「波のいいときに海に行くには、自分で何かするしかない、って思って。しかも、コーヒーの産地(赤道周辺)は波がいいって気づいちゃったから、もう、この仕事しかないでしょ」
新婚旅行はアメリカのシアトルでコーヒーロースター巡り。3年前には家族で1か月間コスタリカを旅し、今年の夏もメキシコを3週間ほど旅してきた。
「コーヒー園を巡るだけじゃなく、街を見て、地元の人と触れ合い、波にも乗る。そんな旅のほうが、美味しいコーヒーに巡り会えたりするんですよ」森嵜さんのコーヒーには、自由な旅心が溢れている。
それぞれの豆の特徴を楽しんでもらいたい、という思いから、『THE FIVE BEANS』では、おもにシングルオリジンの豆を販売している。
「ブラジルはナッツっぽい香ばしさがあるし、エチオピアはストロベリーのような甘さがあって、華やか。コスタリカは甘味と酸味のバランスが絶妙ですよ」
1種類ずつ豆を取り出して説明してくれる森嵜さん。そんな豆の個性を大切にするため、焙煎は深すぎず浅すぎず煎るのが鉄則。実際、店から徒歩3分ほどの焙煎所を覗かせてもらった。
「窯に火を入れて予熱し、香りをチェックしながら15分ほど焙煎します」
徐々に200度C近くへと窯の温度を上げていくため、閉め切った焙煎所は、とにかく暑い! そんななか、森嵜さんは窯の側から一時も離れない。店での笑顔とは違う真剣な眼差しで、豆の様子を確認している。
「多いときは、6時間ぐらいずっと焙煎してますよ。焙煎したら2、3日おくと香りが出てくる。それがまた、楽しみ」
今回は特別に作ってもらった『THE FIVE BEANS』×『BE-PAL』の特製オリジナルブレンドを、ECサイト【STORICO】で限定販売!
森嵜さんの豆へのこだわりと、波への思い(⁉)が込められたコーヒーを味わってください。
文/大石裕美 撮影/ミヤジシンゴ