楽しみながら考える「エシカル」な取り組みが各地で始まっています。今回は自転車を持続的に安全利用するための教育施設「 コンズサイクル/コンズグリーンパーク」をご紹介します。
Ethical Acitivities
楽しみながら考える「エシカル」な取り組み
コンズサイクル/コンズグリーンパーク
2021年3月。環境に優しく、健康促進にも貢献する自転車を持続的に安全利用するための教育施設として、京都市は郊外にある大宮交通公園をサステナブルパークとしてリニューアルオープンした。
緑豊かな公園の一角にコンズグリーンパークはある。コンズサイクルは、京都を中心に17店舗を構える地元に根付いた自転車販売店。この店舗では、市から委託され、自転車教室を実施している。営業企画室室長の近藤大督さんに話を聞いた。
「うちのような小さな販売店が生き残るには、もっと地域のために貢献しなければならないと考え、2013年に『京都市未来まちづくり100人委員会』に参加しました。その一員として、京都カーフリーデーなどのイベントで、自転車普及や交通安全を啓蒙する活動をすることで、様々な立場でエシカルな行動をする人とつながることができました」
伐採した樹木を活用する サステナブルパーク
同時期に市の放置自転車撤去作業を手伝った。排出ガスを出さない環境に優しい乗り物であるはずの自転車が、街に放置されることで交通の妨げとなり、事故や渋滞の一因になっていることを目の当たりにしたという。
「自転車を安全に利用するためには、子供のうちから正しいルールを身につける必要があります。放置自転車や事故が減れば、自転車はより利用しやすくなります。そんな環境が整えば、町全体の交通網がスムーズになり、環境負荷の少ない持続可能な都市が実現するのではないでしょうか?」
楽しく遊びながら自転車の乗り方が上達する!
環境先進国では、自転車を使った脱炭素な町づくりのベースとして子供の自転車教育が盛んだという。近藤さんたちが京都市や仲間と協力して実践する交通安全教室には、そんな壮大な未来図が描かれているのだ。
店内を覗いてみると、公園リニューアルの際に切られた樹木を再利用したという什器が目を引く。
「ここで扱う製品は、なるべく環境に配慮したものを選び、什器や小物などもアップサイクルして、できるかぎりゴミを出さないよう配慮しています」
自転車も工業製品である以上、製造段階での環境負荷は少なくない。それを踏まえ、できることをやり、自転車がクリーンで持続可能な都市の成長に貢献できるよう活動を続けている。
環境に配慮した製品を扱っています
自転車も什器もできるかぎりアップサイクル
コンズグリーンパーク
住所:京都府京都市北区大宮西脇台町17-1
電話:075(493)1700
営業時間:10:00~18:00
定休日:水曜
※構成/山本修二 撮影/岩波純一
(BE-PAL 2022年9月号より)