チーズは、牛などの乳から水分を抜いて、栄養をぎゅっと凝縮して作られています。種類にもよりますが、たんぱく質、脂質、カルシウムなどを豊富に含み、エナジーフードといえますね。スポーツやアウトドアのときに、コンパクトに持ち歩けエナジーチャージができて便利です。そんなチーズを、よりおいしく、さまざまなアレンジで楽しむ方法を教えていただきました。
チーズを含む乳製品の未来を見据えて取り組むフランスのチーズづくり
SDGsの活動がさまざまな分野で取り組まれている中、フランスの酪農においても持続可能な酪農を目指して取り組みを行なっています。CNIEL(フランス全国酪農経済センター)では、「フランス・テール・ド・レ」という施策を展開しています。これは、経済的、社会的、環境的な課題を乳業の持続可能性の中心に据えたいという願いをCNIELが施策として具現化したもの。酪農といえば、CO2の排出が問題視されますが、カーボンフットプリントの改善にも取り組み、フランス産チーズを変わらず楽しんでもらえるよう活動しています。そんなフランス産のチーズの魅力を伝えるため「フレンチチーズプロムナード2022」を開催。発表会では、フランス産チーズをどこでも楽しめるアイデアも紹介してくれました。
フランス産チーズをアレンジして気軽に持ち歩く
フランスチーズの魅力とともに、「どこでもチーズ」をテーマにトークショーが行われ、5種類のチーズとコンテチーズを使ったアレンジメニューを試食しながら、チーズの特徴とペアリングのおすすめを教えていただきました。トークショーのMCは、チーズプロフェッショナルの佐野嘉彦さん。フランスチーズ鑑評騎士でもいらっしゃいます。ゲストは、「バール ア フロマージュ スーヴォワル」のオーナー兼ソムリエの谷田浩巳さん。どこにでも持っていけるというチーズ・エナジーバーのレシピを考案しました。
今回のチーズ・エナジーバーのレシピは、日本だけでなく、アジア地域で楽しめるようにと、アジアで一般的に手に入る材料で考案して欲しいと、佐野さんがリクエストしたそう。
「エナジーバーといえば、チョコレートを使ったものが多いんです。まあ、チーズそのものがエナジーバーのようなものですが、甘すぎず、食べやすいものを考えて欲しいとリクエストしました。」と、佐野さん。
そのリクエストに応えて誕生したのが、チーズ・エナジーバーです。
「今回は、フランス産コンテを使い、高たんぱくで、甘じょっぱい感じにするためにきび砂糖を使いました。」という谷田さん。手に入りにくい食材がなく、自分で作ることができますよ。
フランス産コンテで作る「どこにでも持っていける」チーズ・エナジーバー
【材料】(約8本分)
コンテ 70g
オートミール 50g
くるみ 30g
きな粉 60g
卵 2個
きび砂糖 30g
醤油 7g
ココナッツオイル 20g
【作り方】
1.コンテは2cm角程度にカットし、オートミールとくるみは香ばしさが出るようフライパンで軽く炒っておく。
2.きび砂糖を小鍋に入れて中火にかけて溶かし、周りが茶色く焦げ始めたら火から外し、醤油、ココナッツオイル、1の材料をすべて加えて混ぜ合わせる。
3.ボウルで卵を溶きほぐし、きな粉と2を加えて混ぜ合わせる。
4.クッキングシートを敷いた耐熱皿(17×8cmのパウンド型など)に3を入れ、180度のオーブンで13~15分焼く。
5.十分に冷まし、2cm程度の幅にカットすれば完成。
作り方が簡単で、材料もパワーが出そうなものばかり。試食してみると、甘さがあり、一般的なチョコレートを使わないエナジーバーより、しっとりして食べやすかったです。冷やすことでハードタイプになり、食感の変化も楽しめます。自分自身が食べやすい大きさにカットしておけば、トレイルランなどの途中でのチャージなどにもぴったりです。
メスティンを使ってチーズ香るアウトドアメニューも
アウトドアの料理でも楽しんでもらいたいと、フランス産チーズを使ったアウトドアメニューも教えていただきました。メスティンで簡単に調理でき、季節によって具材を変えて楽しめます。
とろけるカマンベールと野菜のエチュベ
【材料】
カマンベールチーズ 50〜100g
玉ねぎ 1/4個
じゃやがいも 1個
アスパラガス 2本
薄切りベーコン 1枚
バター 5g
水 大さじ2
塩 少々
黒胡椒 少々
乾燥パセリ少々
【作り方】
1.新玉ねぎは薄切り、新じゃがいもは5mm幅の半月切り、アスパラガス、ベーコンは食べやすい大きさにカットする。
2.メスティンに1、バター、水、塩を入れたら蓋をして強めの中火で加熱し、沸いてきたら弱火にして、10分ほど蒸し煮にする。水分が少なくなったら、少量足してください。
3.火を消したら蓋を外し、一口大にカットしたカマンベールチーズを入れ、また蓋をして2分ほど蒸らす。
4.カマンベールチーズが程よくとろけたら、黒胡椒、乾燥パセリをふりかけて出来上がり。
このエチュペとは、フランスで人気の調理法で、オイルやバターと塩、少量の水で蒸し焼きにする調理法のことです。ヘルシーでシンプルな調理法でメスティン調理にピッタリです。レシピは春野菜ですが、秋野菜なら甘みのあるかぼちゃやさつま芋、旨味のでる椎茸でアレンジするのもおすすめ。また、冬野菜なら蓮根、白ネギ、白菜、カブ、山芋などがおすすめだそうです。筆者は、上記のレシピのアスパラなしで作ってみましたが、カマンベールチーズが程よく溶けて、濃厚なクリームシチューのようなコクがあり、手軽でとても満足感がありました。レシピ通りでは、お水の量が少ないのではないかと思いましたが、野菜から水分が出るため、これで十分でした。白菜を入れた場合は、お水なしでも大丈夫かも。次回チャレンジしてみます。
こちらのレシピは、インスタグラマーで写真家の竹村知樹さんのよるもの。フレンチチーズプロムナード2022でも、竹村さんのクッキングショーを開催。Facebook Liveで2022年9月10日、11日にライブ配信されます。チーズの新たな楽しみ方をチェックできますよ。
ワイン大国のフランスは、チーズ大国でもあります。チーズの種類も多いですが、アレンジもさまざま。チーズそのものがおいしいので、そのまま食べることが多かったですが、ちょっとしたひと手間を加えるだけで、バリエーションが広がることがわかりました。お気に入りのチーズを持って、キャンプに出かけたくなりますね。
フレンチチーズプロムナード2022
https://www.facebook.com/events/1069175647039776