乗っている自転車にサビが付き、乗り心地が悪くなって困っていませんか?発生したサビは放っておかず、すぐに落としたいものです。サビの落とし方や予防のコツ、パーツごとの作業手順も紹介します。
自転車のサビを取った方がよい理由
自転車のサビは放っておかず、落とした方がよいとされています。なぜ放置してはいけないのでしょうか?サビやすいパーツと併せて、サビを早めに落としておきたい理由を紹介します。
機能が劣化するから
自転車がサビると、機能面に支障を来します。代表的な症状は、サビが進行するとチェーンの回転が悪くなってこぎにくく、スピードが出しづらくなることです。ギアがサビるとギアチェンジがスムーズにできなくなり、乗り心地が悪くなってしまいます。
ブレーキがサビれば、利きが悪くなり安全性が保てません。思わぬ事故を引き起こさないためにも、サビが発生したときは早めの手入れが必要です。
サビが進行すると、どんなに高価な自転車でも見た目が悪くなる点もデメリットです。大切な自転車を長くきれいな状態で使いたいなら、サビはすぐに落とした方がよいでしょう。
サビやすいパーツは特に注意
自転車にはサビやすいパーツがあります。特にサビやすいのは、以下のパーツです。
- チェーン
- ギア
- 各所のボルト
- スポーク
- スタンド
- ブレーキのインナーワイヤー
スポークとは、リム(丸い車輪の枠部分)とハブ(車輪の円の中心)をつなぐ骨組みのことです。ブレーキのインナーワイヤーとは、ブレーキから伸びるチューブ内側のワイヤーを指します。鉄製で未塗装の部分なら、どこもサビやすいと考えましょう。
これから紹介するサビ落としの方法は、基本的にサビやすいパーツ全てに使えます。
自転車のサビを落とす方法
サビの進行具合によって落とす手順が異なるので、自分の自転車の状態に適した方法を試しましょう。必要な道具の準備から、サビの状態ごとの落とし方まで解説します。
必要なアイテムを準備する
自転車のサビ落としに必要な道具は、以下の通りです。
- ウエス
- ブラシ
- 軍手
- サビ落とし剤
- 防錆オイル
ウエスは、サビや汚れを拭き取るための布のことです。使う機会が多いので、複数枚用意しておくとよいでしょう。ウエスが手元にない場合は、いらないタオルやTシャツなどでも代用できます。
ブラシは歯ブラシではなく、ステンレス製のサビ落とし用ブラシがおすすめです。サビ取り剤は研磨剤を含む薬剤で、クリーム状のもの・スプレータイプ・ジェルタイプなど、さまざまなタイプがあります。
軽いサビは薬剤で落とす
軽いサビなら、ブラシでこすらなくても薬剤で落ちる可能性が高いでしょう。ブラシで車体をこすらないため、自転車を傷つけずにサビを落とせます。具体的な手順は、以下の通りです。
- サビている部分に、サビ取り剤を塗る
- サビ取り剤のパッケージに書かれている時間だけ放置する
- ウエスで拭き取る
サビ取り剤がない場合は、酢でも代用できます。酢を使う場合は、30分程度置くのがおすすめです。1回で落ちなかった場合は、1〜3の作業を数回繰り返します。それでもサビが取れない場合は、こすって落とす方法を試してみましょう。
重度のサビはブラシでこすって落とす
頑固なサビは、ブラシでこすって落とす必要があります。次の手順を参考に試してみましょう。
- サビ落とし剤を吹きかける
- ブラシでサビをこする
- 研磨剤で表面を磨く
- 仕上げに防錆オイルを塗る
強くこすりすぎると表面を傷つけてしまうため、力を入れすぎずにこするのがコツです。細かい部分はブラシを使わずに、サンドペーパーで慎重に落としましょう。
落ちない場合は、面積の広い部分も粗めのサンドペーパーを使って落とします。ただ、サンドペーパーでこすると、塗装が剥がれる危険生も出てくるので注意。剥がれてしまった場合は再塗装が必要です。
パーツごとの落とし方もチェック
基本的なサビの落とし方はどの部分でも同じですが、パーツごとに細かい手順やポイントが変わります。チェーン・ギア・ボルトの3パーツを例に、落とし方を確認していきましょう。
チェーンのサビの落とし方
チェーンのサビを落とす際は、準備としてオイルが垂れないよう下に新聞紙を敷きましょう。具体的な手順は、以下の通りです。
- 防錆オイルを吹きかけ、ブラシでサビをこすり落とす
- 軍手をはめ、チェーンを逆に回しながらウエスを当て汚れを拭き取る
- 仕上げにチェーン用のオイルを注入する
チェーンはこぎ心地やスピードに大きく影響するパーツです。劣化しないように小まめにメンテナンスをしましょう。一般的な潤滑油では効果が長持ちしない可能性があるため、できればチェーン用のオイルを購入するのがおすすめです。
ギアのサビの落とし方
ギアのサビは、以下の手順で落としましょう。
- 防錆オイルを吹きかける
- 歯と歯に挟まった汚れと一緒にサビをブラシでこすり落とす
- 仕上げに潤滑油を注入する
一般的なオイルでは、揮発性が高く長期間効果を期待できない可能性があります。ここでも、粘度の高いチェーンオイルを使うのがおすすめです。
チェーンを解体できる場合は、解体した方が作業しやすいでしょう。チェーンにオイルを注入した後にギアチェンジをしながらペダルをこげば、ギア全体にオイルをなじませられます。
ボルトのサビの落とし方
ボルトは特にサビやすいパーツなので、可能であればボルトを外してから作業するのが望ましいでしょう。サビでボルトが回らない場合は、防錆オイルを吹きかけてから外します。
取り外したらネジ山がつぶれないように、サンドペーパーで磨きましょう。仕上げにグリースを塗ってサビを予防すれば完了です。
ボルトは自転車のいたるところに取り付けられているため、サビがあると見た目にも影響します。また、ボルトがサビるとネジ山がつぶれやすくなってメンテナンスが大変になるので、小まめに手入れしておいた方がよいでしょう。
自転車をサビにくくするコツ
できることであれば、そもそも自転車をサビにくくしたいと考える人は多いでしょう。自転車をサビから守る方法には、具体的に何があるのでしょうか?簡単にできるケアの方法を二つ紹介します。
雨風が当たらない場所で保管する
自転車をサビから守るために大切な行動として、できるだけ雨風にさらさないことが挙げられます。自転車がサビる大きな原因は、雨にぬれることです。雨水が酸素と反応して、鉄を腐食してしまうとサビが発生します。海辺に住んでいる人は、潮風にも注意しましょう。塩分もサビの原因です。
自転車に乗らないときは、屋内で保管するのがベストです。もし屋内のスペースが狭く、屋外で保管せざるを得ない場合は、市販のカバーをかけて保管するのがおすすめです。
防錆オイルを小まめに吹きかける
定期的に防錆オイルを吹きかけて、メンテナンスを行うことも重要です。防錆オイルは潤滑油の役割も果たすため、各パーツの滑らかな動きもサポートしてくれます。
防錆オイルには『水置換』という機能があり、吹きかけると金属の表面に膜を作れます。防錆オイルによるメンテナンスも取り入れれば、水にぬれてもサビにくくできるでしょう。スプレーするときは、自転車の水分を拭き取ってからする方が効果が高まります。
乗っている最中に汗が垂れるとサビにつながるので、使用後は水分が付着していないかチェックするのもサビの効果的な予防方法です。
まとめ
自転車のサビを放っておくと、さまざまなデメリットが発生します。機能が落ちて乗り心地が悪くなるだけでなく、安全性や見た目も損なってしまうので、サビが発生したら落としましょう。
サビを落とすだけでなく、予防も大切です。サビの原因は水と鉄が反応して腐食することなので、できるだけ雨風の当たらない場所で保管することをおすすめします。
また、定期的なメンテナンスもサビを予防するポイントです。大切な自転車を長持ちさせるために、しっかり手入れしながら乗りましょう。