ここ最近人気なのが、ヴィンテージ感あふれるオイルランタン。LEDほど明るくはありませんが、ゆらめぐ炎は見ているだけでリラックスできるもの。ここでは、そんなオイルランタンのおすすめ製品や、使い方、注意点などを解説します。ぜひお気に入りのオイルランタンを見つけて、使い方を正しく知り、キャンプサイトを優しい雰囲気で彩りましょう。
オイルランタンの魅力とは?
LEDランタンのような便利で機能性の高い照明器具が多くあるなかで、あえて選びたいのがアナログ的かつクラシックな佇まいのオイルランタン。その特徴を知ると、選びたくなる気持ちがよく分かるはずです。
ゆらゆらした炎で雰囲気が抜群!
オイルランタンの大きな魅力は本物の炎ならではの雰囲気を感じられるところ。電気がない時代の主要な照明器具だったこともあり、クラシックな雰囲気を味わう(演出する)にはもってこいのアイテム!
これからキャンプを始めるビギナーにとっては、LEDランタンの方が明るく、使い勝手もよいので手に取りやすい面は確かにあります。しかし、「キャンプサイトを雰囲気よく演出してくれる」「ゆらゆらした炎で癒やされる」など、オイルランタンがひとつあるとキャンススタイルがグッとよくなる効果も。
ホワイトガソリンよりも経済的!
コスパに優れてている点も魅力のひとつ。灯油は一般的に価格が安く、1Lあたり約100~110円であるのに対し、ホワイトガソリンは1,000円前後が相場です(2022年9月現在、編集部調べ)。灯油を燃料とするオイルランタンは、500mLで約24時間点灯できるなど、燃費がよさが光ります。また、各メーカーから専用のパラフィンオイルが販売されており、灯油よりもにおいが少なく、煤がつきにくいのでおすすめです※灯油よりかはコストが上がります。
オイルランタンの選び方
ここからはオイルランタンの選び方を解説しましょう。自分のキャンプスタイルに合ったものを選ぶことで、より便利に使えるはずです。
用途に合った形状を選ぶ
アウトドアを目的とするオイルランタンは「ハリケーンランタン」と呼ばれるものが主流です。ハリケーンランタンはその名の通り、“嵐の中でも使えるタフさ”を備えています。シンプルな形状で長く使え、防風機能が高く火が消えにくい。その特徴は、ハンドルのような両サイドのパイプに空気が通り、酸素を供給し続けながら安定して点灯する仕組みにあります。
見た目のよさと使い勝手のよさが両立されたオイルランタンは、大事に使えば一生モノ! メンテナンスしながら大事に使いたいアイテムです。
燃料で選ぶ
オイルランタンの燃料は、灯油とパラフィンオイルの2つです。灯油のメリットは、なんといってもランニングコストのよさ。灯油はパラフィンオイルの約10%の価格で購入できます。
灯油はガソリンスタンドで購入できるので、手に入りやすいことも特徴です。また、引火点が40度以上とガソリンよりも高めなので、比較的安全に使用できます。ただし、煤が出やすいというデメリットも。
パラフィンオイルとは、ロウを液体状で使用するような燃料のこと。引火点が灯油よりも大幅に高い95度以上で、揮発性も低く、その他のオイルよりも比較的安全に使用できます。灯油と異なり、煤が出にくいので、メンテナンスが簡単なこともメリットです。デメリットは、灯油と比べて価格が高いことです。
灯油の方が炎の明るさは若干強いですが、石油系のにおいを感じます。安全性や使用時の便利さにおいては、パラフィンオイルの方が優れています。
芯の種類で選ぶ
オイルランタンの芯には形状によって平芯・巻き芯・棒芯の3種類あります。平芯は太さによって2~11分芯まで分かれており、なかでも平芯の7分芯は流通量が多く、替芯も手に入りやすいタイプです。1分芯の太さは約3mmですが、どの芯幅でも、さほど明るさは変わりません。
ただし、製品によって使用できる芯幅が異なるので、オイルランタンに合う心を選びましょう。オイルランタンを購入する際に、同メーカーの替芯をストックしておくことをおすすめします。
容量で選ぶ
オイルランタンの大きさ、タンク容量は燃焼時間に影響します。1泊のキャンプで340mLのオイルランタンを使用する場合、上限の目安となる8分目まで入れると約20時間燃焼し続けるので、一晩中炎が消えることはありません。
連泊する場合は、500mL程度あるものがおすすめです。容量に比例してサイズも大きくなるので、持ち運びのしやすさを考慮して選ぶことがポイントです。燃料が足りなくなった場合に備えて、予備の燃料を持参するのを忘れずに。
オイルランタンの使い方
オイルランタンの特徴を知ったら、いよいよ使い方! ここからはオイルランタンの点火と火力調整から、メンテナンス方法まで解説します。手順をしっかりと覚え、安全に使いましょう。
点火と火力調整のやり方
一般的なオイルランタンの点火方法は、以下の通りです。
- 専用のレバーを動かして外側を覆っているグローブ(ホヤ)を外す
- 四角い形状の芯の両端を斜め45度にカットする
- オイルキャップを外して燃料をタンクの8分目まで入れる
- 芯に燃料が染みこむまで10分程度待つ
- 芯に点火する
- ホヤを戻してから芯の長さを変えて火力を調節する
芯の両端を斜めにカットし、三角形にすることで炎の形がよくなります。オイルを芯に染みこませる時間については、製品によって異なるので、各モデルの取扱説明書に従ってください。
芯が長いほど火力は強くなりますが、長く出しすぎると煤が出ます。調節用のハンドルを回して芯の長さを決めましょう。
火の消し方とメンテナンス方法
オイルランタンはハンドルを回し、芯を短くすることで消火できます。勢いよく回しすぎるとハンドルが外れてしまう可能性があるため、ゆっくり落ち着いて行ないます。消火後はもう一度芯を出し、完全に消えているかを確認することが重要です。なかなか消えない場合はホヤを持ち上げ、息を吹きかけて消しましょう。
オイルランタンのメンテナンスとは、主に芯とホヤの手入れのことを指します。芯が焦げたままでは、次回の使用時に形を整えるところから準備をする必要があり、時間も手間もかかるので、焦げた部分を再度三角形に整えておくのがポイントです。長さが残っていない場合は、新しい芯に付け替えます。
ホヤに煤が付いている場合は、柔らかい布でふき取ります。ホヤはガラス製なので、無理な力を加えず優しく拭き上げます。特に落下による破損には注意です(製品によっては交換パーツが販売されています)。
オイルランタンを使う際の注意点
オイルランタンを使う際には、いくつか注意点があります。使用方法を守って安全に使いましょう。
テント内では使わない
ほとんどのテントが、幕内でのオイルランタンの使用をNGにしています(他の燃料でも同様です)。室内で使うと一酸化炭素中毒に陥る可能性があり、頭痛・めまい・吐き気を引き起こします。重度になると、体の硬直・昏睡状態になることも。また、一酸化炭素は無色無臭なので、自分や周囲も気づかないうちに陥ってしまう可能性があり、とても危険です。必ずテントの外で、燃え広がるものがない場所で使用しましょう。
不適切な燃料は使わない
オイルランタンに使用できる燃料は、基本的に灯油かパラフィンオイルのみです。それ以外の燃料は使用できません。
特に注意したいのがホワイトガソリンです。ホワイトガソリンの引火点は、マイナス40度とかなり低く、常温でも引火するため、着火しようとすると爆発する恐れがあります。逆に常温でも着火しやすいということなので、専用のランタン・燃焼器具以外では使用しないようにしましょう。
大容量のおすすめのオイルランタン
容量300mL以上の大容量のオイルランタンを紹介します。本記事で紹介するオイルランタンは、全て灯油かパラフィンオイル、または両方に対応しています。
キャプテンスタッグ「CS オイルランタン<大>」
容量は約300mLで、ヴィンテージ感あふれるオイルランタンです。カラーはブロンズとシルバーが販売されていますが、ブロンズは部位的にくすみがかった塗装が施されています。長年使用している風合いが演出されて、熟練キャンパーのような気分を味わえる一品です。
燃料は灯油とパラフィンオイルのどちらにも対応しており、燃焼時間の目安は約20時間です。1泊のキャンプであれば十分なサイズといえるでしょう。デイキャンプ・夕暮れのBBQにも便利な、容量120mLの小タイプも販売されています。
キャプテンスタッグ
CS オイルランタン<大>
製品サイズ:(約)幅170×奥行140×高さ305mm(本体のみ)、製品重量:(約)490g適正容量:(約)300ml、使用燃料:白灯油、ランタン用パラフィンオイル芯の長さ:140mm、燃焼時間:(約)20時間※燃焼条件により異なります
- 公式サイト:商品ページ
デイツ「LITTLE WIZARD レッド/ゴールド#D01」
容量は約930mLで、燃焼時間が約45時間とパワフルなオイルランタンです。これひとつあれば、連泊のキャンプでも燃料切れを起こす心配は少なく安心です。
カラーバリエーションは『レッド/ゴールド』のほかに『ブラック』『ブラック・ゴールド』の全3色があり、キャンプサイトの雰囲気に合わせて選べます。芯は5分芯に対応していますが、デイツの公式サイトで販売されている替芯の7分芯も対応可能です。
デイツ
LITTLE WIZARD レッド/ゴールド#D01
高さ:約 30.5cm最大幅:約 19.7cm重量:約 790gタンク容量:約 930cc対応芯:15mm(5分芯)明るさ:約 9カンデラ燃焼時間:約 45時間素材:鉄、ガラス
- 公式サイト:商品ページ
デイツ「ハリケーンランタン #D78 MARS ゴールド」
鮮やかなゴールドが目を惹く、同ブランドでも特に人気のモデルです。容量は約340mLで、燃焼時間は約20時間と、オイルランタン初心者や1泊のキャンプに適しています。
対応している芯が4分芯なので、替芯が手に入りづらいかもしれません。デイツの公式サイトには「4分芯 ・3本入」が販売されているので、ストックしておくとよいでしょう。
シリーズの中でも、カラーバリエーションが豊富なので「よりレトロな雰囲気を演出したい人はブリキ」「キャンプサイトに差し色を入れたい人はレッド」「シックにまとめたい人はブラック」など、好みや気分によっても選べます。
デイツ
ハリケーンランタン #D78 MARS ゴールド
【仕様】 高さ:約 26.5cm 最大幅:約 15cm 重量:約 470g タンク容量:約 340cc 対応芯:12mm(4分芯) 明るさ:約 7CP 燃焼時間:約 20時間 素材:鉄、ガラス カラー:真鍮メッキ
- 公式サイト:商品ページ
フュアハンド「ベイビースペシャル276 ジンク」
容量は約340mLで、燃焼時間は約20時間のオイルランタンです。本体には亜鉛メッキが施されており、耐食性を強化しています。山だけではなく、海風を感じる場所でキャンプをしたい人にもうってつけ。
マットな見た目は上級者感があり、おしゃれなオイルランタンを探している人にもおすすめです。燃料は灯油とパラフィンオイルどちらにも対応しています。
傷を付けたくない人や、予備の替芯・ライターなどセットで収納したい人は、持ち運びにも便利な「BS276 フュアハンドランタン用ケース」も検討するとよいでしょう。
- 公式サイト:商品ページ
コンパクトでおすすめのオイルランタン
容量は少なめなものの、コンパクトで使い勝手がよいオイルランタンを2つ紹介します。ちょっとした明かりや、インテリアにしたい場合もおすすめです。
カメヤマ「オイルランタンミニ」
容量は約120mLで、燃焼時間は約10時間のコンパクトなオイルランタンです。灯油とパラフィンオイルのどちらにも対応していますが、キャンプシーンで使用する際は、同メーカーの虫対策もできるパラフィンオイルの使用がおすすめです。
カラーはブラック・コパー・シルバーの3色あり、ロゴの有無・サイズなど好みのモデルが選べます。
120mLモデルは自宅の庭やベランダでのBBQ・ベランピング用に、200mLモデルはキャンプ用などシーンによって使い分けるのもよいでしょう。
- 公式サイト:商品ページ
ブッシュクラフト「JDバーフォード マイナーズランプ Mサイズ」
約200年前、鉱山労働者のために開発されたランプを基に製作された、ハンドメイドのオイルランタンです。現在でも伝統的な製造方法が受け継がれています。
容量は約30mLで、燃焼時間は約5時間と比較的短時間ですが、ブッシュクラフトファンはもちろん、昔の雰囲気を味わいたい人やアンティーク感があるものが好きな人、鉱山労働者のために開発されたマイナーズランプの歴史を感じたい人におすすめです。
ブッシュクラフト
JDバーフォード マイナーズランプ Mサイズ
寸法 ・225(300)xΦ88mm ()内はハンドル含む寸法 重量 ・780g オイルタンク容量 ・約30cc(約5時間)
- 公式サイト:商品ページ
まとめ
オイルランタンは昔ながらの照明器具であり、LEDランタンにはない雰囲気があります。点火方法も簡単で、初心者でもコツをつかめばすぐに使いこなせます。
オイルランタンの使い方・注意点は、各メーカーの取扱説明書などもしっかり確認し、使用する際は換気を怠らないようにしましょう。替芯のサイズは製品によって異なったり、複数のサイズに対応していたりもします。
オイルランタンを購入する際に専用ケースも合わせて準備しておくと、持ち運びの際に傷が付きにくく、比較的よい状態で長く使用できます。自分の気に入るデザインのオイルランタンを購入し、ぜひキャンプサイトをオシャレに演出しましょう。