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    2022.11.24

    知られざるインドのチベット文化圏、スピティへ

    小雨がぱらつく中、悪路を東へとひた走る

    再び険しい峠を越えて、スピティを目指す

    インド北部のチベット文化圏というと、ラダックやザンスカールがよく知られていますが、ヒマーチャル・プラデーシュ州の東部にも、スピティと呼ばれるチベット文化圏があります。平均標高は3500メートル以上に達し、年間を通じて降水量が非常に少ない気候も、ラダックとよく似ています。

    僕は乗合タクシーを手配して、早朝にマナリを発ち、スピティの中心地カザを目指すことにしました。天候は小雨混じりの曇天。現地ではこの夏、いつになく雨の日が多く、僕がマナリを出発するほんの数日前まで、スピティへの道も土砂崩れで通行止めになっていたほどでした。

    道路いっぱいに広がるヤギの群れ。

    インド北部を陸路で旅していると、よく遭遇するのが、ヤギや羊の群れによる渋滞。前に車がたくさんつっかえていると正直ちょっとイライラしますが、相手がヤギや羊だと、「まあ仕方ないわな」と、ゆったりした気分でいられます(笑)。

    バタルで営業中の茶店。

    標高4551メートルに達する峠、クンザム・ラのすぐ手前にある、バタルと呼ばれる地点で営業中の茶店で、小休止。この後も、天候が荒れる寸前の峠をどうにか越え、出発から8時間ほどでカザに到着することができました。この道路、数日後にはまた土砂崩れで通行止めになってしまっていたので、僕は運が良かったのだと思います。

    カザの町のバザール。

    スピティの中心地カザは、人口2000人ほどの小さな町です。商店や食堂が集まるバザールは、15分もあれば端から端まで歩けてしまえるほど、こぢんまりとまとまっています。それでも以前に比べると、町のあちこちで新しいホテルやゲストハウスの建設が進められていて、スピティにも開発と変化の波が押し寄せてきていることを肌で感じました。

    標高4200メートルの高地にあるランザの村。

    標高4200メートルの静寂の中で

    カザに到着した後、現地の友人が、彼の実家のあるランザ村に僕を招待してくれました。標高4200メートルの高地に位置する村で過ごす時間は本当に静かで、散歩をしていても、風の音と、時折恐ろしく切ない声で響くロバのいななき以外、何も聞こえません。世界にはまだ、こんな静寂に包まれた場所があるのか、とあらためて思い知らされました。

    午後、雲間からの眩しい光が村を照らす。

    夕刻の空に現れた茜色の光の翼。

    ランザから再びカザに戻った日、夕刻の空に、鮮やかな茜色の光が、まるで翼のように空に広がっているのを目にしました。

    私が書きました!
    著述家・編集者・写真家
    山本高樹
    1969年岡山県生まれ、早稲田大学第一文学部卒。2007年から約1年半の間、インド北部の山岳地帯、ラダックとザンスカールに長期滞在して取材を敢行。以来、この地方での取材をライフワークとしながら、世界各地を取材で飛び回る日々を送っている。著書『冬の旅 ザンスカール、最果ての谷へ』(雷鳥社)で第6回「斎藤茂太賞」を受賞。最新刊『旅は旨くて、時々苦い』(産業編集センター)発売中。

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