボックス グリルチタン ¥13,800+税
205×205×80㎜、164gのBBQグリル。すべてのパーツが一体化されているので、パタパタと組み上げるだけで簡単。
火付けは「エキゾタック」(EXOTAC)の『ナノストライカー』を使ってチャレンジした。
エキゾタック/ナノストライカー ¥3,900+税
キーホルダーにも付けられるコンパクトさとデザインのよさが特徴の着火ギア。火打ち石パーツが長くて使いやすい。
「シャッ!」と削るときの角度に少しコツがいるが、とはいえ、2〜3回もやればすぐに火花 が飛び散るようになる。
HOW TO COOK ?
たき火アヒージョのつくりかた
↑専用ケースから取り出した『ファイヤーボックスグリルチタン』を、シャキーン! と広げて組み立てる。相方がいるなら「いやー、軽っ!!」と大げさに声に出して164gのウルトラライトな軽さを存分に見せびらかそう。直感的に組み立てできるので安心。子どもにと一緒に組み立てると、盛り上がること必至である。
↑周囲を散歩して、スギの葉や、松ぼっくりなど「天然の着火剤」を拾うべし。今回訪れた海辺のキャンプ場には、防風対策に松が植えられていて、火付けに適した松葉がたくさん。こいつを集めて、『ナノストライカー』で、シャッ! と着火。
↑松葉になかなか火が付かない(汗)。というわけで今回は、手製でつくった着火剤「チャークロス」(空き缶で蒸し焼きにして炭化させた布)も活用することにした。『ナノストライカー』で擦った火の粉をチャークロスに落とす。チャークロスでない場合は、新聞紙やティッシュペーパーなどを着火アシスト剤として使っても、もちろんOKだ。
↑ふーふーと息を吹きかけて火種を育てていくと、松葉や小枝に燃え移った。グリルの下部にスペースがあるので空気を取り込みやすいのか、いったん勢いがつくと、みるみる燃えてい。
さて、なんとか火おこしはできた。
でも、とっても小さいたき火台なので、大きな薪がくべられない。だから、それなりのミニサイズの枝を、ちょこちょととくべつづけなくてならない。通常のたき火以上に、火の管理が重要ミッションだ。
今回のおつまみは「アヒージョ」である。名前はシャレているが、超簡単で、まあ料理というほどのことではない。油がちゃんと沸騰するか火力が不安だったが、ミニシェラカップを 使ったため、意外とすぐにグツグツしてきた。
↑シェラカップにオリーブオイルとニンニクを入れてアヒージョの準備。火にかけて、フツフツしてきたら具材を投入。エビ、イカ、ソーセージ、ブロッコリー、ジャガイモ……何を入れてもウマイんだな。
↑ちょっと火力が強かったかな。少しずつ弱火スポットにシェラカップを移動させながら、数分間、煮込んだら完成だ。今回のメイン食材はホタルイカ! ……ンマイ!
※構成/大草朋宏 スタイリング・協力/北村 哲 撮影/小倉雄一郎
※撮影協力/茅ヶ崎市立・柳島キャンプ場 ☎0467(87)1385