健康志向の高まりから、市場規模が右肩上がりのオートミール。日本では、2017年比でなんと市場規模が10倍にも急成長中です。人気の秘密は、栄養価だけでなく、食べ方のアレンジにあるようです。「ケロッグ」の新商品発表会で、お箸で食べるオートミールの魅力を教えていただきました。
玄米・白米・雑穀米に続く新たなごはんへ
「ケロッグ」では、2021年4月からオートミールを販売していますが、今回、新発売の「粒感しっかり オートミールごはん」は、炊いたごはんの食感、味わいを手軽にレンジ調理で再現できるように開発したといいます。そもそもオートミールとは、オーツ麦を食べやすく加工したもの。オーツ麦には、βグルカンという発酵性食物繊維が含まれ、糖質も控えめなため、ヘルシーな食生活を求める人におすすめの食品です。とはいえ、健康志向の高まりからオートミールの認知度は90%まで高まっているにもかかわらず、ケロッグが実施した調査によると、この直近1年間で食べたことがあると回答した人は、10%程度と、低い結果に。オートミールに興味はありながら、どんな風に食べたらいいのかわからない人が多いことがわかりました。そこで、食べ方をよりわかりやすく示し、まるでごはんのように食べられるオートミールとして登場したのが「粒感しっかり オートミールごはん」です。
白米と比べて、糖質が60%オフ、食物繊維は6倍など、ダイエットや健康志向の人にぴったりです。ごはんのような食感を実現するため、しっかり粒感があるロールドオーツと、甘さと粘り気、ふっくらもちもち感が特徴のロールドオーツという2種を黄金比で配合しています。
ごはんのように食べるには、オートミールごはんを水に1分間浸し、電子レンジで1分30秒温めるだけです。このとき、オートミールごはん大さじ4杯(30g)、水50mLという分量をしっかり守ることが大切です。ラップをかけずレンジで温めたら、さっくり混ぜると、お茶わん一杯分のごはんのでき上がりです。炊飯器や鍋などでご飯を炊くより手軽で、なんといっても短時間ででき上がります。
お米マイスターから見た「オートミールごはん」の評価は?
発表会では、五つ星お米マイスターで、地域ブランド米による地域活性化にも尽力しているこだわり米穀店「スズノブ」代表取締役の西島豊造さんが登壇し、お米の専門家としてオートミールごはんについて話してくれました。
「今では、ごはんは主食ではなく、嗜好品です。1日の食事でお米を食べない世代もいるからです」と、西島さん。
確かに、パンや麺類など、ごはんを食べない食事も増えています。ただ、健康志向の高まりから雑穀米を食べる機会も増え、その延長線上にオートミールごはんがあるとも。
「白米からいきなりオートミールごはんとなると、さすがに違和感があると思いますが、雑穀米からであれば、違和感なく食べられます。」(西島さん)
白米品種との比較も示してくれました。あきたこまちに近い味ということですね。
浸水時間を含めて2分30秒ででき上がるため、忙しい朝や一人分だけ食べたいときにも便利です。オートミールが初めての人におすすめなのが、レトルト系の丼の素だそうです。どれにもよく合うとのこと。もちろん、カレーとの相性もばっちりです。
発表会では、西島さんおすすめメニューのお弁当を試食しました。お弁当なので、熱々ではないオートミールごはんでしたが、もっちりした雑穀米に限りなく近い気がしました。サーモンとの相性も抜群。鶏肉が薄味だったため、オートミール感が強めに感じました。試食後、西島さんに伺うと、
「鶏肉も濃い味付けにしてしまうと、オートミールごはんに注視せずに食べすすめてしまうから、あえて薄味にしました。オートミールごはんが気になるときは、ちょっと塩味のあるものを合わせると、気にならず食べられますよ」(西島さん)
今回は、オートミールごはんを感じるためなので、西島さんの計算だったよう。ふりかけなども好みで上手に活用すると、白米よりヘルシーなメニューを楽しめますね。
日常生活ではレンチンで調理できますが、アウトドアではメスティンや土鍋などで調理するとよいでしょう。
土鍋でおいしく炊く方法(鍋1~2合用の場合)
【材料】
- オートミール 70g
- 水 120g(少ないと焦げてしまう)
【作り方】
- 鍋に水とオートミールを入れ、2分以上オートミールを浸水させる。
- 中弱火(焦げない火加減)で6分加熱する。
- 加熱後、1分蒸らしたらでき上がり。
途中で様子を見ながら火加減を調整でき、また、焦げてもカリっとおこげのようになり、それはそれでおいしそうですね。
西島さんによると、オートミールごはんは、まだまだ可能性が広がる食材とのこと。お米屋としては、新米の出まわるこの時期におすすめするべきではないのかもといいながら、こうあるべきと決めつけず、アレンジを楽しんでほしいとも話していました。オートミールをお箸で食べる日がくるとは思ってもいませんでしたが、いろいろ試してみたくなりました。キャンプやアウトドアでのアレンジレシピも広がっていきそうです。
日本ケロッグ
https://www.kelloggs.jp/ja_JP/recipe/oatmeal/oatmealgohan.htm