ラダックの北に広がる渓谷地帯、ヌブラ
ラダックの中心地レーから北に100キロほどの場所に、ヌブラと呼ばれる地方があります。シャヨク川とヌブラ川に沿って連なる広大な渓谷で、ラダックからも多くの旅行者が訪れる土地です。
レーからヌブラに行くには、カルドゥン・ラという高い峠を越えなければなりません。標高が5620メートルにも達するこの峠は、車が通行可能な峠の中では世界でもっとも標高が高いと言われています。僕が訪れたのは7月中旬でしたが、峠の上には当たり前のように白い雪が残っていました。
数時間をかけてカルドゥン・ラを車で下ると、肥沃なヌブラ渓谷の風景が姿を表しました。ラダックの風景と少し印象が違うのは、地形の違いだけでなく、川沿いの砂の色が白に近い灰色だからなのかもしれません。
ヌブラで一番大きな村、デスキットに到着しました。麦畑や野菜畑が広がる大きな村で、村はずれの岩山の上には、チベット仏教ゲルク派の僧院、デスキット・ゴンパがあります。僧院にほど近い丘の上には、全高が30メートルもある巨大なチャンバ(弥勒菩薩)像が村を見守っています。2010年に完成したこのチャンバ像の開眼法要は、ダライ・ラマ法王14世によって執り行われました。
ヌブラで大人気、白い砂丘でのキャメル・サファリ
デスキットと、その北西にあるフンダルという村の間には、ヌブラ一帯でもとりわけ大きな砂丘地帯があります。その砂丘で、旅行者に大人気なのが、キャメル・サファリ。フタコブラクダの背に乗って、白く波打つ砂丘を悠々と歩き回らせるというアトラクションです。料金は、30分で500ルピー(約900円)ほど。
間近で見るラクダは想像以上に大きくて、ちょっと気圧されてしまいますが、よくよく見ると、まるで微笑んでいるかのように穏やかでのんびりした表情をしていました。